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古本屋日誌

2020-08-29 11:41:00

森下典子の「典奴どすえ」(朝日新聞社)を入手しました。ぜひお求下さい。

森下は達者な行文で流れるように人物や背景が描きこまれ、長い文章なんだ大変読みやすい。
それは魅力の一つなんだが、かつてのテレビが持っていた野蛮なパワーを感じさせてくれるところがよい。

何せタイトルからしてふざけた企画なのだ。

「週刊朝日」の価格で28の森下が16だとの触れ込みで舞妓から芸妓になって祇園にデビューしようというのだから、いくら客はサービスで森下の分は払わなくてよいにしても完全な詐欺だ。
おまけに客にタクシーでホテルまで送らせて「ぼくは東京のしがないサラリーマンだからこんなところには年にいっぺん来れたらなんだ。典奴ちゃんはいつまでも今の気持ちを失わずに頑張ってね」とか言わせているんだから大した玉だよなあ。
まあそれをまた本にしてるわけだから笑わせる。

まあ作者もそれ相応の苦労はしている。

森下は慣れない踊りの稽古もしながら着物だけで20キロ以上身につけて、さらにかんざしなども挿し、いったん形を決めたら1週間は髪を洗えない苦しみや毎晩髪を守るために15センチはある箱枕をあてて寝る苦労もしている。

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