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古本屋日誌
今日から百万遍で大規模な古本市。また臨川書店でも国文関係の本のバーゲンがある。
早速朝から行ってみた。
今年は台風が来月2日くらいに九州の東から東進する予報が出ていて、前線を刺激して2日と晴れの特異日である3日も雨かもしれないようなので、初日はいい本が特に多いのではないか、と思うのだ。
天気は曇りで、強い日差しは差し込んでおらず、過ごしやすい。
さすがに木曜日なので、人出は去年に比べると多くはない。
開店は10時で、各店の本棚やワゴン、平台にはブルーシートがかかっていて、中は見れないのが多い。
しかし、中には透明なシートを掛けている店もあるので、そこは背表紙を確かめることができる。
今出川通に面した門を入って右手、indigo bookは手水の木組に立ててある本棚の文庫本を見ることができた。
またその北側の竹岡書店は例年通り5冊まで500円で、単行本や文庫、新書を売り出していて、そのうち文庫本は見ることができた。
続いて左側に店を出している小亀屋は、平台にたくさんの文庫本を並べていてこれは透明シートなので背表紙が見える。
またその南側の赤尾照文堂も文庫の平台は見ることができて、講談社文芸文庫、岩波文庫、ちくま文庫なんかが並んでいる。
大殿で古本供養なるものが行われて、10時ぴったりに開店。
門を入ってすぐ右手の三密堂書店は、いつも通り単行本を1冊200円、3冊なら500円、文庫本も1冊150円、3冊なら400円で出している他、占いの本、漫画、レアな文庫本、図録などを販売している。
竹岡書店の文庫コーナーは、仏様の大きな足形の左側に、例年通り設けてある。古い岩波文庫、中公文庫、新潮文庫などがたくさん並んでいて興味深い。
すぐ北側にはキクオ書店が出ていて、単行本を1冊500円で大量に平台に並べている他、中公新書の古いものを中心に新書本を1冊220円、6冊なら1100円で販売している。
左側では、さっきも書いた小亀屋の文庫本平台は講談社文芸文庫や中公文庫も多くて、また安い値付けに感じられた。
1番南側の、ぼあい書房は1冊300円の単行本を平台にたくさん並べている他、文庫本、雑誌などもたくさんあった。
阿弥陀堂の周囲は例年通り様々な全集本が結えられて、ずらりと並べられている、ただ今年はお堂を取り囲むほどの量ではない。
釈迦堂の西側には、これまた例年通り喫茶コーナーがあって、コーヒーが550円、バナナマフィンが、450円で楽しむことができるのだが、来年出ている喫茶店とは違う店だった。
今週の木曜日から知恩寺で開催される秋の古本まつりのリーフレットを見ていたのだが、参加する古本屋は13店。
2年前は17店だったからどんどん減っているなあ。
シルヴァン書房は目録だけの参加となっている。店主は80をこえていて、元気だとはいえ、現場に本を運び込んで売るのは大変なんだろう。
福田屋書店は参加しない。
この店は80年代は叡電の元田中駅のすぐ南、東大路に面した大店で、汗牛充棟の状態であったが、その後ここは閉じて、少し裏通りに店を構えていたそうなんだが、俺は何度か訪ねてみたが、いつも閉まっていた。
井上書店も参加しない。ここは店主が亡くなってしまい、奥さんが店を切り盛りしているのだが、今のところ古本まつりには出ないようだ。
紫陽書院も参加しない。ここは俺は行ったことがない。最新の「京都古書研究会店一覧」にも名前が載っていない。
やはり、重たい古本を会場まで運び込む労力に見合う実入りがないのかもしれない。
ただ去年はこの古本まつりと同じ時期に四条寺町の藤井大丸で古本市が開催されていて20店舗くらい出ていた。
今年も少し遅れるがやはり実施されるようだから、それなりに儲かるような気もするけどね。
昨日は衆議院の総選挙で、名谷の古本市に行ってから、3時くらいに投票に出向いた。
金持ちの代弁者であり、アメリカの犬でしかない自民党政権が負ける可能性が高いので、今回の投票は楽しい。
北巣本小学校の体育館が投票所となっていて、折しも、足弱の、80がらみの婆さんに付き添ってその息子と思しき二人連れが居合わせたが、婆さんは杖をつきもってもたもたしていて、二箇所ある体育館の入り口のどちらから入ろうかと迷ってじっとしている。
倅は「そないなとこおらいで、こっちや側から入ったらええやん」と声を荒げている。
確かに年老いた親の世話は面倒だよなあ。息子の言うことなんか聞かないからな。
23日から、名谷にある大丸須磨店で小規模な古本市が開催中で、今日朝から行ってみた。
2階にスペースを作って新刊本を新潮社、中央公論社、神戸新聞出版局などが並べているのが不思議な感じだ。
古本屋は元町の花森書林、王子公園のワールドエンズガーデン、姫路のあまかわ文庫、伊丹のみつづみ書房なんかが参加している。
各店舗、白い小型ワゴンを一つ使って本を並べているので、参加店舗数は40と多いものの、本の数はさしたることはない。
100円均一で、80年代の雑誌、モーニングやスピリッツ、GON、ピアなどがたくさん並んでいるほか、バタイユ著作集、昔の教科書、新進作家の絵画、絵本、保育社のカラーブックス、など雑多な品揃えで興味深い。
姫路のあまかわ文庫は文芸書をたくさん並べていて目を惹かれた。
大江健三郎の『見る前に跳べ』『青年の汚名』(この単行本は初めて見た)、『川崎彰彦傑作選』は11000円で並んでいたが、これも初めて見た。
さらに石牟礼道子の様々な著作『天の魚』『流民の都」「わが死民』『不知火海』などで、石牟礼の単行本をこんなにズラリと見たのも久しぶりだ。
野呂邦暢や森崎和江の本も並んでいて、これはかなり濃厚な品揃えだな。
今日から11月4日まで、神田で古本まつりがある。
延べ100万冊だというので、興味深いのだが、過去の映像をXで見ると、狭い歩道に人が押し寄せていて、ワゴンの周りも二重、三重に取り巻いていたりする。これは大変だよなあ。
また新幹線で東京までは往復で33000円くらいかかり、宿泊も一泊2万くらいはしそうだ。またこうた本は段ボールに詰めて送る必要もある。
大阪近辺の古本市なら、会場には必ずこうた本を預かってくれたり、段ボールに詰めて発送してくれたりする本部が設けてある。神田はそういうのが完備されているのかどうか、よくわからない。
それに加えて、俺は謳い文句の「年に一度の大バーゲン」に疑いを持っているのだ。
そもそも、東京は大学が桁違いに多いし、出版社、マスコミは独占しているので、商売で本を使うケースが多々ある。人口もものすごい。
だから古本屋、新刊書店はきわめて恵まれた状況にある。
東京以外の街では、店を構えていてもなかなか売れないから、勢い通販に頼ることになる。
通販ならAmazonであれ、メルカリ、ヤフオクでも販路は全国だから、かなり高値でも売れていく。
しかし東京は商売で本を使う人が多いので、読み終わったものはコレクションされることはなく、すぐに古本屋に売る。
これは、古本屋商売には、実にありがたいことなのだ。
何しろ発行されたばかりのまっさらの本が手に入るわけだから。
そしてまたその本を商売がらみで必要としている人が、近場にいくらでも住んでいるから、店舗に並べておくだけで売れていく。これは異常なことやね。
つまり東京の古本屋は、Amazon価格だとか、相場などに関係ない値段設定ができるのだ。(昔の古本屋のスタイルが維持できているということだな。)
ちくま学芸文庫の『ボードレール批評」の全4巻セットでも、近所の馴染みから2000円で仕入れたから、4000円で売ろかなで、何の問題もなくさばけていく。
だから古本屋は近所の人たちが持ってきた本を、店頭にズラリと並べて、またそれを近所のひとがこうていく地域密着型の商売だろう。
そういうスタイルで回っているのに、わざわざ都心の神田で古本市もよおす意味がどこかにあるのだろうか。
そこにわざわざ本を持っていくワケだから、労力も体力も要る。
おまけにお客さんはいくらでも来るのだから、かなり高くしても売れそうな感じが俺はしている。
つまり大した安くないのではないかと疑っているのだ。