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古本屋日誌

2018-09-30 12:48:00

というわけで、京阪電車も昼過ぎからは全面運休でバスを含め足がなくなり、陸の孤島となっています。近所のスーパーも途中で営業を打ち切る可能性があるので朝方「マンダイ」萱島店に行ってみたら案の定午後2時で営業終了となっていて、たくさんの人でごった返していました。

NHKが土曜の朝にやっている「チコちゃんに叱られる」はなかなか面白くて、なんで新幹線は白と青なん?とかカラオケで小指が立つのはなんでなんとか、思ってもみない質問を浴びせられて適当にゴニョゴニョゆうてたら「ぼーっと生きてるんじゃねー」と一喝されます。これが楽しくていくらでも叱られたくなります。チコちゃんの顔が大きく膨らんで蒸気をふき上げて怒るんですから本当に楽しい。先日の番組では「なんで大阪のおばちゃんは飴玉のことをあめちゃんゆうの?」との質問で、チコちゃんの正解は「豊臣秀吉が商人の都を作ったから」で、要するに大阪は商売人が多いから客に丁寧な言葉遣いをせなあかんから、そういう丁寧な言葉遣いが発達したんだということだ。なるほどーだから大阪弁は丁寧できれいで、上品なんよー、ハハハ。

それはそうとして最後にチコちゃんが実は全国47都道府県の県庁所在地であめちゃんの消費量を比べたら大阪市は44位だということを明らかにしてチコちゃんの説と断ってだが「大阪のおばちゃんはあめちゃんもうてもわがでは食べずにまた別のおばちゃんにやるんちゃうか」という。

そういうことはもちろんなくて、そもそもあめちゃんなんか大して食べないし、人にむやみにやることもないわけだ。私はもう50年以上大阪に住んでるけど親戚、知人、知らん人を含め話しかけられることは多いが、あめちゃんをもうたこともないし、誰ががもうてるのを目撃したこともない。以前も「朝日新聞」が大阪の伝説を切る特集をしていて、大阪はお好み焼きやらたこ焼きやらいわゆる粉もんで有名だが、その材料である小麦粉の消費量は、全国的に見ると全然多くないという。これも単なる都市伝説だったわけだ。

 

 


2018-09-29 11:28:00

今朝は雨でしっとりしています。明日の夕方に台風が来るそうでまた電車がストップするのではないか、萱島は京阪電車しか足がないので陸の孤島のなってしまい、大して風も吹かないのに大げさに止めてしまわれると、仕事の段取りが狂います。

松原タニシの「恐い間取り」を買いました。事故物件に住んで怪異現象が実際に起きるかどうか体を張って確かめた本でどの話も冒頭に住んだ家の間取りが詳細に図示してあります。これが話にリアル感を生んで読んでいくと頭の中にあれこれ絵が浮かんできて恐くなります

事故物件が本当に問題なのかはわかりませんが、われわれにはそれをまがまがしく感じる本性が備わっていることを主張したのがインターシフトから出た「スーパーセンス」という本でした。この本では人間には「本質主義」があることが取り上げてあって、スターのサインが特別なものに思えたり、殺人鬼が羽織ったガウンなど身につける気にもならなかったり、毛沢東に握手してもらった手をずっと洗わないで後生大事にしたりするという。まあ確かにそうですね、赤ん坊にもそういうあるかどうかもわからないが、何となく気持ち悪い、素晴らしいと感じる感性が備わっているのだそうだ。

まあ事故物件であろうがなかろうが、われわれは日々仕事に追われてクタクタです、たとえお化けや霊がそこにいるとしても恐がったりおそれおののいたりして相手になってあげるいとまがありません。


2018-09-28 12:00:00

今朝は日本晴れで爽やかです。少し汗ばむくらいで仕事もはかどるシーズンです。

昔からなんですが本は買いすぎるようにできていますよね。全く興味のない人から見たら「あんなもん一冊一冊背表紙の色も大きさも違うし部屋に置いといたら不協和音を奏でますやん」と毛嫌いされ本棚にはカーテンをかけて普段は見えないようにしてインテリアの統一性を保つようです。しかし本は集めたくなるパワーを秘めていてシリーズ物など集め始めると夢にまで出てきます。

私は学生時代に新人物往来社から出ていた「歴史読本」のシリーズが好きで日本暦総覧とか、系図の特集とかなんですが、なかなか創刊号の系譜のやつが見当たらない、毎日下宿からバイクであちこちの古本屋を巡っていましたが、ある時電話をしたら鴨川の北側の大きな古本屋で「ようわからんけど、だいぶぎょうさん仕入れた山の中にあったやもしれん、あれやったら見て見たらええんちゃうか」とのことなので、喜び勇んで下宿からバイクで出たら右からやってきたホンダのゼットに跳ね飛ばされて4、5メートルくらい宙を舞いどたりと車道に落ちました。降りてきて「いけるか?」ゆうにいちゃんに病院に連れて行ってもらうのも断り、そのままバイクを起こして古本屋に向かいましたが、もちろん空振りでした。

お客さんにも本に思い入れがあって、売りたいとわたしを呼んでおいて「一つお願いがあるんですが、売った本がもし売れなかってもほかさんといてもらいたいんやわ」とお客さんが言う。せっかくせっせせっせと集めたのにほかされてごもくになってまうのが耐えられへんゆうことのようで「はいはいはい、ようわかってますよ」と答えてますが、処分してしまうことは言うまでもない。


2018-09-27 10:51:00

昨晩も雨がしとしと降り続き、地べたはじっとりしてましたので猫も外出には及び腰でした。

先日お客さんから買い取った本を点検していたら初めから終わりまでびっしり鉛筆の線引きがあることに気がつきました。最初は消そうかとも思いましたが、あまりにも面倒なので処分することにしました。

このところもお客さんから色々探し物を頼まれます。例えば中公文庫の「檀流クッキング」がなかなか見当たらないというのです。なんでも美食家でもあり漁色家でもあった檀一雄が放浪先であれこれ蓄えた蘊蓄を惜しみなく開陳している傑作なんだそうで、「どうしても見つからないんや」とのことです。またサンリオSF文庫の「PKディック短編集」が10年らい探しているのだが見当たらないという。

なんかお客さんの言っている意味がよくわからないんですね。どちらの本もネットで検索したら一秒もかからずに見つかりますからね。それに非常に安い。

ネットとかでこうたり探したりするのが嫌いだとか、やはり本は本屋で買いたいという考えなんでしょうかね。私にはよくわからない考え方ではあります。もちろんお客さまにはたちどころにご用意申し上げ、喜んでいただきました。

車谷長吉の文春文庫「金輪際」が手に入りました。なかなか面白い本なので是非お買い求めください。表題作の「金輪際」は著者の小学生時代の思い出で東京から姫路に宿替してきたよくできる澤田くんの話です。頭も良く、スポーツもこなし、はなからリーダー格のような子で車谷は圧倒されるのですが、ある日澤田くんの家に招かれる、一緒に宿題しょうというわけで、車谷は喜び勇んで駆けつけるのですが、もう1人武内くんという子も招かれていて、遅れてきたその子と澤田くんは仲良く塾の宿題をやり始めるのです。車谷は当然塾なんかかよてませんから、2人のやっている課題はチンプンカンプンでおまけに澤田くんから「君、もう帰ったら」と言われてしまうのです。どうも澤田くんは武内くんと示し合わせて車谷をいびろうという魂胆のようでした。

てな具合に金輪際会いたくはない友人の話が綴られていてなかなか読ませます。

 


2018-09-26 12:15:00

今朝は曇り空でしのぎやすい天候です、猫は例によって外に出て盛んに草を食べてましたが、急に玄関に飛び込んできて上がり框のところにぴょんと飛び上がりえずきはじめて、草を戻して地図を描いてました。いちいち家の中に戻り、土間ではなく上がり框でとは御念のいったことで感心しました。

例の問題で新潮45は休刊するんだと新潮社が発表しました。ようやるよなあ、完全に言論弾圧に屈しているわけで、言論人として情けない。

この雑誌には昨日取り上げた有馬哲夫の、トルーマンの責任を厳しく問いただす面白い論考も短期集中連載中だったし、そういうものが一切読めなくなるのは困ったことだ。

私としては大阪に対する差別的な扱いは一切禁止にしたいのだが、地方差別と血液型差別はなぜか容認されておりいつまでもおんなじような形で垂れ流されている。みのもんたとまちゃみが司会をしている「秘密の県民ショー」などようこれだけ下品な大阪のおばちゃんネタを出してくるわと呆れてもいるし、怒りも感じていて放送禁止にしたいぐらいだが、言論の自由の価値を守るためにあえてそういうことは言わない。いろんな、ものすごい数のドラマで金貸とかせちべんなやつとか下品な役どころの人間は関西弁をしゃべっているがこういうデタラメなステレオタイプも全て大阪を差別している行為であるので全面的に禁止したいところではある。だいたいテレビ局のやつはバカだから教えてやるが近世の歌舞伎にせよ文楽にせよ地方の人間、つまりはいなかもんが登場するシーンも多いが基本的に大阪弁を話しているんだ。それが規範意識というものだ。


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