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古本屋日誌

2021-07-16 17:42:00

今日は谷町四丁目の大阪古書会館と花隈の兵庫の古書会館で古本市。早速行ってみた。

この2つの古書会館は好対照だ。

大阪は間口が4間はあって広い、トラックを直接つけられる道に面した鉄骨五階建ての機能的な造りだ。

一方神戸のは間口は2間もなく、木造二階建て、前の道は田んぼの畦道を舗装した程度のものでとてもトラックを横付けできるしろものでないうえに幹線道路から会館に通じる道は坂道なのだ。

内部も大阪のは大きなカゴを乗せられるエレベーターを備えているが、兵庫は急峻な階段で、即売会の前など古本屋の店主が一階から階段の各段から二階にずらりと並んで手渡しで本をあげていく。

さて肝心の本だが、大阪は奥で大量の和本を販売しているのに対し、神戸は一階でいろんなポスター、寸葉といわれる写真、戦前の古い雑誌などがたくさん販売されている。

また二階には毎回たくさんの絵本、児童書を置いている。

二階に上がる階段は幅も狭く、一段の間隔は広い、一応手すりはあるものの降りる時はとりわけ恐怖を覚えるほどだ。

そこを厭わず母親と幼児が絵本を目指して登っていくのは面白い。

面白いものに出会うには少しのアヴンチュールが必要なんだよなあ。

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2021-07-15 18:48:00

生方敏郎は大正時代の末に出した「三都見物」で大阪には辛辣だ。

金銭だけに価値を置いているので、名所旧跡に見るべきものが何もない。大阪人が阿弥陀池を自慢するので見てみたがあの程度のものどこにでもあるとにべもない。

大阪の人は東京への対抗心が強烈で何につけても「こないなもん東京にはおまへんやろ」とひねくれた自慢をする。

この辺りの批判は的を射ているのだが、その程度のことは誰でも分かっている。
生方の面白いのは大阪人はケチではない、むしろ金はどんどん使うのだが、金を使ったことを他の人に見えるように、見せびらかすように使うと指摘していることだ。

徳川時代の淀屋辰五郎は娘が習い事に通うのに近道になるからと大枚をはたいて淀屋橋をかけた。確かに淀屋橋はその名前からしても淀屋の金で作ったと今でも伝えられている。

生方も大阪駅から人力車に乗った際冬場で寒風吹き荒ぶなかどの人力車もまた車も幌をつけてないことに気がつく。

俥夫に尋ねて大阪の人は大金をつぎこんで、人力車や車に乗っているのが周りの人にわかるようにしたいのだと知る。

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2021-07-14 14:15:00

今日から3日間、箕面のメイプルホールで豊能障害者作業センターの主催で古本市が開催、早速早起きして行ってみた。

というのも「日本金持ち研究」で大阪府の金満家は箕面、中之島、高槻北部に居住していると書いてあったのだ。

阪大も近所の石橋にあるし、それなりの面白い本が出てくるのではと思ったからだ。

ここの古本市の特徴はレコードや音楽CDがたくさん出品されることで朝10時の開店前にレコードコーナーにはカゴを片手に行列ができている。他にも雑貨の類が売られている。
今回は懐かしい黒電話が3000円、プッシュ式電話機や可愛らしいマトリョーシカだとか、ビクターの犬なども並んでいる。

文庫本は全て3冊100円なんだが量は少ない。単行本やマンガのセットはそれぞれの値段だが講談社漫画文庫の「プロレス列伝」の11冊揃、「魔術の帝国」なども出ていた。

ただやはり本がよく動くのは2月、3月でこの7月は古本屋は暇な時期にあたるので本の量、質は今ひとつの感じがあった。


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2021-07-13 20:36:00

生方敏郎の「三都見物」は大正10年刊行の京都、大阪、東京の見聞記だ。

生方は中公文庫で「明治大正見聞記」がある、面白いライターだ。

日清戦争直前の国内に垂れ込める閉塞感や清国への恐怖が同時代ならではの切迫感をもってうまいヒッチで描かれて心打たれる。

さて、この「三都見物」では桃山の明治天皇の墓に詣でる話がある。

なんでもその墓の前にある鳥居にはびっしりと文字が刻まれていて

「なんとか会社これを建つ」という文字だ。要するにうちが金を出しましたよアピールだ。

生方は「この上に広告のためにという文字をなぜ掘らなかったのだろう」と皮肉を書き留める。明治の大帝を商売気なしで称えるいさぎよさはないのかということだ。

このネタは近くはアレックスカーが書いてるよね。銀閣寺や法隆寺の建物の前に「HITACHI」て書いてある立札がある。これを見て日本を訪れた海外の人たちは」あーこの金堂をHITACHIゆうんや‼️それにしてもHITACHI多いな」てな具合だ。

昔から我が国は商魂たくましいなあ。

しかし一方で生方は伏見稲荷に詣でた話を書いていて例の千本鳥居なんだけど寄進した人の名前が書いてないのが多いという。

「巳年の女」とか「丑年の男」と記したり無記名の鳥居なんだそうだ。

今の千本鳥居はご承知の通り建てた年月日に加えて黒々と寄進者の名前が記されている。

いつ頃からこうなったんだろうかね。



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2021-07-12 22:07:00

古本屋はあまり立ち読みは推奨されない。

むしろ長く本を読んでたら店主から叱られることもある。

ただブックオフや古本市場などでは特段注意もされないからずっと読んでる人もいるよなあ。また古本市でも陳列台にへばりつくようにずっと読んでる人がいる。

すぐ横に別のお客さんが来て棚を見たそうにしていても全く動じないし、店員が本を補充しようと近づいても我関せずだから、自分の世界に深く入り込んでいろと推測される。

これは私には昔から不思議だった。

第一腰が痛くなるじゃないか。本を片手に目を凝らして活字を追う姿勢は前屈みで腰に負担がいく。目にも悪い。

それに立ったまま本を読むことそのものが不自然ではないか。

やはりゆったりしたソファーかクレイドルに身を沈めレイコーかホットに紫煙を燻らせて本は楽しむものだ。立ったままなど落ち着かないし、集中もできないし、暇つぶしの余裕が感じられない。

古本屋といえどそこは社会だ。

自分以外にいくらでも客は入ってくるし、必要な本を確保しようと努めていることに不思議などない。

それにもかかわらず我関せずと他者との交わりを閉ざしてしまうのは姿勢は病的なものが感じられる。


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