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古本屋日誌
「週刊文春」の「この文庫を狙え」で坪内祐三はごく最近山崎三郎の「消えゆく横丁」を紹介していた。
高架下や狭いエリアに立ち並ぶ雑居ビルにある小さな店で膝付き合わして酒を飲む昭和の空間が失われていっているわけだが、往時の写真と更地やテナントビルに建て替わってしまった現状とを対比させる形で集めた本だ。
なんでもJRの神田から新橋駅間の高架は2020年の東京オリンピックを前に「耐震工事」の名目で立ち退きが進み、横丁情緒は一掃されたという。
そういえば坪内も東京オリンピックを奇貨としていらぬ改造が街並みに加えられることを危惧していた。64年のオリンピックの時も東京はその姿を一変させたが、今また同じことが起きているわけだ。
まああれですね、これはナオミ・クラインのいう「ショックドクトリン」の発動ですよねー。
大地震なら「また大津波が来て家が流されるかもしれないからこの地区は全部取り潰して新しいビルに建て替えましょう」てな感じで天災を利用して住んでいる人を体良く追い出して金儲けをたくらむ資本主義の常套手段のことです。
オリンピックも全く同じなんですね。「オリンピックを成功させるため」などと言って立ち退きを強要する、協力するのは当たり前だろうと言わんばかりの無礼な振る舞いは驚くばかり。
その上で著者は「若者は打ち合わせの後に酒を飲む習慣をもっていない」「以前は会社でも企画の打ち上げで先輩と遅くまで飲んで翌朝はみな二日酔いで出社していた。もちろん作業効率は低下してしまうのだが、高度成長期の上げ潮でそれが許されていた」と書く。
だから横丁の未来は明るくない、10年後はもうなくなってしまっているところが多いのではないかと悲観的な話になっている。
天神橋筋商店街、天五にある「天満酒蔵」は朝から酒が飲める横丁風の店で、店主が境川部屋の大阪後援会をやっているせいで春場所の時にはバイトで大勢の力士がせわしなくたち働く面白い店だ。
ある昼下がり先輩と商店街をぶらぶらしていたら、なぜか「天満酒蔵」は閉まっていて半分くらいシャッターが降りている。
店主がシャッターから顔を突き出してきょろきょろしてるから「どないしました?珍しいね」と尋ねると「今日は休みなんやけどよかったら飲んでいくか?」と招き入れてもらいましたよ。
何でも休みの日も適当な馴染みの客は入れて飲ますんだそうだ。よっぽど仕事が好きなのか、大したものだ。
半年に一度発売の「風雲児たち」の最新刊、33巻が出た。
今回は生麦事件後の世情を活写しているのだが、大藩の島津が攘夷を実行したということで風向きが変わり、まるで攘夷、天誅‼️斬奸が公認されたようになった。
逆に安政の大獄を指揮して攘夷派の志士を殺した井伊直弼は悪く言われ、必然的に桜田門外の変を讃える雰囲気が醸成されて彦根藩は桜田門で重傷を負った8名、軽傷の5名、無傷の5名を死刑にして保身を図った。
しかし幕閣は追及の手を緩めず10万石の減封を命じてきてこれへの怒りが後の鳥羽伏見の戦いでの裏切りにつながっていったのだという。
高知の武市半平太らは調子に乗って京都所司代の与力を襲撃して主だった4人を殺害して、粟田口の刑場にさらした。
まああれですね、大老を白昼襲撃して殺害するなど言語道断なわけなのに、その犯人が擁護されて、逆に命がけで阻止しようとした側が処罰されるというのも理解できませんな。
攘夷などできるわけないのは薩摩も長州もよくわかっているのに、あたかも可能であるかのように大衆をあおり、幕府は天皇の意思に反して攘夷をしようとはしないなどとデマをばらまいて権力を奪い取ろうとしているわけですな。
ホワイティ梅田はもう半世紀くらい前からあって、地下鉄からJR、阪神、阪急への通路でもあるためとにかく人通りが多い。
つまり大して努力しなくても儲けられるわけで店舗の入れ替わりも少なく、どこも儲かるわけだから施設もそのままで、大阪で一番かわりのないエリアとなっている。例えばノースモールの「鳥の巣」という串カツ屋なんかずーっと前からあって「大阪人」にも美味い店だと紹介もされていた。
しかし実態はデタラメで黒生ビールを注文したらサーバーから注いでくると思いきやおもむろに缶ビールを取り出してジョッキに注ぐもんだからびっくりして「えーそれがなんで生ビールなん?アホちゃうか」と言うても外人の店員は「これが生なんですが〜〜」と返してくるんだからバカバカしいよなあ。こんな程度で商売できるんだから世の中は甘い。
そういえば阪神百貨店からJRに上がる階段の横に店を構えていた立ち飲みの串カツ屋の「松葉」もマスコミにはしばしば取り上げられていたが、全然美味しくなかった。なんでこんな店を取りあげるのか不思議でしかなかったけどなあ。
名古屋からやってきた友人が「美味い串カツを食いたい」と言うものだからまず今はもう移転してないけど阪神百貨店の北側の地下の「七福神」に連れていって、まあここは当たり前だが美味い。
その足で地下をブラブラして「松葉」の前を通りかかって、「ここも試しに」とかいうので入ってはみたけどもちろんあの味だから「やめといたらよかったなあ」となってしまった。
もちろんノースモールには普通にちゃんとした店もある。串カツ屋なら「活」は手の込んだクシを食べれるいい店なんだが、店員は「おまかせコースが単品クシで頼むよりお得ですよ〜〜10本なら3000円くらいですよ〜〜」と勧めてきて、ついつられてそれにしてしまうから問題なんだよなあ。
串カツは1つ1つは小さくて二口くらいで食べられてしまうのが落とし穴で、また味も変わるからついつい食べすぎてしまい 気がついたら30本くらいはいってしまい、ビールやハイボールもきこしめして、締めのアイスクリームまで食べてしまうのだ。
5つになる黒猫のオスなんですが、去年の7月から下半身にハゲが出来て9月頃にはお腹から下半身の下部のかなり広いエリアにわたって黒い毛がなくなり、その下に生えている白いにこげだけになってしまいました。
医者の話ではストレス性だということで、できるだけねこ様のご要望にお応えして外に自由に出してはいるのですが、ねこははげが気になるのか、ザラザラの舌で舐め回すものだから被害が拡大してしまいます。
そこで嫁が全身をくまなく覆う白地に青いストライプの入った服をこうて来てこれを着せることにしました。
ところが違和感があるのか脱ぎたがりますし、服を着せると歩き方もぎこちなく、まるで壊れかけのロボットみたいです。
それでかわいそうになって脱がしてやると今度は一心不乱に全身を舐めまわし始めるので、何をしているやらわからなくなってしまいますな。
雄猫は通常嫁の布団の足もとで毎晩寝ていて私の布団には来ません。
ただ朝外に出たくなると私の枕元までやって来て「にゃーにゃー」鳴いて訴えるんですが、布団を持ち上げて「さ〜〜少しでいいから入ろう、入ろう」と持ちかけるとほんの数十秒程度、潜り込んできて、すぐに外に出てまた鳴き始めます。
「お前が入ってください、入ってくださいと頼むのでしかたなく入ってやったんや‼️しゃーから直ぐに玄関を開けなあかんよ〜〜」てな感じでしょう。
仕方なく起きて玄関を開放させていただいております。
アルコールを分解する酵素には速効性のものと遅効性のものの2種類があってアセトアルデヒドを無害化するそうで、これをともに持っている人間は非常に酒が強い。しかしともに無い人もかなりいて、こういう人はそれこそ甘酒や粕汁の香りだけでも赤くなってしまうから、酒など飲んだら大変だ。
全く酒を受け付けない人が宴席に連なることもあって、ノンアルコールビールとか烏龍茶でごまかしているのだが、支払いはきっちり割り勘になっていたりして、よくそれで怒らないものだと感心する。
もちろん酒が入って気が大きくなってからんできたり、恥をかかせようとしゃかりきになったりする人もいることはいうまでもない。飲酒運転が論外であることはいうまでもない。
しかし問題なのは健康被害だろう。中島らもは神戸の居酒屋の階段から転落して死んでしまったし、坪内祐三も数時間の間にウィスキーを一本空けるなど、身体にいいわけがない。
坪内祐三の「酒中日記」を読んでいるとやれ携帯をどこかに忘れた、GPSが付いているので所在は新宿三丁目だとわかるがコールしても誰も出ない、しばらくしてチェックしてみたらまた移動していてコールしたがなしのつぶてだとか、何軒もはしごして最後はキャバクラに行ったが、記憶がない、翌朝財布の中に女の子の名刺が二枚入っていて「また来てね〜〜」てなコメントと携帯番号が入っているとかいう話がよく出てくる。
坪内が問題なのは携帯をなくしてしまうなどというとんでもないことをしでかしたのに、反省は「携帯が月曜日までに見つからなければ、仕方がない、新しくする」などというどうでもいいことに終始してしまう。
そうではなくて酒の飲み過ぎを反省しないといけないでしようよ。
記憶がなくなるほど飲んでしまうと、わけのわからない話もしていようし、故なくからんだりもしていよう。林真理子は坪内に「あなたアル中でしょう」と指摘したんだが、坪内は「俺が家でどんなに真剣に本を読んだり、原稿に臨んでいるか知らないだろう」と書いている。
まああれですね、坪内の言葉は林真理子に全く答えられていないよね。家で真剣に仕事をしようが、誰がどう見てもアル中でしょう。
坪内は精神的に弱かったのかもしれないが、そんなことより問題なのは酒飲みにひたすら甘いこの国の姿勢が問題なのではないか。
血中のアルコール濃度を測る機能を携帯に付けて、ある基準を上回っている人間には飲まさないようにするべきではないのかね。