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古本屋日誌
2年くらい前まで上本町に「一色文庫」という古本屋があった。
100円均一本がたくさん置いてあるし、店内には椅子もあって、くつろぎながら本を選ぶことができた。
また文庫本を含め、かなりの本には店主自ら、透明なカバーも付けもいて、とてもきれいな本が並んでいた。
お客さんもたくさん来ていて、日曜日などは千客万来の感もあった。古書組合には加盟しておらず、それでも全国を走り回ってたくさんの本を集めていて、大したものだと思っていた。
元町にある古本屋「花森書林」の店主とは親しかったようだ。
というのも店主との雑談のなかで「お客さん、神戸やったら花森はいい店ですよ。今の神戸やったら一番違うかな」と言っていたからだ。
また滋賀の古本屋「クロックワーク」や平野の古本屋「からたち」、六甲道の「口笛文庫」の名前を聞いたこともある。なかなか顔の広い店主だったようだ。
ところが数年前の年末に突然閉店してしまい、その後はTwitterの更新もないし、ホームページも放置されたままだ。
元町の「花森書林」に出向いた際、店主に「一色文庫が閉店したんやけど、なんか聞いてはります❓」と尋ねてみたが「えーそれは初耳です。あのお店はちゃんとたくさんお客さんもついていたから、どないしはったんでしょうかね」ということで、情報は得られなかった。
平野の「からたち」の店主はTwitterに「上六の一色文庫さんから、不要になった本棚を譲り受けた」との書き込みをしていた。
店を閉めるわけだから、たくさん並んでいる本棚は入り用ではなくなる。
それを親しい古本屋に譲るということだろう。ということは閉店の事情もご存知かもしれない。
ところがこの「からたち」も店を閉じてしまった。
Twitterに書き込みをして聞いてみることも考えたが、お店の生き死にの話を誰かもわからないやつに話すだろうかと思ったし、以前欲しい本のことでメールでお尋ねした際はご返事いただけなかったこともあって、躊躇していた。
その、「からたち」が久しぶりに店舗営業を再開した。そこで早速出向いて「一色文庫」のことを尋ねてみた。
「それが今何してはるか、わからないんです。店舗の在庫はみんな売ったて聞きましたけどね。うちはこの本棚貰いました」
そうなのか。
友人の古本屋にも消息を伝えていないのか(口止めしている可能性もあるけど)。