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古本屋日誌
週刊誌は玉石混交で、読みたい記事もあれば、全く関心のわかないのもあるし、金を払って目にすることすら汚らわしいような記事も載っているものだ。
それが雑誌の楽しみでもあって、このところの『週刊文春』には安倍の暗殺がらみの記事とおひとりさま教の上野千鶴子のネタが載っている。
さて実際に購入して読んでみた。
安倍暗殺の記事だが、「安倍氏の姿勢を考えれば、なぜ右前頚部に弾が当たったのか、合理的な説明がつかない」とある。
ということはケネディ暗殺みたいなものか、山上くん以外の誰かが撃ったのか、と思うところなんだがその後にこうある。
「ある警察幹部はこう告白する。『どのように安倍氏の右前頚部に当たったかーという弾道の再現は事実上、不可能なのです。山上の銃は手製のもの。火薬量によって銃弾の飛び方は異なりますが、銃撃の際に火薬が何グラム使われていたか、も正確には分かりません』」
なーんだ。手製の銃だから弾道はわかりませーんというだけの話か、つまらん。
もう一つの上野千鶴子のネタ。
2007年、『おひとりさまの老後』が約80万部のベストセラーになった以降、おんなじような本を立て続けに出して、独身を貫く上野はおひとりさまの教祖みたいになって人気を誇っていた。
ところが上野は二年前に歴史学者の色川大吉を介護の末、看取った。
なんでも2人で購入した山荘の権利を上野は色川の死後、相続したそうで
「亡くなった時点で法律婚が成立していなければ、遺産を相続することはできません」ということなので上野は「彼と密かに入籍していた」とのことだ。
なるほど、こっちの方は面白い。
東大教授だった上野はそれなりに社会的地位もあるし、インテリとして主張の一貫性は求められるだろう。
大衆にはおひとりさまがいいと煽りながら、自分は結婚して楽しんでいたというのでは、筋は通ってない。
伊藤博敏が講談社から『同和のドン』を出した。
自民党系の部落解放運動組織のトップだった上田藤兵衛の伝記だ。
全て実名で書いてあるとのことで、発売前から評判だったが、一読してつまらない本だった。
安藤昇の本のような爽快なギャングの話ではなかったのだ。
つまりは、ヤクザの抗争史や政界の裏話でしかなく、それに関しては、いくつも専門の雑誌がある。
興味のある人はそれらを日頃から読んでいるだろう。
俺はそんなものには全く興味がないから退屈でしかなかった。
またエセ同和の利権の話も書いてある。
でもそんなネタは、かなり前に宝島社から2冊も『同和利権の闇』と題して、しっかりした本が出ている。いまさらおんなじことを書いてもらっても仕方がない。
ただ少し興味を惹かれたのは上田の出自だ。
なんでも京都の山科の竹鼻の被差別部落だそうだが、彼の家は代々天智天皇の墓の守をする任務についていたという。
つまり陵戸というやつなんだろう。
奈良の明日香村にも天武、持統天皇の陵戸だという家があって、その地位を誇示するものとして長槍が鴨居にかけてあった。(NHKの特番で見たのだ)
陵戸は墓の管理をするわけだから、日常的に古墳の敷地内に入って手入れをしていたはずだ。
その地位が特権的なものであり、大王の霊ともコンタクトできる才能を代々受け継いでいるのだぞてな、プライドはないのだろうかね。
それがあったら詳細な陵墓の記録や管理日記が家に伝わっていても不思議ではないと思うのだ。
世間では様々な詐欺が横行している。
私のスマホにも「Amazonのアカウントが停止されました」だの「クロネコヤマトですが、お客様宛の小包が住所不鮮明になっております」だの「国税局」だの「社長の山本」だの「宝くじに当選しました」だのといった詐欺メールが毎日届く。
本当にバカで無能な連中だよなあ。
それとは別だが、サイトの中には安売り、バーゲンをうたう詐欺サイトもたくさんある。
扱う商品の幅が広い。
全集からプレミアのついている文庫本、キャジュアルウエアー、靴、ゲームソフト、宝石、カバン、下着となんでもござれだ。
住所をみたら山の中や海べりであったり、店の紹介のページに「許認可」欄(つまり古物取扱の免許のこと)には「必要なし」と書いてある。
業者として売買するのに古物取扱の免許は必要だ。
これだけでも詐欺サイトだと判断できる。
騙されてお金を振り込んでしまい、当然のことだが商品が届かないトラブルに巻き込まれた人は二度と個人のサイトでは注文しなくなるのではなかろうか。
勢い、大手のAmazonや楽天、Yahooショッピングなんかで買おうとするだろう。
脳生理学者でテレビでお馴染みの中野信子が新潮新書から『脳の闇』を出して評判だ。
中野信子は幼い頃から神童のほまれ高いお方で、東大の工学部を出ているのだが、その著書ほぼ全てに自分の顔写真をカラーでカバーに載せている変わった御仁だ。
美人だともいえる顔立ちなんだが、目立ちたがりなんだろう、それも結構なことだ。
この本には、少し前に、ある大したことない男から交際を迫られた顛末が書いてある。
中野の目から見たら、つまらない大昔の時代遅れの話をしてくるバカと映っていた。
しかし、結局その男からの連絡がないとイライラして、「相手にされてないのかもしれない」「なんで返事が来ないんだろう」などとヤキモキしていたという。
もちろん、中野は今も、その時も結婚していたわけだから、不倫に踏み込もうとしていたわけだ。
そんなややこしい話を、臆面もなく本にして日本国民に読ませてくださるわけだから愉快なお方だ。
それはさておき、中野はこの本でも繰り返し人間の脳というものは、相手の不正を、たとえそれが自分の利害と少しも関係なくても許せない存在であり、不正を糾弾することで快感を得るのだという。
またその際、自分に正義やら真理やらの大義名分があるとより一層、相手を叩こうとするものなのだ、そういう脳の構造になっているとおっしゃる。
そしてその正義の暴走を止めるには、そもそも人間の脳には勝手に暴走する欠陥があることを自覚して、相手を許せなくなるスイッチがどのあたりで入ってしまうのかを知っておくのが大切だというのだ。
中野先生は1975年のお生まれだが、連合赤軍の永田洋子に聞かせてやりたい話だよ。
でもね、普通の指導者は中野先生のような思考回路ではない。
すぐれた指導者はそもそも自分とその他の人たちを同じレベルだとは考えていない。
いろんな問題を抱えている人ばかりだし、能力や感情の出し方も決して上手いとはいえない人たちなのだ。
そんな人相手にキレたり糾弾したりしてなんの意味があるんだろうか、意味のないことはやらない、そう考えるものだ。
AIはいろんな分野で大活躍して、我々の生活を支えてくれている。
ネットでは「チャットGPT」という無料のAIが公開されている。
いろんな質問をしてみると直ちにAIがいくつかの答えを示してくれるのだ。
例えば
「神戸の古本屋といえば❓」と聞いてみたら次のような御託宣をいただきました。
神戸には多くの古本屋がありますが、その中でも代表的なものをいくつか挙げると、以下のようになります。
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ブックファースト神戸三宮店 三ノ宮にある大型書店で、中古本の取り扱いもあります。店内には広くてゆったりとした空間があり、多種多様な本を取り揃えています。
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神戸古書センター 新開地にある古本屋の集積地で、多数の小規模な古本屋が軒を連ねています。様々な種類の本があり、掘り出し物を見つけることができます。
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古書 味園(あじその) 北野町にある小さな古本屋です。店主が選んだ、珍しい本が数多く並んでいます。また、店内には古い雑貨やレコードも販売されており、趣味の合う人にはたまらない場所です。
ブックファーストの三ノ宮店だが、すでに閉店している。また古本の取り扱いはなかったよなあ。
次の神戸古書センターなるものは、新開地にあるそうだが、もちろんそんなものはない。
古書味園て、これは面白いな。難波にあった巨大キャバレーの名前しか思い浮かばない。