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2013-07-25 12:53:00

シンガポール  2013年7月25日(木曜日)
沢の鶴が域内拡販、海外売上高の4分の1へ[食品]

酒造会社の沢の鶴(神戸市)は、東南アジアや米国を中心に海外販売を強化する。海外売上高に占める東南アジアの比率を前年の13%から5年間でほぼ倍増(23%)させたい考えで、シンガポールやベトナムで販路拡大に取り組む。

東南アジアでは、シンガポールを重点市場と位置付ける。これまでシンガポールの販路開拓は現地の販売代理店に任せ、年に1回程度、日本から営業に行く程度だった。しかし「代理店、レストラン、小売店との関係をより親密にする」(マーケティング室)ため、本社の営業担当者の出張回数を年2~3回の頻度に増やし、現地のレストランや小売店を直接訪ねる予定。

レストランで日本文化や日本酒の飲み方を提案するイベントを開催するなど、消費者への訴求機会も増やす。飲食店では「日本食業態の販路開拓が中心になるがフレンチ、イタリアン、中華など様々なジャンルのレストランへの提案機会も増える」(マーケティング室)とみている。小売店向けへの販売にも注力し、店頭での試飲会や展示会の出展なども積極的に実施する。

主な商品は、特別純米酒「実楽」、梅酒「1999年古酒仕込み」となる。これらが2年前から有名高級レストランなどで取り扱われており、波及効果が狙えるとみている。これらの商品を突破口に各種製品を売り込んでいくという。

海外30カ国に輸出している沢の鶴は、海外の営業強化を見据え、昨年に海外営業部門の陣容を5割増やした。同社の海外販売売上高は全体の約2%だが、この比率を2018年3月期までに5倍の10%に引き上げる目標を示している。