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古本屋日誌

2020-08-31 19:13:00

文藝春秋から石井妙子の「女帝 小池百合子」が出た。

小池が芦屋の生まれで、甲南女子中、高から関西学院大学に進んで、少なくとも19くらいまでは神戸にいたことを初めて知った。

だいたいこの人の話し方は全然大阪弁でもないし、大阪のアクセントでもないからだ。
芦屋の連中はそもそも東京かぶれの愚かしいのが多く、そのためちゃんとしたアクセントで話すこともできないことは知っていたからその取り巻きなんだろう。

父親は実業家なんだが常に経営は左前で、自民党の政治家に接近して人間関係を取り結ぼうとし「会社の経営がだめなら、政治家に転身したらいい」との考えだったとある。なかなか斬新な考えだな。

今日は嫁と神戸どうぶつ王国に来た。平日だがかなり親子連れが多い。さすがに小学生は少ないが赤ん坊、園児がウロウロしている感じだ。

ここの売りは飛ばない、動かない鳥のハシビロコウで、中央の「熱帯の湿地」エリアに二羽飼育されている。私はこの鳥よりもオニオオハシという極彩色の小さな鳥の方が気に入っている。
オオハシは顔の3分の2くらいがくちばしで、おもちゃみたいなところが斬新だ。

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2020-08-30 19:20:00

絵本作家のヨシタケシンスケは新潮社から画文集も出している。

日々の生活の中で気づいた興味深いものをメモした備忘録に基づいた著作だという。

ヨシタケは編集者から「この話のこのページとこのページに挿絵を入れてください」と明確に指示された方がいいという。

逆に「先生が入れたらいいなと思われる箇所を自由にお決めいただいて入れてもらえれば結構です」みたいなフリーハンドを与えられると途端に困ってしまうのだという。

好きなところに入れてもいいよと言ってもらえた方があなたのセンスを買ってますということだし、自分の裁量でできるわけだから好きなところに好きな絵を配置できるわけで結構な申し出に思える。
でも自由にやっていいと言われたらかえって何が一番なのかよく分からなくなり、いつまでもどれがいいか比べるばかりで前に進めないと言うのだ。
天分に恵まれたヨシタケシンスケですら、方向性は自分ではつけられないと言うのだ。


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2020-08-29 11:41:00

森下典子の「典奴どすえ」(朝日新聞社)を入手しました。ぜひお求下さい。

森下は達者な行文で流れるように人物や背景が描きこまれ、長い文章なんだ大変読みやすい。
それは魅力の一つなんだが、かつてのテレビが持っていた野蛮なパワーを感じさせてくれるところがよい。

何せタイトルからしてふざけた企画なのだ。

「週刊朝日」の価格で28の森下が16だとの触れ込みで舞妓から芸妓になって祇園にデビューしようというのだから、いくら客はサービスで森下の分は払わなくてよいにしても完全な詐欺だ。
おまけに客にタクシーでホテルまで送らせて「ぼくは東京のしがないサラリーマンだからこんなところには年にいっぺん来れたらなんだ。典奴ちゃんはいつまでも今の気持ちを失わずに頑張ってね」とか言わせているんだから大した玉だよなあ。
まあそれをまた本にしてるわけだから笑わせる。

まあ作者もそれ相応の苦労はしている。

森下は慣れない踊りの稽古もしながら着物だけで20キロ以上身につけて、さらにかんざしなども挿し、いったん形を決めたら1週間は髪を洗えない苦しみや毎晩髪を守るために15センチはある箱枕をあてて寝る苦労もしている。

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2020-08-28 15:57:00

ヨシタケシンスケの絵本は当然ながら人気がある。

私が好きなのは本屋をテーマにした「あるかしら書店」(ポプラ社)だ。

新刊書店が舞台で、客が店主に様々なジャンルの本をリクエストをしてそれに応えるという話だ。
「本にまつわる道具ってある❓」とのリクエストに「読書サポートロボ」の本を出してくる。
小型の四角い顔をもつロボットで読者が本を途中であきらめそうになったら「ほら、もう少し‼️」と励ましてくれる。

本の上に突っ伏してうたた寝してしまったら「ほら、本が傷む‼️」と起こしてくれる。

中でもバカバカしいのは「しおり機能付き」という話で四角い顔のロボが本の横にちょこなんと正座して右手を本のあるページに突っ込んでひたすらご主人様の帰りを待っているというやつで、ロボが可愛らしくて大笑いだ。

古本屋の話もあって「本とのお別れ請負人」だ。古本屋は「実はこの本たちを選んだあなたのセンスそのものを本棚ごと最高の環境で保管させていただきたいのです」などと言って本を売らせる。

もちろん古本屋だから保管するわけもなく売り飛ばすわけでその車には「持ち主のこころのケアを第一に‼️ハートフル 古書流通」と大書してある。バカバカしくてこれも大笑いしてしまう。

でも確かにお客さんの中には「あー売りたくない、売りたくないー売りたくないー」と私に面と向かっておっしゃる方もかなりおられますな。

思い出に本棚の写真を何枚も撮るのはもちろん、「この本たちがもし売れなかったとしても、絶対に捨てないで下さいね、もし捨ててしまうんだったら売りません‼️‼️‼️」と叫ぶ人もいます。



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2020-08-27 21:45:00

今日も京都のお客さんのところに買取に伺いました。

京都は昨日の昼間かなり激しい雨があったそうです、心なし涼しいようです。

それでも下鴨から河原町今出川まで歩くだけで汗みずくとなり、二条で降りて赤尾照文堂の新店舗を見に行ったり、閉店した三月書房のシャッターに書いてある騙し絵を鑑賞したりしてから寺町をたらたら下るころには倒れそうなほど暑かった。

ようやくたどり着いた「キリンシティ」でブラウマイスターを頂きました。ビールは一杯目だけがうまい。喉ごしを楽しめるし、苦味もちょうどいいし、体全体が冷たい水を欲しているから大喜びだ。

しかし2杯目はその感動はない。

もう一度それを味わうには再び下鴨に移動して、炎天下河原町今出川、二条通りを行ったり来たり、アーケードの寺町を下るという気の遠くなるような作業が必要となる。

そんなバカなことは誰もしない。普通はビールはやめて焼酎だとかウィスキーなんかにするわけだ。

ここからは人によってはいくらでも気分良く飲めるわけで、からみ酒などではなく、実に気持ちよさそうだ。これは遺伝的にアルコールを分解できる酵素を血液中に持っているからで、猛毒のアセトアルデヒドも簡単に分解してしまう。

だから例えばキリンシティにアセトアルデヒドを分解してしまう酵素を注射器なんかで血管に直接の注入できるようなオーダーがあれば、基本的には赤ん坊であってもいつまでも楽しく酒が飲めるはずだ。
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