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2011-07-27 22:51:00

あるメディアがこのほど、日本式ラーメン・チェーン「味千ラーメン」の豚骨スープは、店舗で煮込んだものではなく、粉末と調味料から作られており、1食分のコストはわずか数毛(1毛は1元の10分の1、約1.2円)であると報じた。味千ラーメン中国本部はこれに対し、「スープは濃縮液を還元したものであり、この濃縮液は豚骨を煮込んで得られたもの」と回答。しかし、検査によるとラーメン1食分に含まれるカルシウムはわずか48.5ミリグラムだったが、味千ラーメンのホームページでは1600ミリグラムと書かれていた。東方網が伝えた。>>コクが売りの「味千ラーメン」、実は濃縮スープを希釈 中国

 味千ラーメンはこれまでずっと、「栄養豊富」というイメージをアピールする一方、大陸部の一般的な麺料理店と比べると高価なラーメンを打ち出してきた。この味千ラーメンに対して今、かつてない疑問の声が上がっている。

 栄養価の問題の他、さらに疑問を感じるのは、味千ラーメンのスープの問題がなぜ中国大陸部だけで発生したのかだ。味千ラーメンは1968年に創立し、日本、香港、シンガポールなど各地区に300以上の店舗を持つ日本第2のラーメンチェーンであり、豚骨や各種の魚の骨を長時間煮込んで作った豚骨スープで有名だ。創立から約半世紀を誇るこの高級ラーメン店が、名ばかりだとは思えない。もし実質が伴わなければここまでの業績を上げることは不可能だ。問題は、味千ラーメンの問題が大陸部だけで発生したということだ。

 これは大陸部における「特殊」な食品業経営状況又はビジネス環境と無関係ではないだろう。まず第一に、誠実と信用を守るという意識に欠け、倫理・道徳観念が低く、金銭的利益の追求が良心・人品の追求に勝り、誇大宣伝が横行している。国外ブランドを笠に着て中国製の家具をイタリア製として売り出したダビンチ家具や各種の食品品質問題などがいい例だ。次に、監督管理メカニズムが弱く、処罰・損害賠償制度はお世辞にも整っているとは言えない。消費者権利の保護の道は暗く、違約などの代償が小さ過ぎる。高額の賠償なしに、マクドナルドが自主的にコーヒーの温度を下げるとは思えない。中国大陸部でのみ味千ラーメンの「体質が変わった」のはある意味、「南橘北枳(人は交わる相手によって善人にも悪人にもなる)」ということではないだろうか。

 同じ味千ラーメンでも、日本やシンガポールなどではこのような問題は発生していない。もしくは我々が知らないだけかもしれない。しかし、これらの地域の担当部門の問題発見能力が低すぎるということはないだろう。一方の大陸部は「ハエ」が繁殖する余地を残し過ぎている。地域的な差について、我々はよく反省するべきだ。(編集SN)

 「人民網日本語版」2011年7月26日