インフォメーション

2011-10-16 00:22:00

1.「中食(なかしょく)」とは?その規模は?

 「中食(なかしょく)」とは、お弁当やお惣菜・デザートなどを外で購入し、自宅や職場に持ち帰って食べる食事の形態です。自宅で調理して自宅で食べることを「内食(ないしょく・うちしょく)」、その他に「外食」があります。節約志向や家庭回帰の動きが強まっていることに加え、家事に手が回らない家庭の増加で、需要が伸びています。「食の安全・安心財団」の付属機関「外食産業総合調査研究センター(外食総研)」では毎年、「中食」市場の規模(推計値)を公表しています。2010年時点の市場規模は6兆2,342億円と、一般的な外食市場全体の4分の1程度に達しています。

2.最近の動向

 「中食(なかしょく)」市場に、最近、積極的に参入しているのがコンビニです。従来からの主力商品のお弁当だけでなく、買ってすぐに自宅で食べることができる揚げ物や小鉢といったお惣菜を強化。コンビニが自社開発・生産まで関わるPB(プライベートブランド)商品であることが多く、高い収益性の確保にもつながっています。
 また最近では、「ドライブスルー」の設置を加速させる外食チェーンも相次いでいます。もともと設置割合の高いファーストフード店はもちろんのこと、最近では、ファミレスやコーヒーショップにまで波及。特に、郊外店舗を中心に、この動きが加速しています。

3.今後の展開

 さまざまな業界が、「中食(なかしょく)」市場に注目し始めているのは、将来的に有望な市場だからです。独身世帯や共働き家庭、そして高齢者の増加は、同時に「中食」需要の拡大を伴います。調理の手間を省きたい、でも生きる上で欠かすことのできない食事は、「中食」市場の拡大につながっているのです。
 実は、「中食」市場の拡大は、1997年から始まりました。その前の年の1996年と昨年2010年の「中食」市場の規模を比べると、約1.6倍にも拡大しています。また、昨年の2010年実績だけを見ても、「外食」市場の規模は前年比横ばいとなった一方、「中食」市場は前年比で2.4%も拡大しています。こうした流れは今後も続きそうです。そして今後は、スーパー、コンビニ、ファミレスといった業態の垣根を越えた、「中食」市場での競争が激しくなりそうです。