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2019-06-29 22:45:00

現代の優秀な経営者は、経営の神様と讃えられた「松下幸之助」から多くのことを学びました。特に、「経営についての哲学・経営理念」をはじめとして「指導者の条件」について多くの示唆を受けており、現在でも「サクセシイブ・カンパニー」に生かされている。

この考え方を十分学んでいれば、現在の多発している企業の不祥事は、防ぐことができたと考えられている。多ページに渡るが一度で紹介したほうが全体を学ぶことができるので、辛抱強く熟読してください。

 

現代経営者の条件()

 

(4)松下幸之助の指導者の条件

 

 松下幸之助は、「指導者の条件」として、次のように説明している。

(1)あるがままにみとめる

 指導者は人、物すべてをあるがままにみとめなくてはならない

(2)いうべきをいう

 指導者はいうべきことをいうきびしさを持たなければならない

(3)怒りを持つ

 指導者は指導者としての公の怒りを持たなければならない。

(4)一視同仁

 指導者は敵をも愛するゆたかな心を持ちたい

(5)命をかける

 指導者には命をかけて事に当たるほどの心境が必要である

(6)祈る思い

 指導者には何ものかに祈るというほどの真剣な思いが必要である

(7)訴える

 指導者はつねに自分の考えを訴えなければならない

(8)落ち着き

 指導者は危機にあっても冷静でなければならない

(9)覚悟をきめる

 指導者は大事にいたれば、度胸をすえてそれに当たることである

10)価値判断

 指導者は、人、物すべての価値を正しく知らねばならない

11)過当競争を排す

 指導者は自他相愛、共存共栄の精神を持たなければならない

12)寛厳自在

 指導者には適度のきびしさとやさしさが必要である

13)諌言をきく

 指導者はいいことよりも悪いことを喜んで聞くようにしたい

14)感謝する

 指導者は何ごとに対しても深い感謝報恩の念を持たなければならない

15)カンを養う

 指導者は真実を直感的に見抜くカンを養わなくてはならない

16)気迫を持つ

 指導者には断固事をやりぬく気迫が大切である

17)きびしさ

 指導者は公の立場に立ってきびしい要求を持たなければならない

18)決意をつよめる

 指導者は一度決心してもそれを自らたえずつよめなくてはならない

19)権威の活用

 指導者は時に何かの権威を活用することも大事である

20)原因は自分に

 指導者は失敗の原因はすべてわれにありと考えるべきである

21)謙虚である

 指導者は地位が高くなればなるほど謙虚でありたい

22)権限の委譲

 指導者は各人の力の範囲で仕事を考えるべきである

23)見識

 指導者は是は是とし非を非とする見識を持たなければならない

24)公平である

 指導者はあらゆる面で私心なく公平を期さなくてはならない

25)公明正大

 指導者は自ら省みてやましいところなきを期さなくてはならない

26)志を持つ

 指導者はつねに理想を描き大きな志を持たなければならない

27)心を遊ばせない

 指導視野は体は遊んでいても心は働かせていることが大事である

28)こわさを知る

 指導者は世間のこわさを知り身を正していかなければならない

29)最後まで諦めない

 指導者は最後まで志を失ってはならない

30)自主性を引き出す

 指導者は部下の自主性を引き出し生かすことが大切である

31)私心をすてる

 指導者は私の心を去ってものを考えることが大事である

32)指導理念

 指導視野には一つの指導理念がなくてはならない

33)自分を知る

 指導者は自分の力、自分の集団の実力を正しく把握しなくてはならない

34)使命感を持つ

 指導者の力強さは使命感を持つことから生まれる

35)自問自答

 指導者はたえず自問自答していくことが大切である

36)衆知を集める

 指導者はつねに人の意見に耳を傾けなくてはならない

37)出処進退

 指導者はつねに出処進退をあやまらないことが大切である

38)小事を大切に

 指導者は小事をおろそかにしてはならない

39)仁慈の心

 指導者には人をいつくしみ人びとのし合わせを願う心が必要である

40)信賞必罰

 指導者は私情を棄て、適切な賞罰を行わなければならない

41)人事を尽くす

 指導者は失敗は本来許されないというきびしい考えを持ちたい

42)辛抱する

 指導者はじっと時を待つ忍耐心を持たなければならない

43)信用を培う

 指導者はつねに身を正し信用を高めなくてはならない

44)信頼する

 指導者は人を信頼し思い切って使うことが大事である

45)好きになる

 指導者はその仕事が好きでなくてはつとまらない

46)すべてを生かす

 指導者はどんな人にも使い道があることを知らなければならない

47)誠実である

 指導者はつねに誠心誠意ということを心がけなくてはならない

48)責任感を持つ

 指導者には一身を捨て他を生かす心意気がほしい

49)世間に従う

 指導者は“世間は正しい”という考えに立たなくてはならない

50)説得力

 指導者は正しい主張でもその訴え方に工夫することが大事である

51)世論をこえる

 指導者は時に多数の意見をこえるチエを生み出さねばならない

52)先見性

 指導視野はつねに将来を予見して手を打たねばならない

53)先憂後楽

 指導者はつねに人に先んじて発想しなくてはならない

54)即決する

 指導者は即断即行を心がけなくてはならない

55)率先垂範

 指導者は身をもって範を示す気概を持たなくてはならない

56)大義名分

 指導者はまず大義名分を明らかにしなくてはならない

57)大事と小事

 指導者は基本を押さえ、あとは自由にまかせるようにしたい

58)大将は内にいる

 指導者は自分はできるだけ中央にいて部下を使うことが大切である

59)大将は大将

 指導者は指導者としての主座を保っていなくてはならない

60)大所高所に立つ

 指導者には大局に立ち小異を捨て大同につく心構えが大切である

61)正しい信念

 指導者は何が正しいかを考えつつ新年を養い高めなくてはならない

62)ダム経営

 指導者はあらゆる面にダム経営を心がけることが大切である

63)調和共栄

 指導者は人間みな兄弟の思いを持たなくてはならない

64)使われる

 指導者は一面部下に使われるという心持ちを持たねばならない

65)適材適所

 指導者はそれぞれの人の持ち味を知って用いることが大切である

66)敵に学ぶ

 指導者は自分の競争相手にも学ぶ心構えが大切である

67)天下の物

 指導者は物事を公の立場で考えなくてはならない

68)天地自然の理

 指導者は天地自然の理を知り、これに従うことが大切である

69)天命を知る

 指導者は自分の力をこえた運命というものも考えてみたい

70)徳性を養う

 指導者に徳があってこそ、はじめてもろもろの力が生きてくる

71)独立心

 指導者は自他ともの独立心の涵養を心がけなけれねばならない

72)とらわれない

 指導者は何か一つのものごとにとらわれてはならない

73)努力する

 指導視野は徹底した努力こそ成功の要諦であることを知らなければならない

74)長い目でみる

 指導者は目先の理外にとらわれず長期的にものを考えることが大事である

75)なすべきをなす

 指導者はどんな事態にあってもなすべきをなさねばならない

76)人間観を持つ

 指導者は人間について正しい認識をもたねばならない

77)人情の機微を知る

 指導者は人情の機微に則して事を行わなくてはならない

78)熱意を持つ

 指導者は熱意においては最高のものを持たねばならない

79)ひきつける

 指導者は何かしら人をひきつける魅力を持つことが望ましい

80)人の組み合わせ

 指導者は適切な組み合わせにより人を生かすことが大事である

81)人をきたえる

 指導者はきびしく人をきたえることによって人を育てなくてはならない

82)人を育てる

 指導者は真の人間教育をめざさなくてはならない

83)人を使う

 指導者は自分よりすぐれた才能の人を使うことが大事である

84)人を見て法を説く

 指導者は同じことでも相手により説き方を変えることが大事である

85)人を求める

 指導者は人を得るためにはまず強く人を求めることである

86)日に新た

 指導者はつねに日に新たな思いを持たなければならない

87)広い視野

 指導者は視野を広く持つように心がけなくてはならない

88)不可能はない

 指導者は天地自然の理にかなった事はすべて可能だと考えたい

89)方針を示す

 指導者は何が正しいかを考えつつ進むべき方針を示さなくてはならない

90)包容力を持つ

 指導者は自分に敵対する者をも清濁あわせて飲む大きな度量を持ちたい

91)ほめる

 指導者はほめるべき時にほめることを惜しんではならない

92)まかせる

 指導者は自分の力より人の力を使うことが大切である

93)見方をかえる

 指導者は自由自在な発想の転換を心がけなくてはならない

94)みずからを励ます

 指導者は日々自分を励まし勇気をふるい起こすことが大切である

95)無手勝流

 指導者は戦わずして勝つことを目ざさなくてはならない

96)命令する

 指導者は命令が相手に遂行されるよう十分配慮しなくてはならない

97)目標を与える

 指導者は次ぎつぎに適切な目標を与えなくてはならない

98)持ち味を生かす

 指導者は自分の持ち味によって事をなさなくては失敗する

99)勇気を持つ

 指導者に必要なのは匹夫の勇でなく正義に立った大勇である

100)乱を忘れず

 指導者は“治にいて乱を忘れず”の心構えが大切である

101)理外の理

 指導者はふつうの理をこえたより高い理を知らなくてはならない

102)再び謙虚と感謝

 指導者はその団体で一番謙虚で感謝を知る人でなくてはならない

(資料)松下幸之助「指導者の条件」(1989PHP文庫