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2012-01-22 12:09:00

香港で、ひとしきり静まっていた「粉ミルク購入争奪戦」のゴングが再び鳴った。一部ブランド粉ミルクが、年末に調合指図書とパッケージを一新したことで市場供給が遅れ、小売価格が1,2割跳ね上がった。また、辰年「ベビーブーム」が近づくにつれ、香港と大陸部の市場では粉ミルク需要が急増、両地の親が粉ミルクを手に入れるため奔走している。人民日報海外版が報じた。

 香港メディアによると、現地に住む乳児を持つある親は、「春節(旧正月)が近づき、粉ミルクはますます入手困難になっている。薬局を軒並み回っても徒労に終わり、赤ん坊を抱いて訪れると、やっと一缶売ってもらえるというざまだ。やっと手に入れても、値段は1,2割上がっており、昨年の『粉ミルク争奪戦』の再来ではと気が気でならない」と訴えた。

 薬局の業界団体・港九薬房総商会の劉愛国理事長は、辰年「ベビーブーム」によって、香港と大陸部の粉ミルク需要が急増したと指摘。さらに、「香港だけなら、辰年ベビーが増えても心配は無用だ。供給業者の数も十分で、粉ミルク不足に陥ることはないだろう。しかし、大陸部で生まれた辰年ベビーの需要や違法輸入商品の消費者については予想がつかない。これが最も憂慮すべきことだ」と続けた。劉理事長によると、同商会はこのほど、粉ミルクメーカー業界における危惧について説明し、双方は春節明けに話し合いの場を持ち解決方法について協議する予定という。

 違法輸入粉ミルクを買う客も再び増え始めた。多くの薬局では、この機会に便乗して粉ミルクを買い溜めし、一缶50潤オ100香港ドルで違法輸入業者や大陸部からの旅行者に売っている。ある薬局の店主は、「これらの同業者が正々堂々と販売することは、一切ない。値段の交渉がまとまった後、人目につかないよう、裏口から一箱ずつこそこそと運び出すケースがほとんどだ」と話した。小売店の中には、現地の人には販売せず、大陸部の人だけに売っている店もある。売価は数十元から100元以上と、ぼろ儲け状態だ。

 港九薬房総商会は、粉ミルクの供給は春節明けにさらに緊迫すると予測、メーカ?各社に供給量の増加を要請した。これに対応し、Mead Johnson(美賛臣)社はこのほど新聞に広告を掲載、掲載日から旧暦元旦までの2週間、香港の現地住民がスムーズに粉ミルクを入手できるよう、60万缶を臨時販売すると告知した。また、ワイス社の広報担当者も、市場ニーズに応じて供給を増やしていく方針を明らかにした。(編集KM)

 「人民網日本語版」2012年1月18日

http://j.people.com.cn:80/94475/7708056.html