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2013-06-05 09:46:00

静岡県は3日、シンガポールに県単独の東南アジア駐在員事務所を開設し、業務を開始した。アジアではソウル、上海、台湾に次ぐ4カ所目。東南アジアでは初となる。

中心部クラーク・キーの複合施設「セントラル」に開設し、県内企業進出の支援だけでなく、県産品の海外拡販活動支援や県への観光客誘致などの活動を進める。当面はローカル職員2人を含む3人でスタートし、必要に応じて出張ベースで対応するという。

担当地域はシンガポールを中心とする東南アジア全域だが、長谷川卓所長は「観光誘致はシンガポール、マレーシア、タイ、進出企業への経済支援はタイ、ベトナム、インドネシアがそれぞれ中心になる」と話す。また県が現在積極的に進めている「地域外交」の東南アジアの拠点としての役割も担うという。

20日には川勝平太知事も出席して新事務所の開所式と県紹介のセミナーを開催する予定だ。

■訪問客数10位以内目指す

静岡県は1988年、日本貿易振興機構(ジェトロ)の現地事務所に複数の県と合同で事務所を構えた。当時盛んだった県内企業の海外進出支援を主要業務としていた。しかし近年は進出が一巡したほか、県内への海外からの訪問客数が急増していることから、観光・商用客の誘致が新しい任務として浮上した。

国土交通省観光局の宿泊旅行統計調査によると,静岡県は都道府県別訪問客数の順位で「例年10位台で上下している」(同所長)。県の単独事務所として新たに開所したことにより、2009年に開港した静岡空港への東南アジア定期便やチャーター便の誘致など、より柔軟な交渉が進められるという。訪問客の「県内一泊化」を推進し、前述の調査で静岡県を10位以内にまで引き上げることを目標とする。

このほか、静岡銀行シンガポール駐在員事務所と提携した県内企業の商談会の開催についても検討している。