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古本屋日誌
先日近畿で古本屋を経営している友人と話す機会があった。
彼は、まだ40くらいなんだが、当初は古本市場やブックオフをへめぐり、せどりをしてAmazonなどに出品する形で生計を立てていた。
「毎日、毎日やってな、月に150くらいAmazonがいくんやけどな、利益はなんぼや、ゆうたら50くらいよかあらへんねん。150あげて50やで。それ以上根つめたら過労死してまうわ。
ほんで考えたんが単価をあげることや。幸いわしはな、骨董の目利きができたんでな、古書組合に加盟して今にいたってるんやわ」
「へーえ!そうなんや。ブックオフとかのせどりで月に150万て、もの凄いですなあ。そんなん考えられまへんで」
「せやろ、こまめにセール情報やら、オープン情報やらをチェックして、朝一でならぶんや。」
「そういうのて、当たる時は当たりまっしゃろけど、あかなんだらショックも大きいよね」
「あかんことの方が多いさかい、『もうこの店は切り上げて次行こ』てなってもうて、足は棒になるし、ほんでいんでからまた出荷作業せなあかんよって、ストレスになっとったわけよ」
なるほど、真面目な人は大変だよなあ。
昨日は王子公園で宴会。阪急の駅すぐの「天天」という広東料理屋。
みな親が高齢で、病がちとなっている話。
齢80を越すと記憶が曖昧になって、子どもを連れて母親のところに行ったら、「あんた、ええ子つかまえたな」という。
カードで家具やら、靴やら、バッグやらを勝手にこうて、月の支払いが40万とかになっていて、ローン会社に「これ、頭が弱なった母親がしでかしたことですねん。ヨボヨボで判断能力ありませんよってなんとかなりませんか?」ゆうて交渉してるとか、身につまされる話題だ。
タイガースは、大山の逆転タイムリーでスワローズを破り、甲子園帰りの客もいた。
昨日から天王寺さんで、古本市。今回は5月5日まで10日間もある。
去年父親の遺骨を納めたお墓が西門と石の鳥居の中程に完成していた、早速見に行った。
乳もらいの布袋さんのすぐ東の一角にいくつもの五輪塔が並んでいる。各々の石塔には「昭和〇〇年から〇〇年までに埋葬した方のもの」と立て札がしてある。父親のは出口から2番目で、やはり梵字を刻んだ大きな御影石の五輪塔だった。
たくさんのお参りのひとがいて、一本50円の蝋燭などをお供えして手を合わせている。
聖徳太子、弘法大師ゆかりの天王寺さんで死後を迎えられるのはありがたいことに思えるけど、それにしても死んだら終わりだけどね。
古本市は大阪、京都、神戸、奈良の古本屋の他、岡山、広島、静岡など遠隔地からもいつも通り参加している。
今年は会期が長いので、初日もすごくいい本がたくさん並んでいる感じはなかったな。
やはり何回かに分けて出していくのではなかろうか。
5月1日からの京都の古本市に比べて、天王寺さんのは庶民的に思える。かなり大規模な100円均一が行われている。京都ではもちろん行われない。
文庫本も時代小説や普通のものが多く、また均一で売られているケースが多い。
一冊100円とか150円、5冊で800円などだ。
絶版になっていて、相当な古書価のついている本はあんまり見かけない。(『冒険ダン吉、4巻揃』で3000円とかちくま学芸文庫の『王の身体』揃が7000円は見た。ただ『王の身体』は最近重版されている)
これは古本屋がそういう本を持ってないということではない。
天王寺さんの古本市には馴染まないから持ってきていないだけだと思う。
大阪のお客さんは一年分の本をここの100均で全部買う、新刊は買わないという人がたくさんいるのだ。
滋賀のクロックワークという古本屋がたくさんのレコードを出していて、お客さんが群がっていた。
俺は音楽に全く興味がないので関心はないけど、レコードはちょっとしたブームになっているそうだ。
また「横丁」という古本屋が着物、掛軸、和本、こけしなどの木製品なんかを出品していて、おりから訪れた外国人客がたくさん手に取っていた。
今日は年一回の健康診断で、新大阪に出向いた。
去年11月上旬に急に息切れして、階段を上がるのも大変になったことがあった。
内科を受診したら、血圧が180でビックリしたが、体調不良だったのは1日だけで、その後はなんともない。
今日の血圧は2回測った平均で117だった。
さて、3時くらいから、友人と飲みに行った。
立ち飲み「庶民」という店で、西中島の他に、梅田、高槻、京橋なんかにもある。
横長の店内は10人くらいがすでにきこしめしていらっしゃったが、まだ大丈夫。
びっくりしたのはおまかせセットで、税込600円で、大きな生ビール、おつくり(ハマチ、赤エビ)関東煮2品、コロッケという豪華なラインアップ。安いだけでなくみな美味い。
その後も生をお代わりし、唐揚げ、冷奴、漬物、ミンチカツ、本マグロのおつくりなんかも食べたが、みな150円とか200円で安い。
鳥山明の『Dr.スランプ』は、亡くなった後ジャンプコミックスの重版が行われている。
当初1、3巻を重版しただけだったが、現在ではほとんどの巻が書店に並んでいる。
しかし、なぜか2巻とか7巻が重版されない。特に7巻は古書価が高騰していて5000円くらいしている。
先日ジュンク堂の三ノ宮店に出向いた際「重版はかからへんの❓」と聞いたら「あー、『Dr.スランプ』ですね、今、出版社検討中と聞いてます」という訳のわからない返事だった。
この作品は全部で18巻でているのだが、最終巻にそのアシスタントのコメントが載っている。
なんでも鳥山は1人しかアシスタントを使っておらず、それも13巻からだというのだから、驚くよな。
鳥山本人は6日連続で徹夜して描いていたと振り返っている。いくら20代とはいえ、理解を絶する仕事ぶりだな。