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古本屋日誌
坂田藤十郎が亡くなり、テレビで追悼番組をしていた。
藤十郎は齢70を超えても若い女と浮名を流し、それ故か艶っぽい演技で有名だ。
「仮名手本忠臣蔵」の9段目山科閑居の段で戸名瀬役を演じていた。
このくだりは歌舞伎にしてはまだまともで、我々から見ても、幾分か感情移入できなくはない仕上がりになっているから人気がある。
それにしても内蔵助の倅、力弥の許嫁だったわが娘が高師直への内通を理由に婚約破棄を突きつけられ、体面が保たないとかいうよくわからない理由で「死ぬ‼️‼️」と言い放った際、母親の戸名瀬は大声で「でかしゃった‼️でかしゃった‼️でかしゃった‼️でかしゃった‼️‼️」と連呼するところは辟易するよなあ。
武家というヤクザ社会では体面が何より重んじられるのだろうけど、普通に考えて全く共感も出来ないし、同意もできない。
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大阪は文化不毛の地だとのことで、金儲けが何より優先される土壌だということになっている。
父親はよく「なあ、克己(私の名前です)この世の中はな、金儲けが一番なんや、金がもうからなんだらどないしょうもないんや」と言っていた。
私がヤンチャして繁華街で遊び呆けていた時とか警察とちゃんちゃんバラバラしていた時、あるいはスナックで大枚すった時、教訓をたれていたと思うかもしれない。
しかし親父がこれをいうのは私の学校の成績が極端によかったり、結果として有名大学に進学できることになったりした時なのだ。
父親として自分と全くちがうタイプの倅を扱いかねていたことはよくわかった。父は大工の二代目で寡黙ながら腕のいい職人だった。
また父親は阪神間芦屋の邸宅街にも注文を受けて気に入られて模様替えなどに通っていたから、いわゆるインテリ層とも付き合いがあった。
つまり大学の先生や医者、作家などの中には恵まれた収入を得ている人がいることはよく知っていた。
それにもかかわらず、文弱ではいかんというのだから、よくわからない。大工仕事がよっぽど儲かるという自慢をしたいのかもしれないが、本人が大して稼いでもいないから何の説得力もない。
やはり大阪の変な風潮に染められてしまっていたのだろうか。
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古本業界の雄、ブックオフはたくさんの在庫を持っていて魅力的だ。
文庫本はご承知のとおり100均とそれ以外の小説、その他の教養系の文庫、岩波文庫、岩波現代文庫、中公文庫、講談社学術文庫、講談社文芸文庫、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、朝日文庫と小分けしてあって探しやすい。
ただ講談社文芸文庫だけはほとんど小説ということもあって、その他の小説の棚に入れていることがある。つまり文芸文庫だけを集めたコーナーとその他の小説のコーナーの二か所に分割しておいてあるわけで、その方が売れるからだろう。
肝心の価格は大体は定価の半値くらいで、少し高いのもあれば安いのもある感じだ。
例えばロングセラーで人気のある岩波文庫の「ブッダのことば」「ブッダの真理のことば、感興のことば」はともに610円(税抜)になっている。この本は定価が1243円と1111円で54%と60%で、「ブッダのことば」の方がたくさん入荷するので、割安になっていると思われる。
この定価の半額とか6割というのはかなり偉大な設定で、Amazonなんかでプレミアが付いて高値になっている本も追随しない。
講談社学術文庫の「百魔」や「第二次大戦に勝者なし」「源氏物語湖月抄」、ちくま文庫の「森鴎外全集」なんかもプレミア価格ではなく、6割とか半額で売っている。
これは客にとっても心躍ることだが、店員にとっても楽しいに違いない。
なんせいくらでもそのレベルの本が入荷してくるし、自分の好きな時にそれらの在庫を店内に出すことができるし、好きなBGMを流して雰囲気を満喫することもできる。
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神戸に本部がある中学受験の進学塾の日能研関西の社会の非常勤の先生が、定年後時間給が2割も削減されるのは不当だと会社を訴えた裁判で動きがあった。
この先生は時間給で働く非正規の労働者だが、定年前も後も仕事は授業をすることで、何ら変わりはないのにもかかわらず、年齢を理由に時間給が下げられるのは不当だと訴えたわけだ。
神戸地方裁判所は門前払いにしたので、大阪高等裁判所に控訴していた。
先に大阪高裁は「今後両者で協議する」との条件で和解するよう勧告してきたが、会社はこれを拒否した。
その後大阪高裁は「今後真摯に協議する」という条件で和解するのはどうかと再び勧めてきたというのだ。
高等裁判所としては判決文を書きたくないのかなあ。
会社との契約交渉の時に「この下がった時間給では納得できない」との録音も証拠として提出してあるわけで、それを否定するのもなかなか難しいのだろう。
しかし裁判官はバカとはいえ、一応きちんとした勉強はしてきたわけだろうから、当たり前の判決を出さないといけないだろう。そんなことも出来ないならもう裁判官などというものは必要ないよ。
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仕事があまりできない人はどこの職場でもいる。
やる気がなくて適当にやっている人もたくさんいるけど、そうではなくて自分なりに一生懸命なんだが、それでも空回りしたり、能力が伴っていないためにしくじったりする。
一方余力があってちゃっちゃと業務をこなしている人もいて、そういう人は「あのなあ、〇〇さんてなあ、もう入社4年目やのに、あんな仕事しかでけへんようでは今後社内で困るで」とか言う。
窓口業務も以前はアナログで、書類を書いて、チェックしてハンコをもらってみたいなものだったが、今はPayPayだのLINEペイだのPiTaPaだの支払い方法だけでも膨大でいちいち覚える負担も並大抵ではない。
ついていけない人もいてそういう人がバーコードリーダーを手にしてもたついている。
横にはベテランのできる人がいるのだが、いつまでも自分が出張ってやってしまうのは業務分担の上でも好ましくないからやらせているのだが、なかなかうまくいかない。
つい笑いながら楽しい声で「わたしが全部やんのかい〜」と声をかける。
できないおばさんは「そんなんあなたとは私は違うんだから」と悲鳴を上げる。
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