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古本屋日誌

2021-11-08 23:15:00

角川書店からインベカオリの「家族不適応殺」が出た。

新幹線の車内で見ず知らずの乗客に鉈で襲いかかり、1人を殺害し2名に重傷を負わせた犯人を取材したものだ。
犯人は22の若者なんだが小学生の頃から刑務所に入りたい願望があり、やがて罪を犯して無期懲役になるのを人生の目標とするようになった。
犯人は犯行の直前に木曽路にある、危険なために立ち入り禁止になっている地区にある東屋で雨露をしのぐホームレス生活をしていた。
そこへ木曽署の警官がやってきてひつこく出ていくように迫って押し問答となりむしゃくしゃしたらのが凶行に及ぶ起爆剤となったようだ。
自分が気に入って過ごしている東家から追い出されたくないと思っているわけだから、自分の領域を侵されたくないわけだろう。
それなのに刑務所に入って束縛されたいというのはよくわからない。

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2021-11-07 21:47:00

京都大学の熊野寮に住んでいたことがある。

この寮は1970年ごろに建てられた鉄筋コンクリート4階建ての棟が東西方向に3つ並んでいるもので私が入寮した時はまだ建ってから10年ちょっとしか経たない頃だった。
3棟並びのうち真ん中のB棟の一階に農学部の山本くん(仮名)が住んでいた。
彼は鹿児島出身で坂が強く、全く講義に出ることもなく日がな居室にこもってその頃発売された「ドラゴンクエスト」に夢中だった。
ある夜更け山本くんを訪ねてみたら12畳くらいあるモルタルタイルの居室は真っ暗で相部屋で彼の同僚の学生はもう舟を漕いでいる。
山本くんの机のところだけがほのかに明るい。
近づいてみたら机に置いたテレビ画面を見つめて鉛筆を握りしめて何やら紙片に書き込んでいる。
「山本くん❗️山本くん❗️何してんの❓」
「今ね、ダンジョンのな、各階ごとのな、見取り図を作ってんねん」
画面を凝視しながら机上に広げた紙に鉛筆で丁寧にダンジョンの構造が書き込まれている。
どこに落とし穴がある、どのコーナーにモンスターが潜んでいる、どの宝箱は本物だ等のデーターも細かい字で書いてあるのだ。
その作業を進めるために、コントローラーを少しずつ動かして試している。
落とし穴とかがあってなかなかクリアできない人もいるようだが、何回かやったらさすがに危険な箇所はわかるし、実に無駄な作業だ。
また、彼は真夜中に登山するのが好みだった。
銀閣寺の脇から大文字山に登りそこからさらに足を伸ばして比叡山まで行くのだ。
「あのな、夜中やから海中電灯持ってな山道を歩いて行くねんけど道の少し前にな白い着物着たひとが歩いてるねん。誰なんやろな〜て気になるやろ。せやさかい早足になって追いついたろ思て、思いっきりせかせか歩いたってん。せやけどどないしてもその白衣のやつには追いつかれへんねん。あれは不思議やわ」
勉強に身が入らないだけでなく、アルバイトもめんどくさくてやらない。どうしても腹が減った時は寮から少し南に歩くと琵琶湖疏水が流れている。
ここにたくさんブラックバスがいるのだ。
適当な餌でなんぼでも釣れる。
「初めにな刺身で食べてみたろ思たんやけどな、くそうてくそうて無理やったわ。ほんで焼いておしょゆうかけてみたら充分食べられたわ」との報告を受けた。


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2021-11-06 23:38:00

磯田敏夫は大阪のアルサロに勤めながら「文学雑誌」や小沢昭一の雑誌に小説を寄稿していた。

坪内祐三が大阪のエッセイで磯田敏夫を取り上げて「大阪の山本夏彦」と言われていると書いていたので前々から興味深い人物だった。
「道頓堀左岸」などの著作を読んでみたが取り立てて山本夏彦ばりの毒舌や社会風刺があるようには思えない。
この度めでたくも「文学雑誌」の古い号を入手できてようやくその片鱗に触れることができた。
それは1955年の「文学雑誌」の23号で「私はマンガというものが大きらいで、人間が堕落したのは、ヒロポンやパチンコのせいでもなければ、坂口安吾の「堕落論」ではさらさらなく、まして戦後のいうようなものではもとよりなく、トクガワ三百年を除けば日本はいつも戦後で、マンガがはやりだしてからだと思う」と書いてさらに新聞時評を書いている横山泰三を槍玉にあげる。
どう考えてもおかしな話でマンガをきちんと読む能力がないのだろう。
ただ横山泰三をの新聞時評の評価だけは正しいけどな。

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2021-11-05 20:22:00

今日は久しぶりに神戸に出かけた。

新快速の車内でヤフオクを見ていたらUSJのポップコーンバケツが出ている。
「鬼滅」の禰󠄀豆子が例の箱に入っているやつが8500円とかで出ている。
嫁の話ではオーブンから5分くらいで売り切れてしまうそうだ。
またAmazonのサイトを見ていたらコストコで売っている大きなコーヒー豆が3000円くらいで出ている。1800円くらいと思うのだがかなり割高でも買う人がいるのだろう。
USJは日本に今のところ大阪にしかないし、コストコも大都会の秋帆だけだから、商品を買いに行けない人も多いだろう。
いろんな商売のやり方があるわけだ。

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2021-11-05 00:15:00

パチンコの好きな友人がいた。
遅くまで梅田のパチンコ屋で大工の源さんを打っていて全然出ない。
閉店時間も迫ってくるのだが、もう5万くらいつぎこんでいて後には引けない気分なのだ。
とうとう電車賃まで使ってしまった。
彼の自宅マンションは西宮北口にあるのだが梅田からなら阪急電車で250円くらいなのだがそれを残して勝負を止めるのはできない気分なのだ。
妻子の待つ西宮までどうやって帰るのか、普通ならタクシーをひらって読めに払ってもらうとか、キャッシュカードで金を下ろして電車で帰ればいい。
ところが彼は小遣い制で、月に3万なので使ってしまうともう何も残ってないのだ。
結局十三大橋を徒歩で渡って歩いて帰ることにした。
体力も気力もありあまっているんだよなあ。
帰り道、嫁にどう言い訳したらいいのか、考えてみたが良い考えは浮かんでこない。
なにせ梅田ですっからかんになって家まで歩いて帰るのはこれで2回目なのだ。
最初の時もものすごく怒られた。
「バカな無駄遣いはなどとしないから」と手をつかえて詫びを入れたのだ。
それなのに繰り返してしまいどう取り繕えばいいのか頭は回らないがそろそろ武庫川も近づいてくる。
とうとう思い浮かばないまま自宅マンションに着いてしまい見上げたら4階の角部屋の妻子の待つ部屋には午前2時に近いというのに灯が煌々とともっている。
追い詰められた気分が高揚感を高めていく。
マンションの横にある小公園に移動してまだまだ灯の輝く自宅を見ていると思わず芝生に突っ伏して自涜に耽ってしまったという。
バカな話だが、男はこういう不便な現象に見舞われることがあるよなあ。
追い詰められたら高まりを覚えてしまう。
ただ彼の場合は追い込んでくるのが自分の嫁だからいいよな。
それだけ夫婦派円満ということだからな。


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