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2011-11-26 16:50:00

中国の地域多様性

 中国の国内市場はスケールが大きいだけではなく、多様化・複雑化している。市場戦略を策定する際の地域間格差への対応について考えてみたい。

 「官僚志向」の北京、「小市民志向」の上海、「商業志向」の広州とよくいわれるように、この3大都市を見ても南北においては商習慣や消費性向に大きな隔たりがある。北京のGDP総額は上海よりはるかに少ないが、保険、金融や不動産のような大型取引においては中国最大の取引額を誇る。北京は他の地域よりも内陸市場に対して影響力が大きい。中央官庁の中国全土に対する強い影響力を考えるとB2Bの大型商談、とりわけIT関連の商材などの場合、北京市場を通さないと中国全土での広がりは見込めない。マイクロソフト、インテル、IBMなど欧米の大手B2B企業がいずれも北京を中心に中国全土の市場開拓を進めているのはまさにそのためだろう。

 政治の中心である北京では国産ブランドに対する支持率が高い。それに比べると上海や広州の消費者は海外ブランドに対する受容性が高く、特に上海は世界の最新トレンドに一層敏感で北京よりあか抜けている。上海は中国の中で最もグローバル志向な街であり、海外ブランドが往々にして上海を中心に展開するのもそのためだろう。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111109/289990/