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2016-06-18 22:55:00

米国農務省は、6月10日(現地時間)、2016/17年度の2回目の世界及び主
要国の穀物・大豆に関する需給見通しを発表しました。その概要は以下のとお
りです。
-2016/17年度の穀物全体の生産量は消費量を上回り、大豆の生産量は消費量
を下回る見込み-
※現時点では、北半球で作付作業中、南半球で未だ作付作業が始まっていない
ため、本報告は極めて暫定的なものである。

1.世界の穀物全体の需給の概要(見込み)
(1)生産量
25億1,455万トン(対前年度比 2.2%増)
(2)消費量
25億257万トン(対前年度比 2.4%増)
(3)期末在庫量
6億444万トン(対前年度比 2.0%増)
(4)期末在庫率
24.2%(対前年度差 0.1ポイント減)

《主な品目別の動向》
〈小麦〉
 生産量は、ロシアで春小麦の播種面積の拡大により増加、アルゼンチン等で
も増加するものの、ウクライナ、EU等で減少することから、世界全体では史
上最高の前年度を下回る見込み。また、消費量は、インド等で増加することか
ら史上最高となる見込み。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率は
前年度より上昇。
 なお、米国は、春季に大平原(グレートプレーンズ)で生長に適した天候に
恵まれ、冬小麦の単収が記録的な水準となることから、生産量が前月より216
万トン上方修正。
(1)生産量
7億3,083万トン(対前年度比 0.5%減)
・アルゼンチン、ロシア等で増加、ウクライナ、EU等で減少
(前月に比べ、米国等で上方修正)
(2)消費量
7億1,600万トン(対前年度比 1.2%増)
・インド等で増加
(3)期末在庫量
2億5,784万トン(対前年度比 6.1%増)
・中国、ロシア等で増加、インド等で減少
(4)期末在庫率
36.0%(対前年度差 1.7ポイント増)

〈とうもろこし〉
 生産量は、中国で国家備蓄政策廃止及び国内価格低下に伴う播種面積減によ
り減少するものの、米国、アルゼンチン、南アフリカ、EU等で増加すること
から、世界全体では前年度を上回り、史上最高の2014/15年度をわずかに下回
る見込み。また、消費量は、中国、米国等で増加することから史上最高となる
見込み。世界全体の生産量は消費量を下回り、期末在庫率は前年度より低下。
 なお、米国は、ブラジルの生産減及びアルゼンチンの収穫遅延により、相対
的に米国産とうもろこしの価格競争力が増し輸出量が増加することから、期末
在庫量が前月より368万トン下方修正。
(1)生産量
10億1,177万トン(対前年度比 4.7%増)
・米国、アルゼンチン、南アフリカ、EU等で増加、中国等で減少
(2)消費量
10億1,309万トン(対前年度比  4.6%増)
・中国、米国等で増加
(3)期末在庫量
2億512万トン(対前年度比 0.6%減)
・米国等で増加、中国等で減少
(4)期末在庫率
20.2%(対前年度差 1.1ポイント減)

〈米(精米)〉
 生産量は、米国で長粒種米の作付面積の大幅増に伴う増加、インド等でも増
加することから、世界全体では前年度を上回り史上最高となる見込み。また、
消費量は、米国等で増加することから史上最高となる見込み。世界全体の生産
量は消費量を上回り、期末在庫率はほぼ前年度並み。
(1)生産量
4億8,072万トン(対前年度比 2.1%増)
(2)消費量
4億8,039万トン(対前年度比 0.4%増)
(3)期末在庫量
1億695万トン(対前年度比 0.3%増)
・中国等で増加、タイ、インド等で減少
(4)期末在庫率
22.3%(対前年度差 0.0ポイント減)

2.世界の大豆需給の概要(見込み)
 生産量は、米国等で減少するものの、ブラジルで収穫面積の増加及び単収の
上昇から増加、中国では政策変更によりとうもろこしから大豆への播種転換が
促されること等から、世界全体では前年度を上回り史上最高となる見込み。ま
た、消費量は、中国等で増加することから史上最高となる見込み。世界全体の
生産量は消費量を下回り、期末在庫率は前年度より低下。
 なお、ブラジルは、中西部及び北東部での高温・乾燥型の天候の影響により、
2015/16年度の生産量が前月から200万トン下方修正。
(1)生産量
3億2,370万トン(対前年度比 3.3%増)
・ブラジル等で増加、米国等で減少
(2)消費量
3億2,799万トン(対前年度比 3.1%増)
・中国等で増加
(3)期末在庫量
6,631万トン(対前年度比 8.3%減)
・米国、アルゼンチン等で減少
(4)期末在庫率
20.2%(対前年度差 2.5ポイント減)