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2022-09-03 11:50:00

マクドナルドの元CEOも支援! ビーガンのファストフードチェーン「クリーン・キッチン・クラブ」に行ってみた

クリーン・キッチン・クラブ

ノッティング・ヒルにあるクリーン・キッチン・クラブへ行ってきました。

Grace Dean/Insider

  • 「クリーン・キッチン・クラブ(Clean Kitchen Club)」はイギリスのロンドンで4つの店舗を展開するビーガンのファストフードチェーンだ。
  • 起業家のスペンサー・マシューズ(Spencer Matthews)氏やグレース・ビバリー(Grace Beverley)氏、マクドナルドの元CEOスティーブ・イースターブルック(Steve Easterbrook)氏らが投資している。
  • メニューには「あたり」と「はずれ」があったけれど、店の雰囲気は素晴らしかった。

クリーン・キッチン・クラブにはたくさんの魅力がある —— ユーチューバーのマイケル・ピアース(Michael Pearce)氏が創業し、のちにリアリティ番組『メイド・イン・チェルシー』のスター、ベリティ・ボウディッチ(Verity Bowditch)氏が加わったファストフードチェーンで、2020年の立ち上げから今ではロンドンで4店舗を展開している。ピアース氏とボウディッチ氏は5月、クリーン・キッチン・クラブでは1日あたり2000食以上が売れていると話した。そのメニューは全てビーガン(完全菜食主義)で、成長著しい"植物由来"市場を狙っている。

店舗外観

 

Grace Dean/Insider

Source:Insider


TVパーソナリティで『メイド・イン・チェルシー』の元スターであるスペンサー・マシューズ氏やサステナブル・アクティブウェアのスタートアップ「タラ(TALA)」の創業者グレース・ビバリー氏、イギリスの代替食会社「クォーン(Quorn)」の元会長クライブ・シャープ(Clive Sharpe)氏などがクリーン・キッチン・クラブを支援している。

グレース・ビバリー氏

グレース・ビバリー氏。

Grace Beverley

Source:Insider


ただ、クリーン・キッチン・クラブが大きな話題となったのは、『Propel』がその投資家の1人としてマクドナルドの元CEOスティーブ・イースターブルック氏の存在を報じた時だ。Insiderの取材に、クリーン・キッチン・クラブはイースターブルック氏から投資を受けたと認めた。 イースターブルック氏は人員削減や注文用のタッチスクリーンといったテクノロジーの導入を通じてマクドナルドを復活させた人物として知られている。2019年、同氏は複数の従業員と関係を持ったことを理由に解任された。

スティーブ・イースターブルック氏

スティーブ・イースターブルック氏。

Scott Olson/Getty Images

Source:Insider


Insiderの取材に、クリーン・キッチン・クラブの広報担当者は同社が年内にもう5店舗オープンする計画で、ケータリングビジネス—— すでにアマゾンやディオール、スカイ・スタジオ(Sky Studios)が利用している —— も拡大すると語った。スーパーでは軽食や出来合いの料理の販売も始めるという。Insiderは観光客でにぎわうノッティング・ヒルにある店舗を訪れた。

ノッティング・ヒル

 

Grace Dean/Insider


店の雰囲気は、ファストフード店という感じが全くしない。注文カウンターにはアサイーボウルのトッピングが並んでいて、奥にはこーヒーマシーンが置かれていた。

カウンター

 

Ryan Hogg / Insider


内装はクールで落ち着いた、自然な雰囲気だ。他のファストフードチェーンのように、派手な色は一切使われていない。緑と白を基調とし、木製の家具が使われている。

店内の様子

 

Grace Dean/Insider


テーブルには植物まで置かれている —— ファストフード店では目にすることがないものだ。全てがものすごくインスタ映えしそうだ… 創業者2人がどちらもインスタグラムにたくさんのフォロワーがいることを考えれば、当然かもしれない。

店内の様子

 

Grace Dean/Insider


スペース的に店内を一度に利用できるのは数組で、イートインよりもテイクアウトが多いと想定してデザインされているようだ。

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店内の様子

 

Ryan Hogg / Insider


注文カウンターに掲げられているメニューは、ハンバーガーやボウル、アサイーボウル、ナゲット、コーヒーが中心だ。

メニュー

 

Grace Dean/Insider


サンドイッチやサラダ、冷たい飲み物もカウンターの下の冷蔵庫に並んでいる。

店内の様子

 

Ryan Hogg / Insider


窓際にはカップケーキやパン・オ・ショコラ、クロワッサンが並んでいる。美味しそうだ。

店内の様子

 

Grace Dean/Insider


創業者のプレゼン資料によると、クリーン・キッチン・クラブの顧客の80%以上はビーガンではない。同社は植物由来の代替肉をビヨンド・ミート(Beyond Meat) —— ハンバーガーのパテ —— やティンドル(TiNDLE) —— チキンパテやナゲット —— などから仕入れている。

店の前の様子

 

Grace Dean/Insider


わたしたちは、さまざまなメニューを試してみることにした。注文してから料理が出てくるまで約10分… これはマクドナルドやケンタッキーフライドチキン、バーガーキングといったチェーン店よりも遅い。クリーン・キッチン・クラブの商品は本当に作り立てなのかもしれない。

商品

 

Grace Dean/Insider


今回はイートインで注文したものの、テイクアウトと同じパッケージで出てきた。公式サイトによると、クリーン・キッチン・クラブでは「市場で手に入る中で最も環境にやさしい素材」を使用しているという。包装資材にはプラスチックは含まれておらず、完全に再生利用可能、生分解可能だと、広報担当者は話している。カトラリーは木またはアボカドの種でできているという。ストローは紙もしくは竹繊維でできている。

商品

 

Ryan Hogg / Insider


最初に出てきたのはハンバーガーだった。どちらも赤いバンズを使っていて、これは予想外だった。こちらの「チート・アンド・クリーン・バーガー」は8.65ポンド(約1400円)。ちなみにマクドナルドのマックプラントは4ポンド弱だ。わたしたちはランチセットを注文したので、8.50ポンドでハンバーガーにフライドポテトと冷たいドリンクが付いてきた。

ハンバーガー

 

Grace Dean/Insider

Source:Insider


チート・アンド・クリーン・バーガーにはビヨンド・ミートのパテが使われていて、ビーガン・スモークチーズ、ガーキン、レタス、トマトと「クリーン・スペシャル・ソース」がサンドされている。チーズは全然溶けていなかった(ビーガンチーズではよくあることだ)。パテは風味豊かで、スモーキーな味わいだが、思ったよりもやや厚みがなかった。ソースは美味しいけれど、何が入っているのか分からなかった。美味しいハンバーガーソースだ。

ハンバーガー

 

Grace Dean/Insider


わたしたちは「トリュフマヨ・バーガー」も注文した。こちらのハンバーガーにはティンドルのチキンパテが使われていて、トリュフマヨとルッコラがサンドされている。こちらは9.65ポンド(約1560円)だが、ランチセットにすれば10ポンドでフライドポテトと冷たいドリンクが付いてくる。

ハンバーガー

 

Ryan Hogg / Insider


トリュフマヨはまずまずだったけれど、全体としてはやや物足りない… もう少し食材を追加しても良かったのかも。

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ハンバーガー

 

Ryan Hogg / Insider


フライドポテトはオレガノとローズマリーの塩で味付けされていた。とても美味しくて、他のファストフードチェーンのポテトよりかなり良かった。単品で注文すると3.55ポンド(約570円)だが、その味と量を考えれば納得だ。

フライドポテト

 

Grace Dean/Insider


2種類のボウルも注文した。カツ・チキンは7.95ポンド(約1280円)、マカロニ・アンド・チーズは6.95ポンド(約1120円)だ。こちらもランチセットで頼めば、8.50ポンド(約1370円)で冷たい飲み物が付いてくる。

ボウル

 

Ryan Hogg / Insider


カツ・チキンに使われている鶏肉の代替肉はとても良かったものの、ソースはものすごく辛くて、濃くて、わたしたちが試した他のメニューに比べて明らかに甘くなかった。米は味気なかった。

カツ・チキン

 

Ryan Hogg / Insider


マカロニ・アンド・チーズは見た目も良く、代替ベーコンも美味しいし、一般的なマカロニ・アンド・チーズにかなり近い味わいだ。

マカロニ・アンド・チーズ

 

Grace Dean/Insider


ソースも悪くない。ただ、本物のチーズとは明らかに違う。ものすごくとろとろなので、皿の下の方にたまって、卵の黄身のように見えた。

マカロニ・アンド・チーズ

 

Grace Dean/Insider


「ビーガン・チキンナゲット」は恐らく一番の呼び物だろう。20個まで好きな数で注文できる。ただ、マクドナルドのチキンナゲットが5.65ポンド(約910円)なのに対し、クリーン・キッチン・クラブのナゲットは17.95ポンド(約2900円)とかなり高い。

ナゲット

 

Ryan Hogg / Insider


植物由来のナゲットは間違いなく目玉商品で、わたしたちがこれまでに試した代替肉を使ったチキンナゲットの中でも恐らく一番美味しいナゲットだった。塩の効いた、本物の鶏肉とほぼ見分けがつかないような食感だ。

チキンナゲット

 

Ryan Hogg / Insider


クリーン・キッチン・クラブのブランドは「できる限りサステナブルであること、新たなサステナブルの取り組みを日々学ぶことを中心に構築されています」と同社は話している。飲食店の余り物を注文できるアプリ「Too Good To Go」に余った商品をディスカウント価格で売ることもその一環だ。

店の様子

 

Grace Dean/Insider


全体としては、ハンバーガーとフライドポテトが美味しく、中でも植物由来のチキンの代替肉はものすごく良かった。ただ、カツ・チキンは改善が必要だろう。マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、バーガーキングといったチェーン店では、肉を使った通常メニューでも代替肉を使ったビーガンメニューでも値段は変わらないが、クリーン・キッチン・クラブはファストフード店としては値が張る。とはいえ、ランチセットはかなりお得だし、さわやかで自然な雰囲気の店内で食事が楽しめるのは、一般的なファストフード店に比べてとても良い。

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店の様子

 

Grace Dean/Insider

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