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2017-08-20 08:42:00

日本では安価で楽しめ種類も多い庶民の味方の「焼酎」ですが、そんな焼酎が
、シンガポールでは信じられないくらい高価です。

原因は度数課税
シンガポールではお酒が全般的に高いですが、なかでも焼酎は日本での安さを
考えるとその度合いが群を抜いています。その理由は、シンガポールの度数課
税が非常にシビアであるためです。シンガポールに焼酎を輸入する場合、「物
品税」という税金が課税されます。その計算方法は、「内容量(l)×88シンガ
ポールドル×アルコール度数(%)」であるため、アルコール度数の高い焼酎
は非常にコストのかかる酒類となり、小売価格がどうしても高くなってしまう
のです。日系スーパーの場合、720mlの焼酎に約12.5シンガポールドル(約1,3
00円)の物品税が課税され、輸送コストや品質管理コストを加えると、だいた
い50シンガポールドル(約4,000円)程度と、日本の約4倍の価格で販売されて
います。

そんなに高くてシンガポールで売れるの?
日本財務省貿易統計によると、2015年度の日本→シンガポールの焼酎輸出額は
約92,000千円であり、震災の影響を受け数字が落ち込んだ2011年の約91,250千
円から微増という、売れないということはないものの、なかなか厳しい結果と
なっています。
実は、シンガポールでの焼酎の主要な消費者は在留している日本人です。シン
ガポール人は日本酒の方を好む傾向にあり、焼酎の知名度はまだまだ低いとい
えます。

どんな焼酎が人気?
ジェトロが発表した2012年度の「シンガポール日本食品消費動向調査」による
と、売れ筋の銘柄は、麦焼酎「いいちこ」のようです。芋焼酎「黒霧島」など
も流通量が多いようですが、麦焼酎の味の方が現地の消費者には受け入れられ
やすいようです。また、比較的早くから進出している銘柄が、人気銘柄になっ
ている傾向がみられます。

「焼酎」をシンガポールでさらに浸透させるには、シンガポール人の嗜好に合
わせた商品開発、また魅力をアピールする場や宣伝機会の創出などが必要であ
ると思われます。
クレアシンガポール事務所では販路開拓に関する情報収集や活動支援を行って
おります。ぜひご活用ください。

                 (シンガポール事務所所長補佐 川崎)