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古本屋日誌

2021-07-15 18:48:00

生方敏郎は大正時代の末に出した「三都見物」で大阪には辛辣だ。

金銭だけに価値を置いているので、名所旧跡に見るべきものが何もない。大阪人が阿弥陀池を自慢するので見てみたがあの程度のものどこにでもあるとにべもない。

大阪の人は東京への対抗心が強烈で何につけても「こないなもん東京にはおまへんやろ」とひねくれた自慢をする。

この辺りの批判は的を射ているのだが、その程度のことは誰でも分かっている。
生方の面白いのは大阪人はケチではない、むしろ金はどんどん使うのだが、金を使ったことを他の人に見えるように、見せびらかすように使うと指摘していることだ。

徳川時代の淀屋辰五郎は娘が習い事に通うのに近道になるからと大枚をはたいて淀屋橋をかけた。確かに淀屋橋はその名前からしても淀屋の金で作ったと今でも伝えられている。

生方も大阪駅から人力車に乗った際冬場で寒風吹き荒ぶなかどの人力車もまた車も幌をつけてないことに気がつく。

俥夫に尋ねて大阪の人は大金をつぎこんで、人力車や車に乗っているのが周りの人にわかるようにしたいのだと知る。

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