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2015-12-12 13:02:00

クレマン・ド・サヴォワが認められる
Cremant de Savoie : C'est Officiel
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「クレマン・ド・サヴォワ」(発泡白)が、2015年9月11日付デクレ(9月13日
公報掲載)で正式に認められた。1月に販売が開始される。

サヴォワでのスパークリングワイン造りの伝統は長く、これまで「ヴァン・ド・
サヴォワ・ムスー」または「ヴァン・ド・サヴォワ・ペティヤン」として認め
られていた。サヴォワの生産者たちは数年前から「クレマン」として認められ
るよう、カイエ・ド・シャルジュ(仕様書)を作成し、INAOに働きかけてきた
が、このほどようやく認められた。なお、スパークリングワインのロゼは生産
が少量で、これまで通り、ヴァン・ド・サヴォワ・ムスーとして販売される。

クレマン・ド・サヴォワは、白い花や柑橘類のニュアンスを持ち、爽やかで、
エレガンスと繊細さを大切にするためにドサージュ(補糖)はかなり抑えられ
ている。

フランスで「クレマン」を名乗ることができるスパークリングワインは、この
クレマン・ド・サヴォワで8つめとなる。「クレマン」の名称の取得の要望運
動について、ヴァン・ド・サヴォワの保護管理団体(ODG)のミシェル・ケナ
ール会長は、「私たちが望んでいることは、フランスの他のクレマンをまねる
ことではなく、サヴォワらしいクレマンを持つことです。クレマン・ド・サヴ
ォワが認められたことは、私たちの製品の品質と独創性が認められたことです」
という。これまでのムスーにくらべ、手摘みの義務化など、規定は厳しくなる。
その分生産コストも上がるが、少し高めの価格で販売できるので、回収できる
はずだという。

12月2日、パリのミシュラン二つ星ル・グラン・ヴェフォール(シェフはサヴ
ォワ出身のギィ・マルタン)で、ヴァン・ド・サヴォワ生産者組合の主催でク
レマン・ド・サヴォワの記者発表会が行われ、フランス内外から約50名のジャ
ーナリストが集まり、関心の高さを示していた。

クレマン・ド・サヴォワの主な規定:
<品種>
白ぶどう:アリゴテ、アルテス、シャルドネ、ジャケール、
     モンデューズ・ブラン
     オート・サヴォワ県のみシャスラ、モレット
黒ぶどう:ガメイ、モンデューズ、ピノ・ノワール
<ブレンドの規定>
・ジャケール40%以上。
・アルテスとジャケール合計あるいは単独で60%以上。
・黒ぶどうは単独または合計で20%以下。

瓶内二次発酵
ティラージュから最低9カ月、滓とともに熟成させる
消費者への販売の開始はティラージュ後、最低12カ月後。

(サヴォワワイン委員会プレスリリース。2015年9月、vitisphere,
2014/11.17, 2015/12.3)


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世界のロゼワイン市場
Le marche des vins roses
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OIV(世界ぶどう・ぶどう酒機構)とプロヴァンスワイン委員会(CIVP)が共同
で、ロゼワインの世界での生産量、消費量、取引量の2002年からの動向を発表
した。これによると、生産、消費、取引ともに2002年以来増加していることが
わかった。


<生産量>
ロゼワイン(スティルワインのみ、以下同)の全世界の2014年の生産量は、対
前年約10%増の2,430万hlで、スティルワインの全世界の生産量の9.6%を占める。
消費量の拡大とともに生産量は拡大している。2002年の生産量と比べると約
16%増である。

フランス(760万hl)が依然として第一位のロゼワインの生産国で、全世界の
ロゼの生産量の約30%を占める。2002年に対し、フランスでの生産量は約50%増
となった。

第二位はスペイン(550万hl)で、全世界のロゼワインの生産量の五分の一を占
める。主に輸出に向けられている。
続いてアメリカ(350万hl)、イタリア(250万hl)で、以上の4カ国で、全世
界のロゼワインの生産量の約80%を占める。

<消費量>
ロゼワインの全世界の2014年の消費量は、2,270万hlで、2002年から20%増とな
った。フランス(810万hl)とアメリカ(320万hl)が二大消費国で、この二国
で全世界のロゼワインの消費量のほぼ50%を占める。

フランスのロゼワインの消費量は2002年から43%増と大幅に拡大した。フラン
スのスティルワインの消費量全体に占めるロゼワインの割合も、2002年には
16%であったが、2014年は30%以上を占めるに至った。

ロゼワインの消費量が減少した国はほとんどないが、減少したのは、伝統的に
ロゼワインの消費が多い国で、イタリア、スペイン、ポルトガルである。

ロゼワインの消費は世界的に広がり、新たな国々で消費されている。特にイギ
リス(2002年に対し250%増)、スウェーデン(同750%増)などの北部ヨーロッ
パ、カナダ(同120%増)、香港(同250%増)である。

スティルワインの消費量におけるロゼのシェアは多くの国で2007年来、増加し
ている。消費者の年齢や性別まで調査した結果によると、この増加はおもに若
年層でのロゼワインの消費増にけん引されている。日本を含む多くの国で、若
年層(飲酒年齢の最も若い層で、飲酒の法定可能年齢から24歳、24歳から34歳
の層)でのロゼワインのスティルワインの消費量全体におけるシェアは、他の
年齢層にくらべて多かった。しかし、フランスは年齢層により目立った差はな
く、世代を問わずロゼが飲まれている。

またフランスでのロゼの消費は季節の影響を受けている。大規模小売店でのロ
ゼワインの販売は、35%が夏に販売され、冬は15%である。気温や日照量が消費
に影響していることがわかる。一方、イギリスでは季節による影響はフランス
ほど際立ってはおらず、ロゼ色は恋の色といわれ、消費のピークは2月14日の
バレンタインデーである。

<輸出入>
ワインの非生産国でロゼワインを多く消費する国(イギリス、オランダ、ベル
ギーなど)の影響で、ロゼワインの輸出量は2002年から拡大を続けている。
2014年のロゼワインの全世界の輸出量は980万hlで、2002年から270万hl増加し
た。

スペイン(輸出量の46.3%を占める)が第一位の輸出国で、イタリア、フラン
ス、アメリカが続く。この4カ国で、全世界のロゼの輸出量の80%以上を占める。

ロゼワインの2014年の輸入量は、前年を120万hl上回る960万hlとなった。第一
位の輸入国はフランスで28%を占める。以降イギリス、ドイツ、アメリカと続
く。
フランスは、ロゼワインの第一位の生産国であり、輸出大国でもあるが、輸入
量も第一位である。

ロゼの取引は、安い価格で量が多いバルクは主に、スペインや南アフリカが原
産で、フランス向け(特にワインベースのアペリティフ飲料)に輸出されてい
る。一方、高めの価格のロゼは、フランスが主な原産地で、アメリカやイギリ
スに輸出されている。
(OIV Focus 2015)


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◆フランス情報◇◇
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世界スパークリングワインコンクール 2015
Effervescents du monde 2015
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世界のスパークリングワインの品評会である世界スパークリングワインコンク
ールが11月18~20日にディジョンで開催された。TOP10の12本(同点があり12
本選出)のうち、6本をフランスのスパークリングワインが占めた。

今年で13回目を迎えたこの品評会は、フォーラム・ウノロジー協会が主催して
いる。世界26ヶ国から送られたサンプル数は622点。フランス内外からの100名
以上の審査員が審査にあたり、金賞31点、銀賞176点、計207点がメダルを受賞
した。

<Top10>
最高得点を取得した10本(同点があり12本選出)は、フランス6本のほか、ス
ペイン、アメリカ、イタリア、南アフリカさらにブラジル、ペルーと、国際的
に多彩な顔ぶれとなった。フランスの6本のうち、3本はシャンパーニュであっ
た。さらに、クレマン・ド・ブルゴーニュ2本、ブランケット・ド・リムー1本
が選ばれた。クレマン・ド・ブルゴーニュのうち1本がロゼであったことは、
ロゼのスパークリングワインの品質向上を示している。

<多彩な生産国>
フランスのすべてのスパークリングワイン産地が出品した。サンプル総数のう
ち、50%はフランスで、このうち、シャンパーニュとその他のスパークリング
ワインは、ほぼ半々であった。フランス以外では、イギリス、南アフリカ、チ
リ、スペイン、イタリア、ブラジル、ハンガリー、スイスの出品が多かった。
中国、インド、アメリカは初出品となった。

<多様な表情>
メトード・トラディショネルによるロゼや赤のスパークリング、メトード・ア
ンセストラル、アルコール度の低いものなど、多様なスパークリングワインが
出品された。あるベテランの審査員は、テイスティングしたワインは、とても
多彩で、複雑で繊細な表情があったと述べた。赤とロゼのスパークリングワイ
ンは、その存在感を高め、受賞ワインも多く見られた。

<国際的な受賞ワイン>
26カ国からの出品は、スパークリングワインの地理的な多様性を示している。
今回は、イギリスからの審査員も加わった。イギリスは現在、1,200ha以上の
畑を持ち、その大半がスパークリングワインの生産に向けられている。

受賞ワインは以下で(英語):

◆TOP10:
http://www.effervescents-du-monde.com/pages/20_result/index.en.html

◆金賞:
http://www.effervescents-du-monde.com/wod/WebObjects/Result.woa/wa/res?mod=medaille&c=*&y=2015&co=EdM&m=Or&lang=AG

◆銀賞:
http://www.effervescents-du-monde.com/wod/WebObjects/Result.woa/wa/res?mod=medaille&c=*&y=2015&co=EdM&m=Argent&lang=AG

(http://www.effervescents-du-monde.com)

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ネットがワイン購入に影響力を増しつつある
Le vin de plus en plus connecte
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このほど発表された調査結果によると、ワイン購入の際のインターネットの影
響力が増していることがわかった。フランス人のインターネットでのワイン購
入が増加し、ネット上での情報収集の重要性も増している。

コンサルティング会社のSowineが発表した。これによると、2015年にネットで
購入されたワインは、販売全体のわずか6%とまだまだ少ないものの、ネットで
購入するフランス人は増加を続けている。2015年に最低1回ネットでワインを
購入した人は、ワイン購入者全体の30%で、昨年の24%から増加した。

Sowineによると、ワインをよく知っている人ほど、ネットで気軽に購入する傾
向があるという。ネット購入者の40%が、11-20ユーロ/本の予算を考えている
一方、伝統的な販路(酒販店など)を使う人で、11-20ユーロ/本の予算を考え
ているのは29%にとどまる。20ユーロ/本以上になると、ネット購入者の19%は
考えているが、伝統的販路での購入者でその予算を考えている人はわずか10%
である。オンラインでの購入者のほうが、高い価格のワインを検討しているこ
とがわかる。

ネットでの情報収集は、ネットでの販売以上に進展している。調査を受けた人
の70%が、ワインを購入する前に情報が必要であると答えた。37%の人は、スマ
ートフォンやタブレットに、ワインやガストロノミ関連のアプリをダウンロー
ドしている。よく買う人だけを対象とするとこの数字は71%に増え、若い人だ
けを対象とすると54%である。このようなアプリをダウンロードしている人の
うち、12%が実際にワインを購入する際にアプリを活用していた。

Sowineは、ブログやソーシャルネットワークの重要性も指摘する。Sowineによ
ると、ワイン購入者の37%は、ワインに関するソーシャル・ネットワークをチ
ェックしたことがある。ネットを活用する人の三分の二は、ネットで接した情
報が重要だと感じ、17%は、ソーシャル・ネットワークで収集した情報に従っ
てワインを購入し、27%がブログでの考えに従ったという。
(vitisphere,12/3)


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Cop21:各国首脳と美食
Cop21 : les chefs d'Etat et la gastronomie
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パリ近郊のル・ブルジェで開催されている国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)
第21回締約国会議 (Cop21)の開幕初日の11月30日、フランソワ・オランド仏大
統領の主催で「ミシュラン星付き」昼食会が開催された。

ヤニック・アレノ(パヴィヨン・ルドワイヤン)、アレクサンドル・ゴーティ
エ(ラ・グルヌイエール)、ニコラ・マス(ラ・グラン・ヴィーニュ)、マル
ク・ヴェイラ(ラ・メゾン・デ・ボワ)、クリステル・ブリュア(プレ・カタ
ランのシェフ・パティシエ)の5名のシェフが食事を用意した。

オバマ米大統領、習近平中国国家主席、プーチンロシア大統領など、147名の
各国首脳が招待され、1時間15分の間に、アントレ、メイン、チーズ、デザー
ト、コーヒーがサーヴィスされた。約50名のメートル・ドテルとソムリエがサ
ーヴィスにあたったという。

また同日夜、オランド大統領はパリの三ツ星レストラン「ランブロワジー」
(シェフはベルナール・パコー)で、オバマ米大統領と内輪の夕食会を開いた。
www.lhotellerie-restauration.fr/,11/30、12/7)


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鳥インフルエンザ:最低8カ国がフランス産の家禽の輸入停止
Grippe Aviaire:
Au moins huit pays ont stoppe leurs importations de volaille francaise
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ドルドーニュ県で発見された鳥インフルエンザのために、アジアや北アフリカ
の国々、少なくとも8カ国が、フランス産の家禽と家禽肉の輸入を停止した。

フランス農水省高官のロイック・エヴェン氏がAFPの取材に対して明らかにし
た。同氏によると、輸入停止を発表したのは、韓国、日本*)、中国、タイ、エ
ジプト、アルジェリア、モロッコ、チュニジアであり、「これは完全なリスト
ではない」という。フランス以外のEUの27カ国は含まれていない。EU各国は、
国際獣疫事務局(OIE)の規定に従ってフランスが発表した対応の有効性を認め
ている。

フランスの家禽の主要市場の一つである湾岸諸国(サウジアラビアなど)はま
だ輸入停止の措置は取っておらず、「停止をしないように話し合いが進行中」
であるという。
(agrisalon.com(AFP),12/4) *)日本は農水省が11月26日付で発表。