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古本屋日誌
このところタイガースは勝ち続けていて、7連勝して、その後も勝ちは継続していた、昨日で9連勝となっている。
2003年の優勝の際も、この時期にはすでに2位のチームに7ゲームくらいつけて独走態勢だったのだが、甲子園は大して客は入っていなかった。
前もってチケットを取らなくても問題なく入れた。
甲子園の外野スタンドの入場券売り場は、ライト、レフトそれぞれのスタンドの外周に小さな小屋掛をして設けてあったから、今のように一々高速道路寄りの窓口まで買いに行く必要がなかった。
これはなかなか合理的で、感心したものだったが、その当時のトイレにはびっくりした。
三塁側内野席の外周には手洗いがあったのだが、小便用のはタイルで一段と高くなったところから、何の間仕切りもない溝に、何人もが並んでやる形だったのだ。
これは俺が通っていた大阪市立安立小学校にあったものと全く同じで(1960年代の終わりくらい)21世紀になってもそれがそのまま残されていたのだ。
確かにこれは合理的ともいえる。
今のようにいわゆる「あさがお」を一つずつ設置するのは手間も費用もかさむし、間にはスペースが必要なので、一度に使用できる人数も限られてしまう。
この何の間仕切りもない仕様なら、大勢が出来るし、開放感も手伝って、試合の話で盛り上がれようというものだ。
また2003年には川の堤防上に、小屋掛けした飲み屋やら応援グッズ屋が並んでいた。(今は堤防の土盛りが削平されて店もない)
飲み屋は関東煮や焼き鳥を肴にビールを飲めて、しかも店内にはテレビが設置してあったので、球場に入らずに(つまらない試合なので出てきてからの反省会の場所としても使えた)試合の模様がわかった。
今の甲子園は外周部に飲食店がない。
キッチンカーなんかが出張っているが、屋外に設置してあるパラソル付きのテーブルと椅子も数が少ないし、そもそもテレビがない。
東京ドームなんかは、外周に様々な飲食店が密集していて便利なのに、なぜ甲子園はないのだろうか。実に不便だ。
2年くらい前まで上本町に「一色文庫」という古本屋があった。
100円均一本がたくさん置いてあるし、店内には椅子もあって、くつろぎながら本を選ぶことができた。
また文庫本を含め、かなりの本には店主自ら、透明なカバーも付けもいて、とてもきれいな本が並んでいた。
お客さんもたくさん来ていて、日曜日などは千客万来の感もあった。古書組合には加盟しておらず、それでも全国を走り回ってたくさんの本を集めていて、大したものだと思っていた。
元町にある古本屋「花森書林」の店主とは親しかったようだ。
というのも店主との雑談のなかで「お客さん、神戸やったら花森はいい店ですよ。今の神戸やったら一番違うかな」と言っていたからだ。
また滋賀の古本屋「クロックワーク」や平野の古本屋「からたち」、六甲道の「口笛文庫」の名前を聞いたこともある。なかなか顔の広い店主だったようだ。
ところが数年前の年末に突然閉店してしまい、その後はTwitterの更新もないし、ホームページも放置されたままだ。
元町の「花森書林」に出向いた際、店主に「一色文庫が閉店したんやけど、なんか聞いてはります❓」と尋ねてみたが「えーそれは初耳です。あのお店はちゃんとたくさんお客さんもついていたから、どないしはったんでしょうかね」ということで、情報は得られなかった。
平野の「からたち」の店主はTwitterに「上六の一色文庫さんから、不要になった本棚を譲り受けた」との書き込みをしていた。
店を閉めるわけだから、たくさん並んでいる本棚は入り用ではなくなる。
それを親しい古本屋に譲るということだろう。ということは閉店の事情もご存知かもしれない。
ところがこの「からたち」も店を閉じてしまった。
Twitterに書き込みをして聞いてみることも考えたが、お店の生き死にの話を誰かもわからないやつに話すだろうかと思ったし、以前欲しい本のことでメールでお尋ねした際はご返事いただけなかったこともあって、躊躇していた。
その、「からたち」が久しぶりに店舗営業を再開した。そこで早速出向いて「一色文庫」のことを尋ねてみた。
「それが今何してはるか、わからないんです。店舗の在庫はみんな売ったて聞きましたけどね。うちはこの本棚貰いました」
そうなのか。
友人の古本屋にも消息を伝えていないのか(口止めしている可能性もあるけど)。
26日のジャイアンツ戦に勝ち、インタビューで、「貯金が15になりましたね」と水を向けられて、岡田は「23でもあかんかった」と応じている。
この数字は2008年に優勝を逃した時の最終の貯金の数だ。
この年はオリンピックイヤーで、試合日程が変則的で、盆休みの東京ドームは通常3試合なのに、2試合だった。(初戦は完封負けし、2戦目は金本のホームランで快勝した。)
その、行われなかった1試合が10月8日に組み込まれて、これにタイガースは安藤を立てて敗れた。
この敗戦で優勝出来なかったのだ。
岡田はこの恥さらしなV逸について、どう考えているのかまったくわからない。
今回の発言も、俺は(2008年に23も貯金を積み上げたんだ)と鼻にかける思いがあるのではと勘繰るのだ。
優勝出来なければ、貯金が100あろうと200あろうと何の意味もない。
岡田に限らずバカを晒した連中は数多い。
9月半ば、東京ドームの3連戦、タイガースは安藤、下柳、岩田を立てて3連敗して、ゲーム差がゼロになった。
これについてタイガースOBの川藤は「そんなもの、ゼロになっただけ、何がどうとういうことはない」などと言っていた。
川藤の威勢のいいワンパターンの話は、いつもはバカバカしくて笑えるが、これは全く面白くないよな。
さらに最下位のベイスターズ戦に連敗を続けて、ある時またも大量リードを早い回に奪われてしまった。しかし天佑きたりて、大雨、ノーゲームになった。
前監督の星野仙一は「これで優勝が決まったんじゃないか」とインタビューで答えていた。星野は2003年優勝の功労者だが、預言は大外れだ。
また9月のジャイアンツ戦の前、甲子園でのスワローズ3連戦では、3試合連続のサヨナラ勝ちであった。
誰とは特定しないが、評論家の連中は口を揃えて「優勝を目前にしたチームが、サヨナラ勝ち、それも3試合も連続となれば勢いが出ますね」と言っていたが、勢いなど全く出なかった。
小山力也はリーマンをしながら、全国の古本屋を巡り、そのルポを書いている奇特な人物だ。(名前は竹内力也に似てるよね)
東京圏在住で、神田をはじめ東京、埼玉、横浜などの古本屋探訪記があるのはわからないでもないが、北海道から沖縄まで全国の古本屋に時間をなんとか捻出して訪ね回るわけのわからないパワーにはあきれるばかりだ。
その小山が、2015年に原書房から出した「古本屋ツアー・インジャパン それから」(2冊目ということだな)には、はるばる神戸の古本屋に出向く話がある。
「木曜夜十一時新宿発の夜行バスに乗り、いざ神戸へ!
おそろしく窮屈なシートに身を沈ませ、遮光された車内に身を沈ませ、それでも外灯の光がカーテンの隙間を潜り抜け、貧弱なミラーボールが回っているような、長い長い夜の七時間。
そして朝を迎えたら、それはまるで外界から隔絶された護送車のようで、事故渋滞に巻き込まれたりしながら、刑罰のような、さらに長い五時間の道のり、都合12時間かけてたどりついた神戸は、燃え上がるような灼熱で身体を包み込んでくれたのだった」(これは2013年8月13日の記事なのだ)
バカだよなあ、12時間もかけてよく古本屋に行くよなあ。(この時小山はもう40過ぎなんだけど、夜行バスで行こうと思うのがすごいよね。)
でも「護送車のよう」とか「燃えあがるような灼熱」「貧弱なミラーボール」とか比喩が面白いね。
特に、俺はこの「護送車」のところが気に入っている。
12時間も貧相なバスに監禁されて連れ回され、自分ではなんともしようがないんだから、まさに逮捕されて検察庁まで連行される犯罪者そっくりに見えたんだろう。ひょっとして覚えがあるのかな、てなことも思ったよ。
このところタイガースは異常な試合展開を続けている。
勝ち続けている。リードされても逆転して勝つ。
ツーアウトになってもそこから点を取る、向こうのストッパーを打ち砕く。
どれひとつとっても異常。ありえない展開だ。
いずれにせよ、過去があるから、俺はまったく信用してない。
2008年など盆休みに7.5ゲーム付けていたのに、結局逆転されたからな。
しかもその時の監督は岡田だ。
近所のタイガースファンの古本屋(70代)に聞いてみた。
「今年は違うよ。『あれ』まで行く思うよ。わしは去年までの監督が嫌いやってん。優勝出来る戦力があるのにあんな成績でだらしない」という。
俺には優勝出来る戦力だとは到底おもえない。
また、これまで期待させておいて、裏切るのが伝統の球団であるのに、あまりにも楽観的なのが、理解に苦しむところだ。
だいたい簡単に『あれ』とかいうところが不愉快だ。
バカな岡田に乗せられてるじゃないか。