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古本屋日誌

2021-06-05 21:41:00

伊達雅彦が書いた「傷だらけの店長」、新潮文庫の1刷、帯付きを入手しました。

伊藤はあるチェーンの新刊書店の店長を長らく勤めていて、その際のあれこれを綴ったものだ。

毎日大量に出版社から送り付けられる段ボールを開封して所定の棚に収める、その前に動きのない商品をピックアップして棚から抜き出して返品作業にかける、次々降ってくる客からの問い合わせに対応する、新刊を持って営業に来る出版社の営業と話をするなどの果てしない業務にかかりきりになる。

なかなか面白いのが万引きを発見した際の処理で、店員に知らせて見張り本屋を出たところで捕まえて謝らせるというもの。

ところが相手が高校生だったりして張り切ってダッシュで逃げてしまうことがある。

伊達はそれでも諦めずに自分も全速力で追いかけるのだ。途中で万引き高校生は盗んだ漫画本を放り出して逃げていくのだがそれでも伊達は諦めず、路上に転がる本には目もくれずひたすら男目掛けて駆けていくんだからびっくりするよなあ。

彼は店長とはいえ、所詮は雇われるでしかないわけで、別に自分の持ち物を盗られるわけではないんだからそこまでして犯人を追いかけるのは冷静な判断とはとてもいえないよなあ。

ひょっと向こうがナイフかなんかで立ち向かってきて、刺されどころでも悪かったら一巻のおわりではないか。でも怒りを抑えきれなくて、そうしてしまう。

また高校生の中には往生際が悪くて伊達の顔を殴りつけたり、叩いたりするのもいて伊達は負けじと捕まえようとするので相手が鼻血を出したりもする。

それを見た店内の客が

「そこまですることはないんじゃないか❓」とか
「鼻血出してるやん、かわいそうに」とか言ってくるので余計に店長はイライラするのだ。

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2021-06-04 19:17:00

加藤典洋の「9条の戦後史」を中公新書から出た。加藤は数年前に亡くなっていてその遺稿をまとめたものだ。

冷戦の高まりを受けてアメリカは日本の再軍備を強く求めたが吉田茂は頑なにこれを拒んだことはよく知られている。

重光葵などは再軍備をして軍隊を持った上でアメリカと条約を結び直して駐留軍の撤退を求めようとしていた。

世界情勢も朝鮮で戦争が勃発し日本国憲法の掲げる理念など空理空論であることは明らかで、それにもかかわらず吉田の再軍備を拒む姿勢は不思議だ。

これに関して加藤はどう判断しているのかが読みどころだ。

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2021-06-03 15:19:00

創元社から出た「原寸復刻 浪花百景」を入手しました。ぜひお求め下さい。

「浪花百景」の復刻は何回もあったが、いずれも判型が小さかったり、原寸大ではあるが印刷がデタラメだったりして、元のダイナミックで奥行きのある味わいが削がれてしまうきらいがあった。

そのむかし立風書房から出たものは原寸大で一枚一枚手に取って見られるものだった、定価は10万もしたのだが、印刷レベルがお話にならないものでがっかりさせられる。

中之島図書館に出向いてこの立風の本を閲覧したことがあったが、あまりの色むらに辟易してすぐ返却しにいった。

その際司書の方は丁寧に一枚一枚漏れがないか、つまりわたしが盗み出していないか、目の前でチェックするというお仕事に励んでおられたが、こんな価値のないものにも手間暇かけないといけないわけだから気の毒だった。

また大阪城天守閣の特別展の際の目録なんかもあるのだがタイトルが、「浪花百景 いまむかし」で、版画の横に現在の風景写真を掲載するという仕立て方で興醒めだった。

趣の高い版画の横に今日のわちやわちゃして薄汚い風景を並べるなどセンスがないよなあ。そもそも芸術作品なんだから現実離れしているのは当たり前だろうに、それがわかっていない。

今回の創元社のはさすがに丁寧な仕上げで色合いも美しく解説も丁寧だ。


目録が2枚あってそのあとは城の馬場で凧揚げしているものだ。


その絵には大きな日傘が斜めに立てかけてある。

正月は日差しもたいしたことがないからやはり真夏の風景なんだろうなあ。

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2021-06-02 12:47:00

「月刊タイガース」の最新号に濱中のインタビューが載っている。

今は亡き星野仙一の監督時代の人心掌握術を語る。

「サヨナラヒットとかサヨナラホームランを打ったときなど監督室に呼ばれて、そこに宝石、ジュエリーの入った箱が置いてあって『この中から好きなのを奥さんに持って帰れ』と、そういう気配りか愛情ね」

なるほど本人に金をやるのでなく嫁のことを気にかけている男を監督が作ってやるわけね。男の不得意なエリアをカバーして顔が立つようにしてやるのはさすがだよなあ。

双葉文庫から上原隆の「晴れた日に悲しみの一つ」が出た。

例によって普通の人の生き方を丁寧に綴ったもので心打たれる。

中でも「パチンコ」はゾッとする。

有能なリーマンの奥さんがパチンコ中毒で、生活費として渡された15万を使い果たして「あれでは足りないよ‼️」と請求してまた金をもらいそれも使い果たしてしまいサラ金から多額を引っ張ってくる。その取り立てが男の会社にまでやってきてしまう。

それでも旦那はやがて4LDKのマンションを購入、当初嫁は「夢みたい‼️」と喜んだ。

「これからはローンの20万とお前がサラ金から引っ張った分の返済8万を合わせて月々28万が必ずいるから、もうパチンコは土日にはやらないようにね」と旦那から言われて承知していた。

ところが性懲りもなくまた借金してパチンコを止めない。

男は嫁のおいたちが同情するもので、計画を立てて人生を送ることを学んだことがないから、俺がなんとかしてやろうとの義侠心めいたもので頑張ってきたが、最後には矢折れ、弓尽き、嫁の太った体がうとましいものに思えてくるのだ。

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2021-06-01 12:52:00

こないだのライオンズ戦の3戦目、8回に岩崎がセットアッパーで登板して一死三塁、一塁となりクリーンアップを迎えた時があった。

私は丁度、同業のタイガースファンのやつと話をしていたのだ。

そいつは二軍戦を観戦に出かけて「ジャイアンツ戦で藤浪が投げて、5回でファーボールは2個だけで勝てそうやったんやけど、後を引き継いだ西の若い方が打たれてまいよった。藤浪は西に蹴り入れとったわ」

二軍戦なんかそれもストライクもよう取らん藤浪なんかをよく金まで払って見に行けるもんだとあきれた。

また藤浪もどう考えても幼稚園レベルのピッチャーのくせによくそこまで生意気になれるものだと嘆かわしく思った。

しかし、相手の機嫌を損ねるのもどうかと思うので黙っていた。

そこへまた同業の若い連中がやってきて

「今1、3塁になってもうてますわ、岩崎は投げ過ぎでバテとるんちゃいますか」てなことをいう。
俺はというとそんな客観的な話をする余裕などなくひたすらハラハラしていた。

タイガースファンのやつらがピンチを迎えてしまったときに弱気なことをいうのはよくあるパターンだ。

打たれて負けてしまってもいいように心の準備をしているのだ。心がショックで傷つくのを必死で防ぎたいと思っているわけなんだよなあ。

しかし今回は岩崎がしっかり押さえてスワレスに繋いで勝利‼️

いったい全体何が起こっているのだろう❓

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