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2015-12-12 12:45:00

2015年に生体牛価格はかなり下落したが、向こう2年間はと畜頭数が増加に向かうことから、価格は引き続き下落しそうだ。2016年は3~5%安、2017年はさらに1~4%の値下がりが予想される。2015年の子牛価格は第4四半期が最低となり、2016年はそれに比べて10~12%低下、2017年はさらに1~5%下がると予想されている。

この予想はLMIC(家畜取引情報センター)によるもので、同センターは今年の市場環境が厳しかった要因として以下を指摘している。◇牛肉の輸出額の前年比減少◇国内市場で競合する豚肉・鶏肉供給量の増加◇豪州からの牛肉輸入量の増加◇9月に肥育牛価格が100ポンド当たり20ドル以上も下落(9月の下落は異例)◇2015年前半は牛肉生産量が前年を大きく下回ったが、第4四半期は上回る見込み(2~3%増)。

この結果、生体牛価格は年の後半には前年を下回る状況になったと分析。今後の長期的な見通しとして①牛肉の供給量は周期的な増加に転じる②豪州が牛肉輸出の増加を持続するのは不可能で、米国の牛肉輸入量は2015年に比べて大幅に低下する③しかし牛肉需要については、国内外とも向こう数年間は不確実であり、長期的な市場の潜在要因は飼料穀物の状況に左右されるとしている。

穀物の生産状況は全米で「平年並み」と想定されるが、肥育頭数の増加に伴い、2016年のと畜頭数は2010年以来で初めて前年を上回る見込み。平均枝肉重量は、第3四半期までは前年を上回るが、第4四半期は前年同期よりも低下することが予想され、牛肉生産量は前年比3~4%増。2017年の生産量はさらに4~5%増加する見込み。

 

※2015年11月23日 CATTEL BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格は供給増と輸出減で下向き

 
 

生体豚の先物取引は、この2週間で上下動を繰り返しているが、全体の傾向としては右肩下がりだ。先物取引も現金取引価格の下落に引きずられて急落。12月契約が9月末に記録した最安値付近まで下落し、10月の利益をほとんど吐き出した格好。第4四半期には輸出需要が上向き、これが価格を引き上げるとの期待もあったが、実現していない。

週間のと畜頭数は季節的にピークを迎え、枝肉重量も重いため、11月第2週の豚肉総生産量は5億ポンド以上に達し、週間最高を記録した。豚肉以外の食肉生産量も増加している。牛肉、豚肉、ブロイラー、七面鳥の合計生産量は18億5300万ポンド(前年同週比3.2%増)と予測され、過去6週間の合計では前年より2.6%増加している。

11月第1週に、アイオワ・ミネソタの枝肉価格は100ポンド当たり51.76ドルと2009年以来の最低水準となった。前年比で40%安、2013年比では37%安、2012年比で32%安。この現金価格の急落は需要の著しい落ち込みか、もしくは短期的な供給増よるものかを検証しつつ、2016年の価格を予想すると、まず2016年の第1四半期は現状より価格が上昇すると予想される。

ただ、2016年第1四半期の1人当たり供給可能量は2015年を上回り、2012、2013年よりも13%ほど多いと予想される。これを変動させる可能性があるのは輸出だ。第1四半期の輸出量は10%増と予測するが、供給過剰感を打ち消すにはさらなる輸出の伸びが必要だ。第2、第3四半期の豚肉供給量は季節的に落ち込むはずで、それによって生体豚価格は70ドル台に上昇すると予想される。

豚肉生産が増加する一方、輸出が回復しなければ2016年の豚肉価格の上昇幅はかなり限定的になる。9月までの食肉輸出は低調で国内在庫が増加し、食肉価格への値下げ圧力となっている。米国の食肉輸出が停滞している要因には①米ドルの強さ②鳥インフルエンザ規制③輸出先市場の需要後退④世界的な供給拡大に伴う他国との競合激化がある。

 

※2015年11月16日 NPB Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 

USDA(米国農務省)の公表数値を基にUSMEFのアナリストが集計した四半期ごとの生産量予測は下図を参照。

 米国の牛肉生産量予測
 米国の豚肉生産量予測