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2016-11-06 15:53:00

オーストラリアの朝食「オージー・ブレッキー」は、日本の朝食とかなり異な
ります。日本ではお米に味噌汁、卵焼きや漬物など、栄養バランスのいい朝食
が一般的ですが、オーストラリアではベジマイト(オーストラリアの国民食と
も呼ばれる、野菜を発酵させたペースト)トースト、ヌテラ(ハシバミの実と
チョコレートが混ざったペースト)トースト、またはベーコンエッグといった
タンパク質の多いものなど、健康志向のものよりも塩辛いものや甘いものを食
べることが好まれます。

しかし、健康に悪いものばかりを食べているというわけでもありません。基本
的に朝食ではパンやウィートビックス(全粉類のシリアル)をミルク、はちみ
つ、バナナなどと一緒に食べること、シリアル、フルーツ、ヨーグルトなどを
食べることが習慣になっています。オーストラリアの食生活はもともとイギリ
スから来ているものなので、肉を中心とする洋食が多かったものの、多文化社
会が進む中、アジアの食文化の影響も大きくなりました。

また、現在シドニーにおいて流行している現代文化、ヒップスターカルチャー
(流行に敏感で、普通の人と違う生き方を好むアメリカ発祥の若者文化)の影
響により、オーストラリア人の朝食の習慣も変化してきました。オーストラリ
ア健康福祉研究所の統計によると、オーストラリアの成人の63%および子供
の25%は肥満だとされています。こうした背景もあり、ヒップスターカルチ
ャーが広まり、これまで好まれなかった健康的な食事が多くの人の間でトレン
ドとなってきました。ヒップスターカルチャーの影響を受けた人たちはカフェ
でアボカドマッシュを乗せたライ麦パンをポーチドエッグ(落とし卵)と一緒
に楽しむという、健康にいいおしゃれな朝食を好んでいます。

オーストラリアでは伝統的な食文化を維持しつつ、健康的な食生活を好むアジ
ア諸国からも学ぶことが求められています。特に日本の一汁三菜のような食事
は非常にバランスのとれた、栄養価が高い食として有名です。今後、多文化が
進むオーストラリア社会では、日本の食文化を取り入れるなど、食の多様化も
進んでいくでしょう。その中で、それぞれの文化の特長を生かした新たな食文
化が生まれていくのではないでしょうか。

                          (シドニー事務所)