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古本屋日誌

2021-11-30 10:29:00

昨日はブックオフの一部の店舗で2割引きとなる「ブックの日」だった。


そのお陰でどの店舗も盛況だったようだ。
神戸元町にはそれなりの規模の古本屋がある。
1番大きいのは「神戸古書倶楽部」だ。
元町アーケードに面した地下一階にあって、50坪以上はあるだろう。南北に縦長の店内には4列にわたっておびただしい古本が並んでいる。
ただ問題なのは並んでいる本が最近のものではなくかなり古いことだ。
もちろん古い本の中には価値のあるものもいくらでもあるわけだが、そうでない本もたくさんある。
岩波新書の青版や黄版、古い中公新書、北杜夫、深田久弥、阿川弘之の新潮文庫、カバーのないたくさんの岩波文庫、白と青の古いカバーの朝日文庫、肌色の古い中公文庫だ。
これに対してブックオフの店舗は新しい本をたくさん揃えている。
今年出たばかりの中公文庫、ちくま文庫、講談社学術文庫、岩波文庫が少し安い値段で揃っている。
集英社新書のベストセラー「人新世の資本論」新明解国語辞典の第8版、ピケティの「21世紀の資本」古井由吉自撰集、ピンカーの「21世紀の啓蒙」もあるわけだ。
この好対照ぶりを見ていると既存の古本屋に本を売る人はとうのたった老人や遺品整理ばかりなのかもしれないと勘ぐりたくもなる。
もちろんそんなことはなく、いい本を買い取ってもいようけれど、結局そういう本は通販で売ってしまっているのではなかろうか。
元町の外れで、しかも地下にある「神戸古書倶楽部」は賃料が相当安いんだろう。いくつもの古本屋が共同で運営しているから負担はさらに低いだろう。
つまりここは当面売り物にならない本を積み上げておく倉庫みたいになってしまっているのだ。


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2021-11-29 16:25:00

呉座勇一の「頼朝と義時」には壇ノ浦の合戦について次のような内容がある。


従来午前中は潮流が平家方から源氏の方に流れていたので戦局は平家有利だったが、午後になって潮流が逆になると俄然源氏が優位に立った。
また源氏は平家の船の船頭やかこを狙い撃ちして倒しそのため兵船の操縦がままならなくなったことも平家には不利となった、と言われている。
しかし昭和になってからの壇ノ浦海域での潮流調査では当時の潮流は微弱でとても合戦の勝敗に影響を与えたとは思われないし、源氏が船頭をまず倒したというのも、平家方の敗北が決まった後のことで当初から狙い撃ちしたとは考えられないと否定しているのだ。

それにしても呉座勇一はこの本の中でかつて全否定した(本郷和人なんかこの10年なんら学問的成果をあげていないとの発言)を持ち上げる記述をしているのには驚いたなあ。

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2021-11-28 18:04:00

坪内祐三は若くして(といっても60にはなってるけど)亡くなり、その後いろんな追悼特集も出て、奥さんのエッセイまで出た。


それ以降も古本屋仲間の間ではあんなことがあった、こんなことを聞いたとかまびすしい。
編集工房ノアから山田稔の「富士さんと私」が出てその記念講演があった際、坪内は最前列に陣取り熱心に話を聞いていた。
山田は御とし90にもなろうかという高齢で、講演中は椅子に腰掛けてだった。
さて山田の話が終わり、すっくと彼が立ち上がると
すかさず最前列の坪内が
「あーこいつ偽老人やな❗️」と叫んで周りの人達の顰蹙を買った。
またこれも大阪の古本屋から聞いた話だが、講演の後二次会に坪内祐三と出かける機会があった。
飲み屋のテーブルに坪内祐三がついて、その前が年嵩の古本屋だった。もちろん二人は何の面識もない。
ところが坪内祐三は
「君❗️コート❗️」と着ていたのを差し出して片付けてさせようとした。
古本屋が戸惑っているとすかさず
20くらいの若い坪内の付き人みたいなひとが飛び出してきて
「すみませんーこれは私が〜」と引き受けてことなきを得た。
どこまで本当なのかね。
それにしても坪内祐三は書いてた本が面白かったので、俺はこの程度なら何の問題もないと思うな。
むしろ尊敬する先生が自分に気を許してくださってると思ってありがたいと思うけどね。


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2021-11-27 12:16:00

昨日は久しぶりに堺に出向いて買い取りをした。


泉ヶ丘駅からお客さんのお宅に出向いたのだが、ここは高島屋もあるし、駅構内には551の店舗、ドトール、セブンイレブンなどもあり難波の小型版だった。
当然のことだが通販の取引価格が古本の標準的な値段になりつつある。
店舗で売る場合は客層が限定されるので、通販の値段より安価になるわけだが、それが崩れつつある。
お客さんも「Amazonやったらこの値段になってるやん、買い取りの値段、安すぎるんちゃうか❓」とおっしゃることもある。
ただネットの価格は瞬間的に高騰していることもしばしばで、すぐに下落したり、売れなくなったりするものだ。
岩波文庫の「歴史序説」全4巻や「人間知性論」同じく全4巻なんかは重版がかかる前は1万くらいしていたが今は落ち着いている。
外山滋比古の「近代読者論」も外山が亡くなった瞬間には高騰したがすぐに落ち着いて今は千円もしない。
講談社学術文庫の「百魔」全2巻も以前は五千円くらいしていたが、全然売れないため今は半値以下になっている。
てな話をお客さんにはしてみるものの、なかなか納得してはもらえないよなあ。


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2021-11-25 19:52:00

今日は出町柳に出向いて本の買い取りをした。
昼下がりお腹も空いたので河原町通ぞいにあるサンドイッチが有名な「maki」に嫁と入ってサンドイッチセットを食べた。
店内はいっぱいで待ち時間が出るほどなのは以前と変わらないが、店員さんの数が減ってしまっている。オーナーとアルバイトの若い学生風の新人だけだから、なかなか回らない。
新人さんは本当にズブの素人のようで、電子機器を使ってのオーダー取りも慣れておらず、オーナーに手取り足取り習っていた。
コロナ騒ぎで観光客が大きく減ってしまった京都の飲食店は客足の戻り具合には、未だ懐疑的で、またゾロ12月以降感染者数の増加となって緊急事態がぶり返せばそれこそ致命的な打撃を受けるから求人にも慎重だ。
また学生も長く仕事を続けられるかには敏感だからなかなか応募してこない。
豆大福で名が知られる「ふたば」は長蛇の列で圧倒された。
店の前に三重の列ができるのまではこれまでも見たが、今日はそれに加えて河原町通を跨いだ骨董品屋や喫茶店、種苗店のところにも列ができていて、整理に出ている店員に聞いてみたら
「40分から50分待ちになってます」てな話で驚いた。


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