インフォメーション
穀物全体、油糧種子の生産量は高水準にあるものの、消費量の増加から、い
ずれも期末在庫率は低下する見込み。
北半球では夏作物の収穫が概ね終了し、2012/13年度の冬作物の作付けが本格
化。南半球では夏作物の作付けが始まる。
穀物全体の期末在庫率は20.2%と前年度(20.7%)を下回り、FAOの安全在庫水
準(17~18%)を上回る見込み。
≪主な品目別の需給≫
(1)小麦
生産量は前年度の減産から回復して消費量を上回り、期末在庫率は上昇する
見込み。
【生産量】
681百万トン(+5.1%)
【消費量】
674百万トン(+3.2%)
【期末在庫率】
30.0%
・米国の2012/13年度の冬小麦は、高温乾燥による土壌水分不足で、作付け
の遅れや生育への懸念。
・ロシア、ウクライナの2012/13年度の作付けは終盤。ウクライナは輸出税
撤廃(小麦、とうもろこし)。一方、ロシアは輸出税導入を検討。
・EUの2012/13年度の冬小麦の作付けは、スペインを除き概ね順調。
・西豪州を中心に豪州は豊作の見込み。一部の州で収穫開始。
・作付けが遅れたカナダでは収穫が終了。作柄は概ね良好。
(2)とうもろこし
生産量は史上最高を更新するものの、旺盛な飼料用需要等から消費量を下回
り、期末在庫率は低下する見込み。
【生産量】
860百万トン(+3.8%)
【消費量】
867百万トン(+2.9%)
【期末在庫率】
14.2%
・米国では収穫が終盤。期末在庫率は、引き続き低水準(6.8%)。
・中国は史上最高の生産量となるも、旺盛な畜産物需要による飼料用消費量
の増加から、輸入を継続の見込み。
・アルゼンチンで作付けが本格化。ブラジルでも作付け開始。
・ウクライナ、EUでは天候に恵まれ、収穫は概ね終了。
(3)米
アジア諸国での収穫面積増加等により、生産量は史上最高を更新して消費量
を上回り、期末在庫率は上昇する見込み。
【生産量】
461百万トン(+2.2%)
【消費量】
458百万トン(+2.2 %)
【期末在庫率】
22.2%
・タイの洪水の被害は中部まで及び、今後収穫期を迎える雨季作の農地に被
害。
一方、灌漑施設があれば年中作付け可能で、担保融資制度の再導入による
高い作付け意欲から、洪水収束後には作付けが増加する見込み。
・他の東南アジア諸国でも洪水等で、稲に被害。
(4)大豆
旺盛な搾油用需要等から、消費量は生産量を上回り、期末在庫率は低下する
見込み。
【生産量】
259百万トン( ▲ 2.1%)
【消費量】
262百万トン(+ 4.2%)
【期末在庫率】
24.1%
・米国では生産量は減少するが、好天で収穫は進捗し終盤を迎える。
・中国は旺盛な大豆(搾油用)需要で輸入は増加するも、アルゼンチン、ブ
ラジル等の輸出増により米国の中国向け輸出は減少見込み。
・ブラジル、アルゼンチン等の南米で、作付け開始。
詳しくは、「食料需給インフォメーション」
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/index.html
内「海外食料需給レポート」
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/index.html
でご覧ください。
※海外食料需給レポート10月号(P20~P21)では、タイの洪水による米への
影響を取り上げておりますのでご覧ください。