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古本屋日誌
萱島駅前には牛丼チェーンの松屋が昔からある。
またモスバーガーも、大阪王将もある。
安いし旨いし結構なことだと思っていたが、なぜか一番手のチェーン店はないことに気づいた。
牛丼でいえば吉野家、バーガーチェーンではもちろんマクド、中華だと(京都)王将であることは言うまでもない。
でもまあ一番手だからといって旨いわけでも安いわけでもないだろう。
むしろ勝っている分、自由に価格を決められるから割高だったりすることもあろう。以前吉野家は利用したことがしばしばあったが、牛丼は牛のいろんな部位の肉を使っているかして、味も統一されていない感があった。
だから松屋もモスも特段不便だとは思っていなかった。
ところが今日買取で三ノ宮に出向いたんだが、お客さんのところに行く時刻に少し余裕があったので駅ビル一階の吉野家に入って390円の朝牛丼を食べてみたら、これが旨いし安いし素晴らしかった。
牛丼は肉が分厚く、大きい上にしっかりした旨味がある。以前食べたものに比べてえらくグレードアップしている。
鳥なき里の蝙蝠みたいな感じがしました。
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昭和41年に読売新聞に連載されていた「百年の大阪」は記者が地道に事件の目撃者を探して細かいところを聞き取って記事にしていくまことに手間ひまかかった企画だった。
のちに読売新聞社から全4巻の単行本が出て、かなりのちに同朋社から完全版も出た。
この中に占領軍相手のキャバレーを作る話がある。
敗戦の3日後に大阪府知事から占領軍相手のキャバレーを作るようにと、かつての大キャバレー「赤玉」に話が来た。
そこで早速ダンスホールを設けて、その二階には鍵のかかる個室もつくった。
ホステスには「いや応一切言いません」との誓約書まで書かせたが、憲兵隊からまかりならぬとのお達しが来て個室の鍵の束が取り上げられてしまったという。
売春は認めないという話だが、これはせめてもの抵抗なんだろうかね。
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千葉雅也の「オーバーヒート」には新刊書を大量にほかすシーンがある。
この作品は千葉の日常をさほどフィクションを交えることなくつづったもののように思える。
千葉は立命館大の先生で例の「勉強の哲学」がヒットしたこともあってさまざまな出版社から献本と称して頼みもしない新刊書が送られてくる。
その量は膨大で大学に設けてある大きなポストがすぐに文庫や新書や単行本の封筒でいっぱいになってしまうのだ。
主人公は個人的に知っている何人かからの本は抜き取るものの、その他大部分の新刊はゴミ箱直行となる。
古本屋を呼んで売り払えば幾ばくかの金に化けるのに……とも思うが、主人公にとっては「要らんものを毎回毎回送りつけやがって‼️」との思いがあるようでゴミ箱に叩き込む爽快感があるようである。
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千葉雅也の芥川賞候補作の「オーバーヒート」に大阪はの話がある。
京都の大学の教員である主人公は長らく東京に暮らしていたが、京都に職を得てすみかは大阪にした。
京都は「全体的に茶色っぽい沈鬱な地方都市」にすぎないが、大阪は「関西の東京なので、まだ東京にいると思っていられるだろう」と書く。
「僕が愛した渋谷や新宿のいかがわしい吹き溜まりは、どんな人にも親切な、というより誰にも当たり障りがないだけの明るいガラス張りの空間に置き換えられていき、当然タバコも吸えなくなった」
なるほどゴールデン街の喧騒や混沌が今や一掃されてしまい、それが大阪に辛うじて残っているだろうというノスタルジーみたいな感覚だな。
確かに私も東京の友人を日本橋に連れていった時交差点から少し入ったゴミゴミした路地を見て友人が
「これは‼️これは‼️まるで新宿やなあ‼️」と感極まった声をあげたことを覚えている。
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今日はえらい前のことになるんだが田中角栄が逮捕された日なんだそうだ。
というのもお客さんから9つの子ども向けに歴代の総理大臣の話を書いた本がないか探してくれた頼まれた。
なんでもその幼い頃からお子さんは幼稚園の校歌に合わせて伊藤博文以来の総理大臣の名前を暗記しているのだそうだ。
お母さんが言うには
「今日は子どもの話では田中角栄が逮捕された日らしくて、その辺のことも含めて首相の伝記みたいな本はあらしませんやろか❓」
とのことで
立花隆の「田中角栄研究」や「田中角栄新金脈研究」はガキには到底理解できないからと考えて写真集の「田中角栄全記録」をお勧めしました。
ロッキード事件で5億円を受け取ったとのことでその真相については最近も真山の「ロッキード」で詳しく論じられている。
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