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2013-08-07 09:34:00

外国人観光客誘致(インバウンド)で官民がタッグを組む事例が増えている。観光庁は、外食業界などの現地で人気を集めている企業と共同でキャンペーンを実施することで、より効果的に外国人観光客を呼び込むことを狙う。

 7月下旬の富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)。マレーシアから来たある観光客は「見たことがないアトラクションがいっぱいある。ジェットコースターがあまりにもすごい!」と喜びの声を上げた。

 この日、アジア各国から集まった8人の観光客は、実は居酒屋チェーン大手ワタミの海外統括会社、ワタミインターナショナル(香港)などの民間企業と観光庁が共同で実施したキャンペーンの当選者だ。キャンペーン期間中に観光庁が運用する「ビジット・ジャパン」のフェイスブック公式ページを訪れ、「いいね!」ボタンを押した人の中から抽選で選ばれ、懸賞の日本旅行を手に入れた。

ワタミが海外店舗で配置したPOP(店頭販促)。インバウンドのキャンペーンを告知した

海外店舗への集客効果を期待

 ワタミインターナショナルが観光庁とこうしたキャンペーンを実施するのは2012年に続いて2回目。「香港など、海外の店内でお客さんの会話を聞いていると、内容は日本の食や旅行に関するものが圧倒的に多い。うちの店舗で情報提供をしていけばインバウンドに一役買えるに違いないと考えた」(ワタミ広報)。

 2回目となる今回は、6月下旬から7月中旬まで、香港や台湾、シンガポール、マレーシアなど6カ国・地域にあるワタミの店舗でキャンペーンを告知。約1万4000人もの応募があった。日本旅行に外れた人にも、ワタミの海外店で料理やビールを抽選でプレゼントした。日本を訪れるファンが増えれば、ゆくゆくはワタミの海外店舗の集客にもつながると踏んでいる。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130805/251973/?n_cid=nbpnbo_mlt