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古本屋日誌
岩波文庫のオールコック「大君の都」は人気のある日本滞在記で、イギリスの日本総領事として幕府との交渉にあたる一方全国を旅した話も収録してある。
中巻の最後に大阪や奈良を旅した話があって、大阪に関しては運河が四十発達しているが「ベニスに比べるべくもない」ものに過ぎず、また四天王寺に参拝した際も1時間も土煙が立つ中を歩かされて、暑い中寺に着いたが何も見るものがない、ただ五重の塔があるばかりで、失望したオールコックは「塔に登らしてくれ」と頼むのだが「大阪城代の意向で禁止されている」とにべもなく拒絶されてしまう。大阪城に向かうものの、外から眺めるだけで登城は許されなかった。
まあオールコックはバカですね、何も見えていない。西国防衛の拠点である大阪城にイギリスの総領事を入れないのは当たり前だし、四天王寺の五重の塔に上がらせないのもけとうに信仰の聖地を土足で踏み荒らされたくないということで至極当たり前ですね。
イギリスの植民地支配はオックスブリッジの落ちこぼれやならず者を派遣するのではなくエリートを遣わして出来る限りよくあろう、正義と民主主義を伝えようとするものだった。そのためインドではカースト制度が明らかに身分制度であり不公正と思われたので、とりわけチームワークが欠かせない軍隊では許されないことに思えた。そしてバラモンであろうがシュードラーであろうがハリジャンであろうが国のために等しく扱おうとこころみて、結果としてはセポイの大反乱を招いた。
そのてんでいえばオールコックは物事をきちんと見ようとする視点もなく、能力的にも欠如が目立ち徳川幕府からも与し易しとなめられていた、まあ言動を見れば納得できますね。
さすがに葉桜とはなっていますが、今年は長く桜が楽しめました。京阪萱島駅まえに建築中の緑の外観のビルは一階は何かショップになるようだが、上の階は保育所になるようだ。
集英社新書で酒井邦嘉の「チョムスキーと言語脳科学」が出ました。全ての言語に共通する特徴を見出し、さらに人間は生得的に言語を習得できる脳の構造を備えているから、幼少時、親が話す断片的な会話だけで十分な言語能力を持つに至るのだとする。
酒井はこのチョムスキーの言説が脳科学の進歩で裏付けられつつあると力説していて、まあアインシュタインの理論がブラックホールの発見で裏付けられたようなものかな。
大人になると言語を生得的に獲得できる脳のシステムは無くなってしまうから葛飾北斎スピードラーニング」みたいな聴くだけで覚えられるというのは、無理な話で、せいぜいビジネスや旅行に必要な英語や中国語レベルだったらいけるよ程度の話だろう。
2002年にノーベル化学賞を取った田中耕一は去年アルツハイマーの認知症は血液中のある2つのタンパク質の濃度のバランスが崩れると起きることを発見して「nature」に論文を載せて反響を呼んだのだが、これも体の元から持っているシステムが原因であると考えられる。
今朝も天気で行楽日和ですね、仕事で朝から三ノ宮に来ています。
世間には取り憑かれたように旅行に行って癒しを求める人がいますけど、ハラリの言う通り旅はいいものだとか、癒しを与えてくれるとか何か発見があるとかいった意味不明の共同幻想に取り憑かれているわけです。
だいたいが旅行は時間と金の無駄です。美味しいものとかいっても萱島や大阪の方が間違いなく美味い店があります。そもそもその場所で取れるものだけを使って料理を作るとわびしいものしかできません。徳川時代の農村や漁村は本当の意味で地産地消でしたが、時に飢餓に直面して餓死者もたくさん出したし、「日本残酷物語」にもある通り、あまりにも貧しいゆえに沖合を通る船を村落あげて襲撃して船荷を奪い取って渇を癒していたくらいです。
旅先の美味いメシといっても、つまりはいろんなところから食材を運び込んで調理しているわけで、大都会のお店がやっていることの焼き直しにすぎません。
また絶景を楽しむかいってもすぐ飽きてしまいます。ネットの画像で十分です。温泉とかいっても温度調節が自分の好みでできませんからすぐのぼせたり、寒かったりして不快です。冬は露天風呂は行くのが寒すぎるし、夏は風呂から上がるとまた直ちに汗をいっぱいかくので風呂に入る意味がそもそもない。
橋爪紳也が洋泉社から「写真が語る百番と飛田新地」を出しました。料亭百番の写真集で、以前も同じような本が出てましたが今回は百番の昔の写真や改装に取り組んだ所有者の話がたくさん収録してあります。これはこれで結構なんだが百番の写真を見ていると京都御所の勅使門とか小御所によく似ているなあと思うけどね。これは井上章一が島原の建築に関して御所に似ている、積極的に御所の様式を取り入れて遊郭の建物は作られているのではないかと書いていたが、飛田についても同じことが言えると思う。これは徳川時代の流行なのか、それとも御所のスタイルを教えることで遊郭の方からコンサル料とかを取って商売のネタにしていたのか、興味深い。
今朝はよう晴れていて葉桜となりつつも春たけなわですね。
先日昭和の始めの雑誌「子供之友」を、かなりまとめて入手しました。50ページもある絵本で何と言っても絵が素晴らしい。和紙に描かれたそれは版画のような盛り上がった質感のあるもので竹下夢二や武井武雄らも描いていてそれこそ別世界に遊べる作品集となっています。高架線となった東京の街並みを描くのもあって高架線上を蒸気機関車が煙を放って疾走し、下は人でいっぱいの市電が走り回る様は幻想的です。
子供を教育する本なので教訓や教えのようなものも絵解きで示してあって電車の中での良い子のマナーとして丙子ちゃんは席を譲ってもらったのにモジモジしてなかなか座らない、対して乙子ちゃんはキツキツのシートに割り込んで座って涼しい顔をしている。さて真打登場の甲子ちゃんは譲られたらすぐに座ってニコニコしてお礼を言っている。
なかなか面白いんだが乙子ちゃんは席を譲られてはおらず、自ら奪い取った形になっているのはへんなんだけど、それよりもモジモジしてなかなか座らないのがいけないとなっているのは不思議ですね。「人の好意がわからんのか⁉️」なのか「いくら子供やからゆうてもノリが悪すぎますな、子供は子供らしく振る舞わいでどないすんねん」ということなんでしょうかね。
ヤフオクに出品しましたので興味のある方はご覧ください。
先日甲子園でタイガースのやる気のない試合を観戦しました。去年はバカバカしいので一度も行きませんでしたが、矢野になってどうかな?といってみましたが、興業として成立しておらず、お客さんからお金をいただくショーとしはて最低なものでした。
もともと甲子園球場の横にはプールもあったし、何より「阪神パーク」があって面白い動物がいたし、遊園地として面白かったし、夏はデラックスプール、秋は菊人形も面白くて、野球に何の興味も関心もない人でも「ついでにちょっと見とこかな」と野球場に牽引する力がありました。しかし今はそのどれもない。球場に向かうエントランスは右手に土手があって松の大木が植わり、ブロンズの虎の像があり、土手の上には仮設風の関東煮屋や選手のグッズを売る店が並んでいて、瓶ビールにちくわと大根とかでしばらく飲んでタイガースの攻撃の始まった頃にみにいくことも出来たが、今は松も切られ、虎もおらず、店舗も白いシートに周りを囲まれて営業していない。
タイガースの試合はプロのレベルに達しておらず、小学生並みでしかないのだから、勝つことはおろか、素晴らしいプレーを見せることも期待できない。その上以前のようなバラエティに富んだ補完物も失われているのだから、それでも客が来ると思っている厚顔無恥さがすごいね。
甲子園球場自体は非常にゆったりしてショーをやるのになかなかこれ以上の箱はないくらいです。内野、外野とも50段くらいまであり、しかも傾斜がゆるい。これは観戦には大切なことで、外野のどこに飛んだ打球もしっかり見ることができ、例えば先日ドラゴンズのヒシエドがライトポール際に打ち込んだらホームランも三塁アルプス席からその白球が一塁アルプス席を切り裂いていく様子をしっかりとらえることができた。
だからいっそもっとショービジネスとして価値のあるものを野球はさておき同時に開催したら良いと思う。B'zや中島みゆきを招聘して試合前に盛り上げてもらうことまでは無理でも、ココリコの遠藤とか千秋とか、渡辺謙とか、高橋留美子、ほりのぶゆき、玉木正之、上岡龍太郎、浜村淳とかなら引き受けてもらえるかもしれない。球場の外周にはオープンテラスの飲食店やバーを作り、三点差で負けてる時は3割引、5点差なら半額とかにしたらどうかな。それからジェット風船とかではなく花火大会もつけるとか、五回を終えて負けてたら客に聞いてもう試合をやめるとかにしたらいいのではないか?