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2016-06-03 10:01:00

シンガポール  2016/06/01(水曜日)
日系食品関連社、プラナカン有名シェフと提携事業[食品]

日系中小企業のシンガポール販路開拓サポート事業を手掛ける極品(いっぴん)は、プラナカン料理の有名シェフ、フィリップ・チア氏と料理教室運営やメニュー開発で提携した。シンガポールで同社が取り扱う日本の食材や日本料理をプラナカン料理に融合する「プラナカン・日本料理」を6月から提供する。日本人だけでなく地元客に対しても商品や料理をアピールし、物販促進につなげたい考えだ。

プラナカンとは、中国、マレー、欧州の要素が融合した伝統文化。2者は提携を皮切りに、極品がシンガポールで運営するアンテナショップ兼カフェバー「IPPIN CAFE BAR」向けにメニュー5品を毎月開発する。また、チア氏は、月2~4回の頻度で新メニューの調理方法を教える料理教室をIPPIN CAFE BARで開催する。来月は、やます(千葉県市原市)が販売する調味料のだし「だし術」や、かなわ水産(広島県江田島市)のかきを使った日本風ラクサ、プラナカン風肉じゃがなどを提案する。

極品によると、シンガポールでプラナカン・日本料理を提供するのは、同社が初めてだという。

チア氏はNNAに対し、「質の高い日本の食材や調味料を利用することで、料理の味をより引き立てることができる」と述べた。5月14日に実施された料理教室のパイロットテストに参加したシンガポール人の女性は、「味に深みが出ており、今までに食べたプラナカン料理の中でも最もおいしい」とコメントした。

またチア氏は、「両要素の組み合わせは、難しいように見えるが、実際はそうでもない。例えば、プラナカン料理には、日本料理でも使われる味噌を使うこともあるほか、料理に手間をかけるなど、類似する点がある」と説明した。

極品の藤代亜弓マーケティングマネジャーは、「実際に料理教室を開催したり、目の前で料理を提供したりすることで、参加者や客と商品に関する知識も共有できる」と強調。「当社で販売しているものをはじめ、日本の商品は価格が高いことが多いが、高品質であることや、手間がかかっている点などの理由を理解してもらうことで、物販につなげたい」と語った。事前に開催した試食会では、物販込みの店舗の売り上げが通常の1.2倍に伸びた。藤代氏によると、提携事業により物販が拡大することで今後の売り上げは2倍になると見込んでいる。

チア氏は、2005年から多くの五つ星ホテルでゲストシェフとして招待を受けているほか、政府系放送会社メディアコープの番組でテレビ出演を果たしている。11年にプラナカン料理本「プラナカン・ヘリテイジ・クッキング」を出版するなど、活躍の場を広げている。

極品は、和紙繊維の製造販売や伝統工芸品の輸出販売を手掛けるキュアテックス(東京都新宿区)が、12年からにシンガポールで展開している。