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2011-07-22 18:14:00

1.「土用の丑の日」とウナギの関係は?

 今年の「土用の丑の日」は、今日7月21日と8月2日です。この日にウナギを食べることになった経緯は諸説ありますが、ウナギが大好物の江戸時代の学者・平賀源内が、ウナギ屋の依頼で発案。店はその後大繁盛し、全国に普及したという説があります。日本最古の和歌集「万葉集」のなかには、夏バテした友人にウナギを勧める内容の歌があります。かなり昔から、ウナギはスタミナ源として扱われていたようです。

2.最近の動向

 節電が求められる今年の夏は、スタミナの確保が必要です。例年以上にウナギ人気が高まる一方で、実は気になる価格も高騰しています。
 価格が文字通り「ウナギ上り」となっている理由は、ウナギの稚魚が、世界的に不漁だったからです。
 養殖ウナギの主な産地である愛知県西尾市一色町の出荷価格は、最高値の1キロ当たり3,300円程度。平均2,000円前後で推移していた平年と比べて、6割以上も高くなっています。
 東京の築地市場でも国産ウナギの卸値は1キロ当たり3,000~3,000円台半ば。これは、平年と比べて、3~4割程度も高い水準です。
 国産よりも安かったはずの台湾産のウナギも、1キロ当たり3,000円台半ばと、国産並みの水準まで高騰しています。

3.今後の展開

 都内のスーパーで、パック入りで売られている国産かば焼きも、1匹当たりの平均価格が1,500円前後と、昨年より1割程度高くなっています。需要期の今のタイミングで、これ以上の値上げを避けたいスーパー側も、できる限りの努力を続けていますが、外食チェーン(うな丼)や鮮魚店などでも小売価格が引き上げられるなか、来月2日の「土用の丑の日」まで価格を抑え続けるのは、かなり厳しい状況です。
 実はウナギの稚魚の不漁は、昨年に続いて2年連続です。世界的に獲りすぎたこと、海水温度の上昇で回遊ルートが変動しやすいこと、護岸工事などでウナギの住む場所が少なくなったことなど、いくつもの要因が今の状況を作り出しています。夏バテ対策の本命・ウナギの高騰は、水産資源の保護や地球温暖化対策、河川事業など、日々の政治や経済の動きと密接に関係しているのです。

http://www.smam-jp.com/market/report/keyword/1216162_1982.html