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古本屋日誌
タイガースの藤川が引退することになり、テレビでも特集が組まれている。
2003年の4月11日の東京ドームでのジャイアンツ戦で藤川は9回裏に登板して3ランホームランを打たれてリードを守りきれなかったことがあった。藤川はがっくりとマウンドにへたり込んでいたけど、6点のリードを守り切れないとはいつものタイガースらしい試合運びだと大して気にはならなかった。
ところが2005年の9月29日の甲子園でのジャイアンツ戦ではいわゆるJFKで登板して難なく抑えてタイガースは優勝したわけだ。
この日の登板ではシーズン登板数の記録も達成して球場に詰めかけた連中から一斉にフラッシュが焚かれて、その挙句アナウンスで「フラッシュを焚いての撮影はご遠慮ください‼️」と何度も注意が流されて試合が中断する事態となった。
だいたいフラッシュは手元を明るくするためのもので遥か遠くのマウンドにいる藤川に向かって使用しても何の意味もないことは言うまでもない。
バカは本当にどうしょうもないことを改めて確認できた。
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昨日は花隈の神戸古書会館の古本市に行ってみた。
この古本市の特徴は本の少なさだ。一階はたたきがあるのでスペースは10坪もないだろうし、二階もそんなもんだからとても古本市と呼べるしろものではないよ。
また、並べてあるものには映画のポスターや競輪、競馬の会期を知らせる大きなチラシなどもあって我が物顔にスペースを占拠している。
古書会館は木造二階建てであり、二階に続く階段は急峻でしかも運搬用エレベーターの類はない。しかも会館の前は1間もないような路地であり、トラックを横付けして本を積み下ろしできそうもない。
だからこの古本市は一種の儀式なのだ。
「ここはな、先祖代々神戸の古本屋の聖地なんや。あの震度7の大地震にも持ちこたえたんやで。せやさかい毎年3回の即売会はきちんとせなあかんねや」てな感じで全組合員に周知徹底されてるのではなかろうか。
大阪の古書会館は五階建てでかなり立派だし、京都のそれも間口は4間くらいはあるし、前に車を横付けして搬入できる。
私の勝手な憶測だが神戸の古書組合も実はもっと広くて、大通りにも面していて、トラックを横付けできる施設があって普段の市はそこでこなしているのではないか。ただ神戸の古本業界の聖地として即売会の時だけは木造の古書会館を開けているのではなかろうか。
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このところ野坂昭如は全然売れない。
以前は新潮文庫の「てろてろ」は人気があってすぐに売れたし、文春文庫の「文壇」の帯付きも欲しいというお客さんがかなりいた。
同じく文春文庫の「エロトピア」1、2は根強い人気があって「あれ探してんねんけど、ないねん、見つけたらゆうてや‼️」と頼んでくる人もいた。中公文庫の「1945夏神戸」も人気の作品だった。20世紀の末にでた3巻本の「野坂昭如リターンズ」はでた当初は「あれ全部揃えて送ってくれ‼️」というお客さんがいた。
野坂の扱ってる題材がエロに関するもので、また小説の文体がねちっこく、汗臭いものだからレオドラントで、除菌、自粛の今日に合わないからだろう。
でも「てろてろ」はエロスには暴力的な芽があることを哲学的に追求した作品だし、一読して全然エロではないよなあ。
男女のあれこれをつづったエッセイの「エロトピア」にしてからが壮大な思考実験で楽しく大笑いができるギャグでエロさはない。ラブホテルでの営みの話があるけど、「男がしゃかりきになるなんてどうなんだと思うよ、女の身体て見てみたらかなり奇妙な形だろう」と話を進めてベットに男が仰向けになって、天井から吊り下げられた女があれこれを致すてな話で、まあ男の方が手抜きをしたい場合の面白い手法が書いてある。
野坂は思考実験が好きで自伝的長編の中で戦時中、神戸の神社に住民が集まって「さあ‼️今日はお宮さんの神さんが出征されるぞ‼️神さん御自ら鬼畜米英を撃つわけや‼️ありがたいことやなあ‼️」と盛り上がったんだが、その直後B29の空襲で神社は全焼してしまう。
さて盛り上がっていた大衆は「神さんは沖縄でヤンキーとたたこうてはるんや、ちょっとお住まいが手薄になってもそりゃあしゃーないよなあ」となるのか「神さんゆうたかてこんなもんや」と目が覚めるのか、それとも「…………………」ひたすら沈黙を決め込み時流に流されていくのか興味深いですな。
野坂とは対照的に村田基の「フェミニズムの帝国」の方はえらい人気があって、とりわけ文庫本が欲しいというお客さんが多い。この本は以前は全く人気がなく俺がお客さんに「これ面白いですよ、ぜひ読んでくださいよ‼️」と勧めて読ませても「なんやこれは‼️女を襲う男の話を女に置き換えただけやないか、工夫が一個もないよなあ」と全否定されてがっかりした。
でも男がやるくらいの事はとうの昔に女もやってるわけでそれを赤裸々に描いたのは画期的だと思うけどなあ。
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私の連れが体調が悪く、咳が出るということで医者と相談してPCR検査を受けた。費用は2万5千円とのことで、俺はバカバカしいと思うけどね。
検査方法は唾液をたくさん採取するというもので15mlとのことで集めるのに10分くらいかかったというから笑わせる。翌日結果が来て問題なしだったが、ひょっと陽性のケースでは保健所から連絡が来るのだそうだ。
今日は新しくオープンした京都伏見のブックオフに行ってみた。
中書島の駅から徒歩20分くらいでスマホのアプリに住所を入れたら目的地までの経路が矢印で出てくるやつをいつものように利用して到着。
二階建ての店舗で三階はモータープール、二階は大きな釣具屋だ。
一階フロアの正面に本、左手や奥にハードオフで扱う商品で、新刊も扱っていてレジ前に流行りの新刊が並んでいる。
ここの新書の配置は出版社別になっていて、昨今のブックオフのように「歴史」とか「宗教」とかのジャンル別にはなっていなくて、探しやすいことは確かだ。
店の方も本が多くていちいちジャンル別に仕分けなんかしてられないということだろう。
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中野信子が自伝と銘打って講談社現代新書から「ペルソナ」を出した。
齢45で、どんな業績があるのかよくわからないが、相変わらず表紙は物憂い中野先生のお写真で「年齢にしてはきれいやな」みたいな反応が一般的だろうが、ご本人の意図は何なんだろうか。
内容だが、自伝にしてはディテールがなってない。
先輩の男性教員から抱きつかれた時、どう対処したらいいのかが書いてある。
泣き叫んだり、面罵するのではなく、「お体に障りますよ」と言うのが一番だそうだ。
しかしそういう教訓めいたことを読者は求めてはいないだろう。
中野信子は何回抱きつかれたのか知らないけれど、対処など人によりけりだろう。殴りつけて川に投げ落とした方がいい場合も多いことはいうまでもなかろう。
だから中野先生ご自身が遭遇したセクハラめいた行為を赤裸々に開陳していただきたいところなんだけどなあ。
合間合間にはわれわれの脳の不思議な仕組みが語られる。
自分の舌で味わいで「これは美味い」と思っていても、世間で名の通っているブランドの料理を食べたら脳は「こっちの方が美味い‼️」といとも簡単に自分の味覚を裏切る判断をしてしまうという。
中野は「われわれの脳は世間を生き延びるために周りに合わせてやっていくように、そもそも出来ている」と言う。
だから周りに流されたり、その時々の雰囲気に支配されて考えを変えてしまうのは人としてむしろ正しい反応であって、きちんとした自己などというものは存在しないというのだ。
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