Welcome

古本屋日誌

2017-09-30 12:43:00

日中暑いです、先日お客さんからタイガースの今岡誠の色紙をお譲りいただけました。おそらく月刊タイガースの年間予約特典だろうとおもわれます。  

プロ野球本は蓮實重彦の「プロ野球批評宣言」(冬樹社、のちに新潮文庫)から玉木正之「プロ野球大事典」(新潮文庫)井上先生の「阪神タイガースの正体」虫明の諸著作なんかがいいのですがなかなか手に入りません。玉木正之はさっきの本の中でなぜ打者は凡退するのかを解析してそれは3つの場合しかないと主張していて面白いのですが…

また草野進こと蓮實の本はソフトカバーの単行本がなかなか人を食った装丁で面白いのですが、ちょっとやり過ぎかもしれません。何せ華道の家元というふれこみなので、白地に花をあしらったものなのですが、中身野蛮人とかグラウンドの荒野とかえらいアグレッシブですからね。


2017-09-28 23:51:00

以前創元社が出していた桂米朝の全集を読んでいて、「高津の富」の解説に富くじの一等から引くようになってるのは不思議だ、現代の宝くじは五等とかからひくのにな、ご存知の方はお知らせくださいとのことが書いてあったので、勉誠社から出ている「歌舞伎台帳集成」に高津の富くじの場面があってちゃんと一等から引いてますよと、創元社を通じて伝えたら、米朝からハガキがきて「ありがとう、ご提示の台帳は確かに一等から引いてますね」と丁寧にお礼の言葉があり満足しました。

その後ちくま文庫から米朝の落語のシリーズが出てそこに「高津の富」が収められてやれうれしや、と見てみたら全然直ってなくてそのままの解説だったのでがっかりしました。あのお礼はなんだったんだろう、あの世に行った時に是非追及してみたいものだ。


2017-09-28 16:42:00

昨日は上本町9丁目のお宅に伺い雑誌「大阪人」などをお譲りいただけました。1981年(昭和56年)のがあり8月号で毎日新聞論説顧問の速水良祐が今は大阪城ホールになってしまった造兵工廠本館(明治6年竣工)の破壊を論じてました。速水は建築物の保存は芸術性が高いものでなければならず、本館については保存を主張する論者が習熟に向かう途中の一段階をしめすものだとしたり、日本建築学会近畿支部が評価Bをつけたりしていて芸術性が高いと言われても説得力はないという。

一生懸命陸軍の武器を製造してきたのに、今の時代はそこには何の評価もないんですね。芸術性とかより圧倒的に武器の製造の方が大切だからあの程度の建物なんじゃないですかね。今も西之丸庭園の前に残ってますが、石垣の上にレンガを積んでる壁です、これは見た目にもどうかなあという建築ですけど、(京都国立博物館にもあるので、当時の流行なんかもしれませんけど)そんな外見より兵器でしょう。司馬遼太郎もよくいってましたね、今の価値観で昔を論じる奴はバカだと。


2017-09-28 00:01:00

昨日は北野田のお客さんから伊勢戸佐一郎の本などをお譲りいただきました。「埋もれた西区の川と橋」「雑誌季刊ソフト」などで特に前者は街並みの解説が詳しくて読んでいて楽しい上にたくさんの写真があって大大阪にタイムスリップした視覚的な快感も味わえて素晴らしい本です。伊勢戸佐一郎は谷町の繊維会社(相撲のタニマチですね)や大阪の繊維産業そのものが大阪城あたりにあった陸軍の巨大工場とからんで、その軍服を作るところから発展したわけで大阪はそもそも軍都なんだと書いていて、まあそうだろうなと思いました。当時は戦争で紛争を解決する時代だったわけですから、軍備に全力を傾注するのは当たり前だし、それが今の時代を作ってきたわけで何も恥じることはないし、当然のことですよね。


2017-09-27 00:19:00

中之島のロイヤルホテルが昭和48年に出した「大阪讃歌」ていうエッセー集ですが、評論家の扇谷正造がアサヒビールの社長の山本為三郎から聞いた話として東京、大阪、名古屋の財界人が食事した時東京の人は勘定を他の人に気付かれずにどう支払おうか考え、大阪の人は細かく誰がビールのんだから、すこしたかめで、誰はコーラだからこれくらいと細かく計算して自分のぶんだけ用意する、名古屋は、まあこれは書いてるんだがあまりに失礼なのでここに再録するのはやめときます。

そんなことはないだろうとしか言えませんね。自分のぶんだけ用意する大阪の商売人て、アサヒビールの山本ぐらいだろうと思います。「ここはな」とかゆうて伝票もって払おうとする、「いや、なにゆうてんの、やらしいことしぃな」とかゆうてしばらく取り合いして、まあ最後は最初の方が支払うんですけどね。

財界人て予想通りバカなんだとおもいます。

それはそれとして水木しげるは自身の出生地について境港だとか、大阪だとかいろんな著作であれこれ書いてるんですが、晩年の自伝作品には父親が商売で立ち寄りしばらく大阪に住んでいる時に安立で生まれたとあります。安立は住吉区なんですが、名所となってる話は聞きませんね。私には近松門左衛門や西鶴より圧倒的に優れた作家だと思うのですがね。


1 2 3 4 5 6