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古本屋日誌

2021-06-30 13:40:00

味の好みはすぐに変わってしまうものだ。

大阪でもほんのわずかな間に食べられなくなってしまった料理がいくつもある。

とりわけ気になるのはうどんだ。

まず現在はさぬきうどん全盛で四角い切り口で歯応えがすごくあるやつばかりになってしまった。

以前はいわゆる大阪うどんで切り口は丸く、弾力はあるがしなしなしたうどんでよく出汁にからんだよなあ。

「あのなあ、円あるうなっとんのはな、喧嘩しやんと仲ようせえよゆうことなんや」と言われていたから、それが今は四角い。喧嘩してもええという話ではないし、好みなんかすぐ変わってしまうのだ。

その上食べ方も変わってしまった。

少し前までは残った出汁に必ずご飯を入れておじやのようにして余さず食べていたが、いつの間にやら絶滅してしまった。

ご飯を入れた当初は米の味がしっかりしているし、それなりの咬みごたえも残っているのだが、次第に米粒が出汁を吸いしなこうなっていき、最終的にはほとびてしまう。

その味や食感の変化を楽しんでいたのだが、皆さんやらなくなりましたよなあ。

見栄えがしないのを気にしているのだろうかね。

小田巻も食べなくなったよなあ。

茶碗蒸しにうどんを入れたやつなんだが、蒸した卵のプリンのような感じと好対照なうどんの食感が魅力的な食べ物だったのにね。

ラーメンももともと醤油ラーメンだったのに、このところ圧倒的に豚骨になってしまった。
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2021-06-29 20:49:00

先日夕方心斎橋筋を船場の方から心斎橋へ歩いていたら、大きなメタリックの自転車にまたがったおじさんが横を通り過ぎた。

足をがに股に開いてゆっくり自転車は長堀通りの方へ進んでいく。

見るとおじさんの首筋から肩にかけて大きな猫がちょこんと張り付くように座っている。

キジ猫で初めはオブジェかとも思ったが足をモゾモゾ動かしている。

猫と散歩している風情なのだ。

長堀通りの信号で止まっている時も周りの好奇の眼にさらされながら、猫はゆったり伸びをしたりあくびをしたりしている。

不思議なこともあるものだよなあ。

以前飼っていた猫はちょっと散歩しようね〜と抱きかかえて肩に乗せて少し歩いたら向こうから来たリード付きの犬に

「ワーン‼️ワーン‼️」と吠えられた。

たちまち発狂してもがき手の内から逃れようとして、それでも離さずにいたら首筋を 
「ガブリ‼️」と噛み脱兎の如く身をお隠しになられましたよ。

痛いことも痛いが逃げた中の行方がわからない。
ふだんは近場しか出歩かないのに、恐怖に駆られて思わず縄張りも飛び出して走り出てしまったようだ。探すのに往生したことは言うまでもない。


でもどこかのショップでは散歩好きのねこや旅行に行きたがる猫がいるのかもしれないよなあ。

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2021-06-28 14:41:00

コロナ騒ぎでお客さんが自宅にいる時間が増えているため、本も買取依頼が増えている。

自宅で長時間過ごすんだからせめて快適に仕事ができるように目障りな本や雑貨を処分しようとするからだろう。

誰ももう読みもしない、使いもしないガラクタが目の前を跋扈しているのにはイライラさせられるのだ。

私もご自宅にお伺いするのだが、目の前に現れる本の山はたいてい前もってお聞きしていた冊数を上回っている。

団地の三階だったり、おまけにエレベーターがなかったりもして、運び出す手間を想像するとたちまちげんなりしてしまい、査定するため背表紙を眺めても心には響いてこない。

私の経験では本の量が多くなると1%くらいなんだがそれなりに価値のある本が必ず混じっているものだ。

だから本来はじっくり何度かチェックして価格を査定するべきかとも思うのだが、すでにめんどくさいとの思いが頭を占めているし、お客さんも

「もうあれですわ、なんぼでもかまへんよって、ちゃっちゃとかたしてや‼️」とおっしゃる。

なぜかわれわれの思惑は不思議と一致して素早く査定は終わるのですな。

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2021-06-27 18:59:00

緊急事態宣言が先日解除となり、ようやく日常が戻ってきた。

酒も7時までだが気に入りの店で飲めるし、イベントも徐々に旧に復しつつある。

さて古本屋の売上だが当然ことながら宣言中に比べてかなり減ってきている印象だな。

まあしかし通販は便利だからコロナ前に戻るとは考えていない。

店舗型の古本屋や新刊書店に出向くのもいいが、探している本はない可能性が高いし、時間も金もかかるから、通販の便利さを一度味わってしまうと抜けられなくなることは明らかだ。

それにしてもあの弱い横浜にタイガースは3連敗なんだからどうしょうもないよなあ。

今日の先発なんかいつもボコボコにどこの球団にも打ち込まれているやつなのに、2点しか取れないんだから笑わせるぜ。

下らない負け方をしたのは矢野の責任であって見ているわれわれにはなんの責任もない。それにもかかわらずイライラして気分が悪くなるのは腹立たしい。

ただ野球は優勝するにしても勝率は6割強でかなり負けるよなあ。

 

サッカーやバレーなら優勝するチームはもっと勝率は高い。その分野球はファンに忍耐を強いるスポーツだよなあ。力のあるチームが弱いチームに負けるのには野球特有の事情がある。



試合数が多くて、もともとダメなピッチャーを先発させざるを得ない、広いグラウンドに野手が少ないので打ち取ったあたりもヒットになる偶然がある、野手は横に走るという日常ではあまり経験しない動作を強いられるためエラーが必然的に出る、民主主義に毒されてピッチャーや、キャッチャーなどという打てるわけがない連中にまで平等に打席を与えるので攻撃が鈍りがちなどが理由だろう。


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2021-06-26 21:43:00

サンデルが早川書房から「実力も運のうち、能力主義は正義か❓」を出した。

現代社会の宿痾である能力主義を批判した本だ。

一時代前の身分制度の社会では門地によって出世の道が決まっていたが、現代社会では本人の努力次第で階層を上昇させることも可能となった。

それは進歩なのかもしれないが、弱者にとってみたら身分制度が桎梏となっていた頃は「いくら頑張っても俺はしがない門番だよ」と普通に嘆くだけだったが、現代では己の不遇は自己責任、自業自得となっていて一層のストレスにさらされている。

サンデルは現代社会の勝者が今の地位は自分の努力と精進で勝ち得たものだとして、弱者を「努力不足な怠惰な連中だ‼️」と切り捨てる傾向を批判する。

勝者の地位は単なる偶然や運によってもたらされたに過ぎないと言う。

まあそうだよなあ。

プロ野球選手なんか才能があることになってるけど嘘だよ。

これまでのタイガースの連中なんかなんの才能もない。

しかしプロ野球は興行としてそれなりの社会的なニーズがあるから、下手でもバカでもとにかくそれなりの数の選手が必要とされている。

だからかなりの下手くそでも「プロでござい」てな顔ができてそれなりの金をもらえる。

これは社会全体からしたらバカでも飯が食えることに他ならないからいいことだ。

 

それはそうとしてサンデルのこの本には能力主義の面白い主張も紹介してある。

「病気になるのは怠惰な生活習慣が原因になっている。だから生活習慣病の患者は無能な連中だ」とする主張だ。

あまりのバカバカしさに笑けるよなあ。



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