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2013-09-13 22:57:00

中国  2013年9月13日(金曜日)
上海で日中ものづくり商談会、600社出展[経済]

上海市長寧区の上海世貿商城(上海マート)で11~12日の2日間、日系製造業の商談会「第16回日中ものづくり商談会」が開かれた。既に中国に進出している日系企業や進出を検討している日本の中小企業を中心に約600社が出展。昨年9月以降の日中関係の悪化から1年が経ったが、各社とも中国市場を重視する姿勢を示した。

機械加工や表面処理などを手掛ける山本精工(京都府宇治市)の上海子会社、赫陸徳溥(上海)精密機械貿易(上海市徐匯区)は、人件費の高騰が進む中で自動化を進めている中国企業を狙いに、画像検査装置や蛇行修正装置など計4点を出展した。

上海子会社は今年1月に設立。製品は現在日本で生産しているが、いずれは上海周辺の地域に生産工場を設ける考えで、営業拠点も徐々に増やしていく計画という。赫陸徳溥(上海)精密機械貿易の田中邦広総経理は今後の中国事業について「顧客のニーズに応えて自社で設計から生産まで一括で請け負っていく。バイタリティを持った中国企業との提携を進めていきたい」と意気込んだ。

分煙設備システムなどの開発を行うシステム空調(茨城県土浦市)は、昨年日本で開発した分ダクトファン「風太郎」を出展。風太郎は室内の空気を循環させ、天井面と床面の温度を均一化するのが特徴。工場や商業施設で既設される業務用空調に設置するだけで、年間の電力消費が約3割削減できるほか、大がかりな施工が不要なため日本の空港や飲食店などでも徐々に設置が広まっているという。システム空調の石本和夫代表取締役は「出展の状況をみて中国進出を検討する。中国の設計事務所から上海ディズニーランド内に設置したいという声も頂いている」と話し、中国進出に前向きな見方を示した。

ねじ商社のサイマコーポレーション(神奈川県藤沢市)の全額出資子会社、常州科傲勝貿易(江蘇省常州市)はねじや機械加工部品などを出展。これまでは主に本社への輸出を行ってきたが、今後は収益改善のために中国での営業活動を強化していく。常州科傲勝貿易の松本忠男総経理は「顧客は日系企業が中心となるが、日系企業が求める品質に対応できる外注先の地場メーカー開拓にも注力する」と抱負を語った。

日中ものづくり商談会は工場網信息諮詢(上海)(長寧区、ファクトリーネットワークチャイナ)が主催。2日間の来場者数は12日午後2時時点で計8,500人で、商談数は前年比2.9%増の1万8,000件となった。