Welcome
古本屋日誌
例の『トランスジェンダーになりたい少女たち』(アビゲイルシュタイアー、産経新聞出版)を読み終えた。
アメリカで幼い頃性的な違和感がなかったのに、思春期になって自分はトランスジェンダーだとして男になりたい少女が増えている。
その原因は教育にあるのではないか。
また、相談された医師たちも少女の訴えを否定せずに、助長してしまっているので、ますます手がつけられなくなっているという。
シュタイアーはそういった医師のあり方を批判して、黒人の患者が「自分は黒人ではなく、白人であると思っていて、黒人の自分に違和感を覚える」と相談に来た想定で次のような医師の答えを書いている。
「きょう聞いたことで、あなたは白人だと断言できる。ときには白人が黒人の身体と特徴をもって生まれてくることもあるの。(中略)たとえお父さんが同意しなくても、ここは安全な場所だとわかって。わたしはいつだってあなたを尊重する。」
これは面白いね。
そんなことあるわけがないのに、患者の妄想を医者が批判もせずに全面的に受け入れてしまっている。
シュタイアーは自分はトランスジェンダーだと訴えてくる少女への医師の対応も同じようなもんだと言いたいわけだ。
このへんのちょっと行き過ぎたような批判が反発を招いているのかもしれない。
作家の橘玲が文春新書から『テクノリバタリアン』を出した。
イーロンマスク、ベゾス、ビルゲイツなど、卓越した理数系の頭脳と、リスクをものともしない胆力によって、世界を変えようとしているギフティッドの話だ。
マスクはあのXの騒動で有名だが、人類が滅亡しないようにするため、火星に移住する計画を立て実行しようとしていて、興味深い。
また、彼らの中には全人類にベーシックインカムを実現しようと考えていたり、(その原資はAIの労働だとのことだ)モノを所有すると、時価の7パーセントの所有税を課すことで、土地やモノが一部の特権的な連中の独占物になることを防止するシステムを考えたりしている者がいて、こちらも面白い。
つまり、テクノロジーの力によって大衆を救おうという壮大な計画を持っているというわけなのだ。
確かに能力の高い人が、ボランティア活動などで、困窮者に手を差し伸べることは意味があるだろう。しかしそれで救える人数は限られている。
そうでなくて、さまざまなテクノロジー革新を成し遂げて、大きな利益を上げることで、それを大衆に還元した方が圧倒的に多くの人々を救えるというわけだ。
それはさておき、頭脳の明敏さを示すIQの話は心惹かれた。
なんでもIQ175以上の人は、日本人1億3000万の中で30人くらいだということだ。
まあ確かに天才はその程度だろう。
そういうギフティッド連中は、周りから浮き上がってしまい、まず話が合わない。
彼らは数学の話題や、理論物理学のクイズを雑談や息抜きとして楽しめる人たちだから。
またそういう数学的な能力に秀でている半面、人付き合いや、心理を読んだり、適切な言葉を選んで友人と付き合う能力はまるで持ち合わせていないことがしばしばあるというのだ。
だから普通の人が野球だのサッカーだのお笑いだのパソコンゲームだの映画だのを楽しみ、熱狂するのを見ても、自分は興味は持てないのだ。
そういう疎外されて、中にはひどいいじめを受けた天才たちがシリコンバレーに集い、ようやくともに語り合える同志をえて、この世界を根底から変えていこうとしのぎを削っている。
今日から地下街ゼスト御池で小規模な古本市。
早速朝から出向いてみた。
参加している古本屋は漫画の石川古本店、新しく岩倉に店を開いたしばのき文庫、一乗寺にあるマヨルカ、ぼあい書房、映画のポスターなんかをたくさん扱う京都スターブックスなどだ。
以前は梁山泊やキクオなんかも参加していたが、今回は参加しておらず、やはり労力に見合う売り上げはなく、割りに合わないのだろうか。
品揃えは映画のポスター、浮世絵、版画、図録、美術書、地図なども多く、つまり、俺には骨董品がかなり多いと感じられた。
この時期は移動が活発だし、買取の依頼も多いだろうから、いい本がたくさん古本屋には集まる。
京都はお屋敷も多く、そういうところはとても広いから、買い集めた本を読んですぐに処分する必要がない。
納屋だとか物置だとか納戸なんかにいくらでも貯めておけるのだ。
それでも年度末やらには、思い立ったように古本屋に売ることがある。
俺が驚いたのは下鴨にある古いお宅で見た大量の『キンダーブック』だ。
昭和27年から38年ごろまでの「観察絵本」がたくさん。
俺も小さい頃絵本をこうたもうたことはあるけど、おんなじのを何回も読むうちに綴じ目が切れる、本を丁寧に扱わないから変形する、名前を書いたり、落書きしたりするからすぐ汚れる。
ところがそのお宅はにはたくさん絵本があるから、傷みも少なく、落書きもなく保存状態もいいのだ。
3月31日の日曜日、晩の7時くらいに戎橋筋を歩くと、ものすごい人に驚かされた。外国人がたくさんいて、どの店も繁盛している。
千日前通から少し上がったところ、右手に一階はジャンカラのビルがあって、2階と3階はBOOKOFFになっている。
エレベーターに乗ると俺以外の5人は全員3階。
ここはブランド品、ハンドバックやジュエリーを扱っているのだ。
2階の本やCDの売り場は人も少なく、外国人客は漫画コーナーにちらほらいるだけだ。
浮世絵や版画、和本なら彼らの目を引くこともあるのだろうが、普通の活字本ではむつかしい。
一階のジャンカラは本人歌唱というのが導入されていて、アーティスト自らが歌うのを拝聴出来る。
カラオケはもともと客が歌うためのものだが、本人歌唱の登場で、コンサートみたいに歌を聞きに行く場所にもなったわけだ。
照明を落として大音量で聴くこともできるわけだから、ファンにとっては天国みたいなものだろう。
もうこうなったら過去のコンサートを丸ごと聴けるようにしてもらいたい。
新刊書店なら著者本人を招いてサイン会を開催して売り上げ増に繋げることもできる。
しかし古本屋は著者を招こうにも、著者の方にメリットがないからむつかしい。
サイン色紙やイラスト色紙を描いてもらい、販売するイベントなら、可能性はあるけど、それは個人的な繋がりがないとなし得ないことだ。
2時間なら2時間、古本屋に著者が滞在して、その間イラストをファンに書いてあげるとなれば、足代も含めて古本屋の負担は相当なものになるから、通常は現実的ではないとなるだろう。
だから店主と個人的な繋がりがあって、「〇〇さんのためやさかい、しゃあないな」と思ってくれないと無理だということだ。
角川書店から出る予定だったが、抗議と脅迫で出版できなくなったトランスジェンダー本が、ようやく産経新聞出版から出た。
つい先日も産経新聞や書店に脅迫状が届き、この本を販売した書店を放火するなどとあったそうだ。それにしても言論の自由はどうなっているのかな。
タイトルは『トランスジェンダーになりたい少女たち』。
今回はAmazonが発売当日、4月3日に届けてくれるというし、ポイントもつくので予約することにした。
ところが4月2日にくまざわ書店のサイトで検索してみたら、かなりたくさんの店で△表示になっていて、これは在庫僅少ということだ。
とにもかくにも本があるわけだから、すぐに読みたいし近所の京阪百貨店守口店にあるくまざわ書店にオーダーを入れてみた。
Amazonと被るけど、その分は売ればいいし、問題はないだろうと思うのだ。
ところがなかなか在庫確保のメールが来ない。今日になってからようやく、品切れのメールが届いた。なーんだ。
また、ジュンク堂のサイトを見ると大半が品切れで、生駒店とか学園前の店など3店舗しか在庫がない。こんな遠方では意味がない。
さて、Amazonからは午前中に版画届いたので早速読み始めた。
前半に書いてあるのはトランスジェンダーだと訴える人はこれまでは漢が非常に多かった。
女はその世代の0.002とか0.003パーセントくらいしだったのだが、このところものすごく女が増加している。
この人たちは幼い頃は自分が女であることに違和感を抱くことはなく、思春期になって初めて自分はトランスジェンダーだと訴える傾向が強いというのだ。
これはネットのインフルエンサーに影響されてそうなってしまっているのではないかとある。