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2012-01-26 12:11:00

牛肉供給量の激減を緩和するためには、業界は牛肉・肉牛輸入量の増加に頼ることになる。しかし昨年の牛肉輸入量は前年比で11%(2億700万トン)減少した。肉牛輸入はメキシコ産肥育牛が15.5%(18万8,612頭)増えたが、カナダ産が前年比35.3%(36万6,000頭)も減少して埋め合わせにはならなかった。今年の牛肉輸入量は今のところ、昨年の20億5,200万ポンドから微増の20億9,000万ポンドの予想だ。オーストラリアからの輸入増加が鍵となるが、それも牛赤身肉の価格とドルレートの動き次第だろう。肉牛輸入は、昨年メキシコ産が干ばつの影響で増加したが、そのことで現地の頭数が枯渇したため、今年はさらに減少する見込みだ。

牛肉の増産、予想を上回る輸入量、3月開始予定の大腸菌追加検査の影響で、輸入量の抑制という可能性もある。反対に輸出量がUSDA予測より増えるかもしれない。USMEFは、日本の月齢制限30ヵ月への引き上げと中国の下半期輸入解禁を想定して、2012年の輸出量を前年比6%増と推定している。それ以外にも、海外市場の米国産牛肉高値への対応、ドル高などが輸出増の要因になる。実際、昨年度の米国パッカー大手各社の平均輸出価格は前年比16.7%から22.3%の間で上昇している。

こうした値上がりの背景には、日本や韓国の主要市場のGDPプラス成長による牛肉需要の増加、世界的な肉牛頭数の低迷(2012年世界総頭数は前年比0.6%増の10億1,800万頭)による牛肉生産量の停滞(5,680万トン/USDAの2011年10月予測) がある。

中国の肉牛頭数はインド、ブラジルに次いで世界3位だが、2012年には前年の1億480万頭から1億390万頭に減少し、増大する中産階級の消費需要に対応するため輸入量の増加が必要になるが、高額のカットを買う余裕があるかどうかは不明だ。

一方、頼みのカナダは肉牛頭数が横ばいで、米ドルに対するカナダドル高、原産地表示義務制度(MCOOL)のコスト負担などの理由で、2012年はカナダからの牛肉輸入の増加はないだろう。

※2012年1月9日 Cattle Buyers Weekly