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2018-03-25 16:28:00

今回は、「個性化戦略」のなかで、「価格の個性化」について説明しましょう。

 

個性化戦略(20

 

(3)価格の個性化

 

 お客様は表面上、価格のことについては、あまり表現をされていないが、実はキメ細かいものである。時間不足時代とはいえ、主婦はチラシや広告に目を通しているし、ビジネスウ-マンやビジネスマンの最大の話題は、安くて美味しい食事や飲める店の話である。さらに買物をする場合は、同じ品質の商品ならば安い店に行くものである。

 ここで、重要なことはただ安いということではなく、価格というものは、相対的に価格以上の価値観が存在しているかということである。つまり、「価格の個性化」というのは、同じ品質の商品なら圧倒的に他社より安い価格で提供するか、同じ価格なら絶対他社より美味しいものを提供できる価格である。

 例えば、「マクドナルド」が、ハンバ-ガ-の価格は他社よりかなり違った価格で提供した。創業時の1971年(昭和46年)7月は、他の店が150円で提供したものを、「マクドナルド」は80円で販売した。

 また「ドト-ルコ-ヒ-」では、他社が300円~350円とかで提供していたが、立ち飲みではあったが150(現在は220)で販売して圧倒的な人気を得た。しかし、他社が220円で提供すると、「ドト-ルコ-ヒ-」はコ-ヒ-の品質を高めている。

 同じコ-ヒ-でも、最初から品質の高い商品を提供したのが「スタ-バックス」であり、しかもバラェティが豊富で人気を呼んた。また禁煙席を設けて、女性客を開発したというように、商品と価格の個性化を図った・

 ハンバ-ガ-業界では、1987年(昭和62年)1月に「マクドナルド」が口火を切り、「サンキュ-・セット」(390円)を販売したら、「ロッテリア」が「サンパチ・セット」(380円のセット)で対抗し、ついで「マクドナルド」が「サブロク・セット」(360円のセット)という価格戦争が行われた。

このとき「モスバ-ガ-」は、当然影響はありましたが、「ニッチャー戦略」の基本をかたくなに守った。

 「マクドナルド」は、一時期平日ハンバ-ガ-65円政策をとって、他社を圧倒したが、その後価格政策や商品政策がぶれて、お客様の信用を失った。2003年9月までは既存店売上高が前年同期比マイナスに沈み、決算は2期連続の最終赤字を喫した。