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古本屋日誌

2019-10-31 08:44:00

先週号の「SPA」に医者に従来の健康法や健康常識を問いただしてみる企画があった。

その中で「歯磨きには虫歯を予防する効果は認められない、虫歯の予防にはむしろよく噛んで食べることが重要だ」とか「歯石を取っても虫歯や歯周病を防ぐ効果はない、口臭の予防にはなる」とかいう。

さらにプールの後目を洗うのも、粘膜を保護する粘液を洗い流してしまうのでよろしくないともある。

まえあれですね、一体全体何が正しいのやらわかりませんな。歯を磨かないから虫歯になるものだとばかり思っていたのに、その因果関係はないと言われたら困ってしまう。それに虫歯を防ぐにはよく噛みなさいと言われてもね〜〜じゃあ歯を磨かないでもいいのかね、でも長年磨いているしそんなことしたら気持ち悪いだろう。

「歯を磨いて歯磨き粉を洗い流さないでいた方が虫歯にはなりにくい」という人もいたけどな。いやもう想像しただけで気持ち悪くなるよなあ。

 


2019-10-30 16:34:00
綿野恵太の「差別はいけないと、みんな言うものだけど」(平凡社)はなかなか面白かったなあ。
以前は差別を問題にできるのは当事者だけみたいな風潮があったが、今では誰もが気軽に「あれはあかんやろ」と糾弾して問題視できるようになってしまった。差別された人間でないとその痛みはわからないとか足を踏まれたやつだけがその痛みがわかるみたいなことが言われていた。しかしグローバリズムが一役買って世界が均一化された現代ではいかにも無理がある。

差別は意識的なものは少ない、本人はその自覚もないものがほとんどだが、従来結果的に差別であり人を傷つけているとして問題視された。しかし自覚していないのなら罪は普通は軽くなるはずだ。(殺人罪より過失致死罪の方が軽いわけだから)
かてて加えてうちわでまとまって他者を排除することは人類の進化に大いに役立つ性格であり、誰しもが持っていることでそれを罪に問うことはできない。したがって過失致死みたいな形で差別の責任を問うのはおかしい。

となれば「差別はいけない」みたいなポリティカルコレクトネスに対処する道は2つとなる。1つは違和感はあるもののポリティカルコレクトネスに耐えうる人間となることであり、2つ目はPCみたいなことは止めることだ。
こんな内容でした〜〜〜〜


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2019-10-29 00:47:00
東海林さだおと岸本佐知子が文春文庫の「ガン日記」で対談していてタイトルは「オリンピック撲滅論」だ。二人ともかねてからオリンピックは見苦しい、何が面白いんだと開催にも反対していた。

100メートル走が代表的なんだが競技中は必死の形相で歯茎をむき出しにして走っている。その顔は醜悪であまりにも見るに耐えない。プロレスなんかも見ていて面白くもない、寝技など相手の臭いを嗅いでるようにしか見えない。
フィギュアスケートなど「なぜあんな風にジャンプするんだろう、氷の上でジャンプするなんかそもそも不自然だろう。」と東海林さだおが言い募るとこれには岸本も耐えかねたのか「じゃあどういうプレイならいいんですか?」と質したところ「そりゃあ優雅に軽やかに氷上を滑るわけよ」と答え、「新体操でもなんでもプレイを終えて着地で動いたら減点されるというのも理解できないな。動かないなんて不自然でしょう」
小学生がよくやっているドッヂボールなんか完全に傷害罪でしょう。まるで獲物を狙うように相手に狙いを定めて、向こうの表情が歪むのまで確認して強烈なアタックをお見舞いするんですからね。
という感じでした。
まああれですね、確かにスプリンターの必死の形相て醜いですな。野球でも全力投球するピッチャーの表情て、よく雑誌のカバーを飾ってるけど、まるでエイリアンみたいで気持ち悪い。

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2019-10-28 02:13:00

以前新大阪駅の弁当屋で異彩を放っていた「水了軒」は倒産してしまい、美味しいお弁当がもう食べられなくなってしまうのかと危惧していたが、なんとか再生を果たして百貨店でも弁当を売るようになっている。
近鉄上本町店でも販売していて15年ぶりくらいで「御堂筋弁当」を食べた。これは観光客用に作ったやつでお重が2段になっていて、下は豆ご飯にタコを入れた天ぷら(大阪でいうところの天ぷらです)、上は木枠で9つに分かれていて、タイの焼き物、合鴨、かしわの焼き物、大根と人参の酢の物、高野豆腐、海老の鬼殻焼き、銀杏などがきれいに詰めてある。コイモも入れてあるのだが彩りを考えて青海苔がまぶしてある。またセンターには海老の鬼殻焼きと銀杏を配してあるのだが、銀杏は松の小枝が添えてあって、そういう手間が素晴らしい。


以前は銀杏は御堂筋の秋の風物詩だとか、タイは茅渟の海という大阪の名物だとかいう御託をあれこれ書いたものが挟んであってなんかこじつけめいてはいるがなかなか面白かったなあ~~。

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2019-10-27 10:54:00

先ごろ岩波新書から大木毅の「独ソ戦」が出てかなり売れている。

大平原であまり隠れるところもないような場所での撃ち合いだからソ連は2000万、ドイツも800万という信じられない人的被害を出したことは知られているが、大木によると、この数字は冷戦時代のバイアスがかかったものだという。

つまりアメリカとの軍事的な対峙下にあったので、国力を安くみられたくないとの思惑で実際よりも少ない数字になっていて、ソ連崩壊後に明らかとなった文書によれば死者数は2700万人に及ぶというから想像を絶するものだ。レニングラードの攻防戦ではドイツ軍が街を完全に包囲して兵糧攻めにして、降伏も許さなかった、つまり兵士と住民の抹殺を狙ったということだ。戦争当初スターリンの圧政を嫌って厭戦気分がソ連に拡がっていて、ドイツ軍に投降するケースも多かったが、ドイツの捕虜への虐待はとんでもないもので十分な食料を与えないまま遠くの収容所まで歩かせるものだからバタバタ死んでいってしまう。

大木は「ドイツがかかる蛮行を働かず、降伏したソ連兵や住民を国際法に則る扱いを施していたらソ連を倒せた可能性もある」としながらも実は独ソ戦はイデオロギーの対立に基づく絶滅戦争であったのでそれは不可能だったろうという。

つまりナチスはソ連の存在をゲルマン民族の世界統一に障害となるもので共に天を頂くことなどできないと考えていたし、スターリンもまた同様の思いを抱いていたという。

こんな内容でした。まああれですね、ヒトラーがソ連の絶滅を考えた根拠は何なんですかね〜〜

ユダヤ人の場合は第一次大戦で協力しなかったなどと言いがかりをつけていましたが、ソ連はそもそも敵国でしたからね。その辺りも知りたいところです。


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