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2013-02-11 13:45:00

冷凍食品で欧州最大手のイグロ(Iglo)・グループが英国で販売する「フィンダス(
Findus)」ブランドのビーフ・ラザニアに、70~100%の割合で馬肉が含まれていた
ことが、同社の調べで分かった。これを受け、英食品基準局(FSA)は牛肉製品を
扱う国内のすべてのメーカーや小売業者に対し、1週間以内に該当製品の検査を実施
するよう求めたほか、牛肉以外も含めたすべての肉製品について自ら検査に乗り出し
ている。(英国&EU版編集長・吉村研郎)

フィンダスUKは、問題の製品は他社製品を仕入れたもので、安全上の問題はないが念のため全小売業者の店頭から撤去したとしている。また、他のすべての製品についても検査したが問題はなかったという。FSAは、冷凍食品全般について安全性を疑う理由はなく、購入を控える必要はないとしている。

馬肉の混入問題をめぐっては1月、英スーパー最大手のテスコなどで売られているビーフパティに最大29%の馬肉が含まれていることが発覚。FSAによると、テスコはアイルランドの食肉加工会社シルバークレスト・フーズ、フィンダスはフランスの冷凍食品製造コミジェルからそれぞれ問題の製品を仕入れていた。これを受け、フランス国内でもスーパー大手のカルフール、モノプリ、オーシャン、カジノ、コラ、ピカールの6社がフィンダスおよびコミジェルから仕入れた加工食品を全て撤去している。

今回の件についてパターソン英環境相は、「食品安全上の問題ではなく詐欺および不当表示の問題」との認識を示しており、FSAは刑事事件の可能性も念頭に警察を巻きこみ調査に当たっている。また、英仏で牛肉に混入していた馬肉は、ルーマニアの食肉処理場から出荷された可能性が高いとされることから、ルーマニア当局も捜査に乗り出している。

英国では馬肉を加工・販売することは違法ではないが、馬に広く用いられる抗炎症薬フェニルブタゾンが人体に悪影響を及ぼす可能性があるとされることから問題視されている。馬肉が混入したビーフパティやラザニアが学校給食や病院食に用いられていた可能性もあり、政府の対応の遅さを批判する声も上がっている。また、欧州連合(EU)産食肉の一時禁輸を求める声もあるが、パターソン環境相はEUの規則でそれは不可能としている。