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古本屋日誌

2019-04-30 11:00:00

今朝は予報通り雨もよいで、止んだかと思うとまた霧雨が降りだします。

私も通信販売で商品をお客様にお送りしていますが、なかなか売れない品物もあります。原価や封筒代や送料、サイトの月間登録料などを加算したらこれ以下では無理という金額が当然あります。しかしなかなか売れないものはどんどん値段を下げていって、結局売れば売るだけ赤字が膨らむ価格でも販売してしまっています。

仲間の古本屋さんも私と同じようなことをしているのですが彼の話では「お客さんから一山全部でなんぼなんぼゆう買い方をしてんねんから、原価はゼロみたいなもんなんやからそれでええやん」とか「うっとこは店を開けて、客が買いに来る合間合間に発送業務をしてるさかいに問題ない」と言います。

でもそれは理由としては成り立ってません。いくら仕入れの原価が限りなくゼロに近いとしても郵送したら赤になるわけですから、自分の手間賃を度外視するにしても商売としてやってはいけないことに変わりはありません。完全なボランティア活動なわけなんですが、本人はそれに気がついておらず、正常な商業行為だとなんの疑いもなく思っているところが不思議ですね。

織田作之助の「夫婦善哉」のはじめの方にあるおばはんの実家の天ぷら屋の収支が赤になりがちで店主が「おかしいなあ、これこれの野菜で、これこれの値段で売ってんなんさかい赤になるわけがないねんけどなあ」などと本気でぼやいてるのと似てますな。油の代金や什器とかをお忘れなわけです。

 


2019-04-29 10:57:00

今朝も少し寒いくらいで汗ばむこともなく過ごしやすい天候ですね。

週刊「モーニング」連載中の漫画「はたらく細胞Black」は身体の白血球やホルモンなどの免疫システムを擬人化した作品で発想は昔の子どもの絵本にあったものだ。

ただ比喩がなかなか面白いな。今回はあまりにも美食家で寿司やら肉やらあれこれ食べ過ぎたご主人様に対処するため、膵臓のランゲルハンス島がフル稼働することが期待された話だ。ランゲルハンス島は大海に佇む孤島にある掘っ建て小屋風の工場という設定になっていて、ファックスがうなりを上げてインシュリンの注文を吐きだす。しかしこれに応えるべきβ細胞たちはウエットスーツにゴーグルを身につけたスリムな作業員なんだが勤しむどころか集まって顔を見合わせるばかりだ。そうしている間にも血糖値は上がり続けて赤血球が焼け焦げてゾンビ化して酸素を供給しにくくなっていく。業を煮やした作業員が高速艇を飛ばしてランゲルハンス島にたどり着き見たものは、これが見開き2ページにわたるもので、β細胞作業員全てが天井からロープで首を吊っているシーンだったのだ❗️❗️

てな感じなんですが作業員が血液中に溢れる糖分をなんとか減らそうと細かい細胞ひとつひとつを訪ねて糖分を預かってくれと頼むシーンは、巨大なマンションが描いてあって「ピンポーン」てチャイムを鳴らして頼むんだが住人は「糖なんていらねーよ」とすげない。


2019-04-28 10:34:00

今朝も肌寒いので、残っていた灯油をたきました。

金沢の亀鳴堂という出版社が文庫サイズで洒落た文学書をたくさん出していて、上司小剣コラム集もそのうちの一冊です。放蕩息子が東京に出奔し親はあきれて義絶状態なんだが、息子は大阪で食べていた鱧の皮の味が忘れられず、義理を欠くとは分かっていても無心を言ってくるという例の「鱧の皮」が名高い物書きだが関西大の浦西和彦の「大阪近代文学作品事典」には大阪に関するたくさんのエッセイを書いていることが記載してあって興味があり、このコラム集を入手してみました。

新聞に載った芥川龍之介のアフォリズムばりの警句がたくさん集めてある。

50の寿命がある男が30で不慮の事故で死んでしまうと夭折で悲しいのだが、考えてみたら晩酌で食べることになっていた刺身を昼に前倒しして食べてしまったのと同じで、翌朝になってしまえばどちらも同じだという。確かに不老不死の人はいないからそうなんだろうが、死ぬことを刺身に例えるのは面白いな。

 


2019-04-27 08:33:00

今朝は冬に逆戻りしたかのような気温で肌寒くジャケットを羽織りました。動物病院からもらった4種類のダイエット用の餌を一つずつ試していますが、まずカロリーの低いチキンを主原料にしたものはにおいを嗅いだだけで食べません。姉のめすねこがすっかり平らげてしまいました。次に量を食べなくても満腹感が得られる餌を試したらこちらは気に入って食べました。

与える餌の量も減らしてみたので今朝はえらい早うから起きて大騒ぎでしたが、外に行きたい気分もあるようでしたので、食欲か外出欲か試しに餌をやる前に玄関を開けたら躊躇なく遊びに出て行きました。折悪しく丁度家の前にロシアンブルーのような毛並みの飼い猫がいて、何を思ったか全力で追いかけて行きました。

岐阜城の天守閣が震度6以上の揺れが来ると倒壊する恐れがあるので、営業は続けながら耐震補強工事をすると報じられています。昭和30年代に建てたもので、当時は今のような耐震の基準はありませんから、どんな建物でも「倒壊のおそれがある」と言えます。これを利用すれば住民が反対してなかなか地上げ出来ず、大規模開発がストップしている全国のあらゆる地点で簡単に地上げができますね。

災害は開発には神の手ですね、地震なら「耐震強度に問題がある」だし、台風の強風なら「屋根の強風が足りない」だし、大雨の震災なら「かさ上げや移住が必要」だし、なんであれまことしやかに言いくるめて金儲けにつなげられます。

だいたい天守閣なんかたとえ倒壊しても大したことはありません。そんなことよりわれわれ貧乏人の住まいの方がよっぽど「倒壊の危険性が高い」わけなんですが、開発の計画も立てられない田舎の住宅に金をかけるいわれもなければ、儲けも出ませんから、これはほったらかしです。まあ別に耐震強化策をしてもらいたいわけではありませんけどね。


2019-04-26 09:24:00

小島政二郎の「場末風流」に東京人の気質を因循で、なぜか昔のやり方にこだわって改めないとある。ものを買うのも先祖が使っていた出入りの業者を使い、新しい会社は安くて便利でも使わない。神社の祭礼の寄付も先祖の出した金額そのままを踏襲して、えらい昔の金額のまましか出さない。それでいて本人は大金を投じた自分でいるのだという。
川田順の「住友回想記」に毎年新年の賀にみすぼらしい老人が招待され下へもおかぬ歓迎を受けている。不思議に思った川田順が、聞いてみたら住友創設の時に世話になった恩人の子孫で、その恩義に報いるためもうおよそ150年にわたって新年には必ず招いて饗応に努めているとのことだった。

三善貞司の「大阪史蹟事典」の安居神社の項に毎年幸村を供養する法要が営まれているがスポンサーは大丸で、祭礼にも大丸の関係者がきているとある。真田と大丸、なんのゆかりがあるのかまではわからないが鴻池と山中鹿之介みたいなつながりがあるのやもしれない。

東京も大阪も様変わりしましたね、昔通りのしきたりを守るなど今はこっから先もありません。

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