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2012-04-21 23:47:00

開催中のアジア最大級の食品・ホテル業界向け見本市「フード・アンド・ホテル・アジア(FHA)」に静岡県の中小企業でつくる任意団体「おいしい遠州協議会」がブースを設けている。地元企業の海外進出を支援する浜松信用金庫が主導して設置したもので、静岡から同信金取引先の8社が出展した。急成長する東南アジア市場で販路の新規開拓を進め、地域産業の振興につなげる考えだ。

 



おいしい遠州協議会のブースに出展した静岡の企業は、▽和菓子の巌邑堂(浜松市)▽バウムクーヘンなど洋菓子のヤタロー(同)▽カボスジュースのドットオノックス(同)▽トマトジュースのホットファーム(同)▽揚げパンとアイスクリームのコルネット(同)▽食器、陶器のセイトウ(磐田市)▽卵商品の浜名湖ファーム(湖西市)▽緑茶の静岡やすま園(同)。

いずれも浜松信金の取引先で、コルネット以外の7社は海外の食品見本市に初めて参加した。

浜松信金の証券国際部国際業務課の渡邉迅人係長はNNAに対して、「取引先を集めてシンガポールの食品見本市に出展するのは初めて。当地で商品を紹介することで東南アジア諸国連合(ASEAN)域内や中東まで販路開拓の可能性が広がると期待している。思いのほか多くの業者がブースを訪れ、それぞれの商品に高い関心を示してくれている。この機会を輸出や販売の促進につなげていきたい」と説明した。

同信金は、昨年香港で開催された食品と調理機器の国際見本市「アジア国際食品・飲料・ホテルレストラン機器機材サービス展示会(HOFEX)」にも取引先企業を集めて参加した。HOFEXにも出展したコルネットは、同見本市を訪問していたマレーシアのカフェチェーン店パパリッチと商談が成立し合弁会社を設立した実績を持つ。揚げパンにアイスクリームを乗せたおやつ「アイスコルネット」は、シンガポール内のパパリッチ店舗でも年内をめどに販売を開始する見込みだ。

コルネットの高林元気副社長は「今回の見本市でもすでに複数のバイヤーとの間で契約に関する話も出ている」と明らかにした。

また、ブースでは試食会のほか、和菓子の実演も開催。明治4年創業の老舗和菓子店、巌邑堂の内田弘守社長は「本物の和菓子の認知度をアジア地域で高めていきたい」と語った。

■中小の海外展開支援

浜松信金では2010年3月から取引先の海外進出支援事業を本格化。海外ビジネスサポートデスクを設置し、進出予定先の経済・投資情報などの情報提供、現地会計士・コンサルタントの紹介、海外セミナーや相談会の開催、進出事業計画書作成の支援などを行っている。

渡邉係長は「国内事業だけでは収益性の確保が困難になってきており、海外に進出したいという取引先企業は多い。ただ大企業と違い中小企業は単独での進出が難しいこともある。今回のように見本市や商談会への参加の場を提供するなど、取引先の中小企業が海外に進出しやすい環境を今後もつくっていきたい」と述べ、中小企業の売上高を伸ばし、浜松を中心とした地域の経済発展につなげていきたいと語っている。

http://news.nna.jp/free/news/20120420spd004A.html