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牛丼チェーン戦争にガストが参入!?――。すかいらーくは2011年4月21日、山梨県甲府市に新業態「どんぶりガスト」をオープンした。
同社では「おはしカフェ・ガスト」「ステーキガスト」「Sガスト」など、主力のファミリーレストラン「ガスト」の業態拡大を図っているが、今回の新業態はどんぶりを軸とした和風ファストフードの実験店となる。
家族をも取り込む牛丼チェーンに対抗
際立つのは、なんといっても安さ。看板メニューの「ハンバーグ牛丼」は並盛りで280円(みそ汁は別売り)。大手牛丼チェーンの牛丼とほぼ同価格で、牛丼とハンバーグを両方を食べられるわけだ。もう一つの看板メニュー「若鶏竜田丼」は350円、定食メニューでは「デミグラハンバーグ定食」が450円となっている。客単価は450~500円程度を想定(ガストの客単価は700~800円程度)。
しかし、なぜファミレス最大手のすかいらーくが牛丼チェーンに対抗する業態を開発したのだろうか。
「これまでは手ごろな価格で気軽に行けるデイリーユースのファミリーレストランとして『ガスト』を展開してきたが、昨今の不況による家庭収入の減少でファミレスの利用頻度が減っている」(「どんぶりガスト」を担当するすかいらーくの小林大二営業部長)。
実はその受け皿となっているのが、牛丼チェーンだ。都心で牛丼チェーンといえばカウンターに1人で座って食べるイメージがあるが、郊外に行くとテーブル席が大半を占め、駐車場も完備するようなファミレスと変わらない店が多い。そして、牛丼チェーンであれば副菜を入れても500円程度なので、家族4人でも2000円で済むわけだ。すき家が家族3世代で楽しそうに牛丼を食べるテレビCMを流しているのもうなずける。
さらに郊外ではクルマでルートセールスに回る営業マンの需要が底堅いが、この層もコストパフォーマンスに勝る牛丼チェーンに奪われているのが現状。今回の新業態は、これら2つの層を牛丼チェーンから取り返すのが狙いといえる。
担当するすかいらーくの小林大二営業部長は、「『どんぶりガスト』はファミレスではなく“どんぶり屋”」と言い切る。
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