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古本屋日誌
中沢啓治の『はだしのゲン』を広島県教育委員会が、小学生向けの学習教材から除く決定を出した。
なんでもゲンが貧の盗みを働いたことが「子どもに誤解を与えるおそれがある』との理由だそうだ。
食うものが何もない、誰も助けてくれないのだから、持ってる連中を襲ってかっぱらうのは当然のことだ。
追い詰められたら、誰であってもその程度のことはするに決まっている。
だから教育委員会の言い分はバカバカしいわけだよなあ。
俺は実は本当の理由は別にあると思っている。
『はだしのゲン』はその後半で、大東亜戦争の責任は天皇裕仁にあるんだと公言して憚らない。
意味のない侵略戦争を無責任に始めて、挙句、原爆投下を招いた最高責任者として天皇を激しく糾弾する内容となっている。
これは中沢啓治の確信なんだろうが、賛否あるところでもあろう。
それにしてもこの教育委員会の引き起こした騒動で、また一躍『はだしのゲン』に注目が集まっている。
そのため、中公文庫のこのシリーズ(全7巻なんだが)は各書店で品切れになっていて、Amazonではセット価格が高騰している。
新刊で全巻揃えて5300円くらいなんだが、11000円ぐらいになっているようだ。
実際はジュンク堂とか大垣、未来屋などの都市部にある巨大書店は在庫をもっているのだが、都市部に住んでいる人は限られている。
また都会にいても、わざわざ時間を使い、交通費まで支出してマンモス書店に出向くのはめんどくさいとの考えもあるわけだ。
仕事の関係で、ターミナルにある巨大書店に行く時間が当面取れない
とにかく満員電車がいやだ
自宅近くの道はクルマがたくさん通るので気分が滅入る
そもそも出歩くのを好まない
本屋についてから、一々本を探すのが嫌、イライラする
レジの店員が(このお客さん、例の騒動に乗せられて買いにおみえだな)みたいな顔つきをしているようで気になる
Amazonや楽天なら翌日に届くから速いし、楽だ
本屋から全7巻を持ち帰るのはあまりにも重たい
カバンを用意するのも面倒だ
繁華街に出ていくと、つい目移りしてあれやこれや無駄遣いしてしまう
大きな本屋にいくと、読まない本までこうてしまう
このように少し考えただけでも、誘惑の甘い罠は数しれない。
そこで少し値段は高くなるけどAmazonなどで注文してスピーディーに自宅まで送付してもらう方が楽だし、合理的だとの考えが成り立つのだ。
先日BSで帝国海軍の空母信濃を取り上げた番組があった。
信濃は大和型の巨大戦艦の3隻目として作られた全長が240メートル以上もある空母だ。
しかし進水からわずか一月半ほどで、潜水艦から4本の魚雷をくらい撃沈されてしまった。
一方、2番艦の武蔵は20本以上の魚雷が命中して水平に沈没した。
それに比べるといかにも脆弱な印象を否めないよなあ。
やはり敗戦間近の帝国海軍には堅牢な軍艦を作り上げる資源もノウハウもなかったのだろう。
なんでも大和型の艦船は、魚雷の直撃にも耐えられるように41センチの厚さの鉄板を溶接した上、リベットで貼り合わせたものが装甲に使用されているという。
だから武蔵は魚雷がたくさん命中しても装甲は破られなかったのだ。
しかし20本からの魚雷が命中してしまうとリベットも破断して浸水してしまう。
装甲が歪んでしまうと、内側、つまり艦内に鉄板が食い込んで、艦の中央にそびえている梁を、破壊してしまうのだ。する時右舷も左舷も、つまり全艦が水浸しとなって水平に沈んでしまうわけだ。武蔵はそのようにして沈没した。
しかし、信濃は艦橋のある左舷に魚雷を受け、大量の海水が流入して、大きく傾き転覆してしまった。
つまり艦の中央にある隔壁は損傷しておらず、そのために右舷は軽くてアンバランスになってしまったわけだ。
信濃の艦長は元は駆逐艦の指揮官だったとのことで、空母のような大型の艦船の知識はなかっただろう。
レイテでの武蔵のことは聞き及んでいただろうから、魚雷を20本以上くらって、やっと沈んだことも知っていたろう。
駆逐艦とは比べものにならないくらい巨大な航空母艦だし、同じ大和型の戦艦武蔵は猛攻に耐えたわけだから、魚雷をたった4本くらったのなんか、何ほどのことであろうかと考えたのは無理からぬところだ。
このところ諸物価高騰が続いている。
ロシアの侵略もその一因だが、実はその前からすでに値段は上がっていたことがわかっている。
コロナ騒動で、グローバリズム的な効率優先のサプライチェーンが築きにくくなった上に、労働者人口の減少が拍車をかけた。
自粛のために飲食店、観光業、サービス業の労働者の仕事が奪われてしまった一方で、物の需要は増加していた。
俺も通販でなんやかや買いましたからね。
しかしサービス業をクビになった労働者が、すぐに別のものづくりの産業に配置転換できるわけもなく、生産に従事できる労働者は減少し、当然生産量は限られてくるから、値段は高騰したのだ。
100均大手の「ダイソー」なんかは全ての原材料が上がる中でよくやっているよなあ。
うちは梱包に使う封筒やビニール、ガムテープなどの資材を「シモジマ」から調達してました。
しかしガムテープは前は115円程度(この値段もダイソーより高い)だったが、直近は140円を超えている。
一方「ダイソー」はありがたいことに110円で売ってくれているので、当然全てここで買うているわけだ。
ただ50メートルで110円のガムテープは品薄で、売り切れていることもしばしばある。
せっかく店舗まで出向いて、必要な資材を買おうとしているのに、それが手に入らないとなると、こっちは本当に困るのだ。
しかし、決して失望させないのが「ダイソーだ。
従来の丈夫な紙製のガムテープのほかに、ごく薄手のプラスチック製のガムテープを売っている。
これは50メートルあって、安い。ただ粘着力が強力なため、使った端から、また元の位置に戻ってしまい、つぎに使おうとしても起点がどこかわからない問題がある。
それでも40円近い値段の差は大きいから、もちろん「ダイソー」のテープを使うわけだ。
大島隆之の講談社現代新書「真珠湾攻撃」には、参加した空母六隻の搭乗員871名のその後が詳細に書いてある。
これまでの通説では1942年6月のミッドウェーで一挙に空母4隻を喪失し、ベテラン、歴戦の多数の搭乗員を失ったといわれてきた。
ところがこの本によればミッドウェーでの戦死者は84人であり、うち50名は空母飛龍の搭乗員なのだ。
飛龍はただ一隻、無傷で生き残った空母で、その後アメリカの空母部隊に攻撃をかけた。
見事、空母ヨークタウンを撃沈したが、その代償は大きく、「雷撃機5機、急降下爆撃機13機、零戦6機が未帰還となったのだった。」
つまり最初に沈められた赤城、加賀、蒼龍の搭乗員は34名戦死ということなのだ。
陸上攻撃用の爆弾を艦隊攻撃用に付け替えている最中に直撃弾を受けて、誘爆して沈んだわけだから、搭乗員は大多数が死んでしまったのではなかろうかと思っていたが、実はそうではなかったのだ。
これは何故なんだろう。
普通に考えれば、直撃弾による火災で爆弾が誘爆したといわれているが、その過程はかなりゆっくりしたものだったということだろう。
十分避難できる余裕があったということだ。
ミッドウェーについては、ずっと妄説が唱えられていた。
つまりアメリカの艦載機が急降下爆撃を行った時、空母の甲板には爆弾の装填をし終えて、今まさに飛び立とうとしていたといわれていた。
しかし、そんなことは全然なかったことが、今では明らかになっている。
森史朗の労作『ミッドウェー海戦』によれば、アメリカの艦載機が急降下爆撃を敢行した時、空母の甲板には飛行機は並んでおらず、まだ爆弾の装填中だった。
それなら、甲板の下には多数の攻撃機が爆弾や魚雷を抱えて並んでいたわけだから、直撃弾を受ければ直ちに大爆発を起こしそうなものだけどね。
去年、講談社現代新書で大島隆之の『真珠湾攻撃隊』が出た。
これは労作で、例のパールハーバー奇襲攻撃に参加した空母6隻の兵隊900人余りのその後を追跡したものなのだ。
巻末には一覧表が掲載してあって、それによれば、8割以上が戦死している。
その中で従来「真珠湾攻撃に参加した将兵は、実戦の経験豊かな猛者だ」といわれていたが、実際は4分の1くらいの兵隊はキャリアもない、若い新兵だったことが明らかになった。
また真っ先に攻撃を開始した空母赤城の水平爆撃隊は、さすがに的の反撃を受けず、全機無事に帰還したが、その後に突っ込んだ加賀の水平爆撃隊は12機のうち5機が対空砲火によって撃墜されてしまったことも明らかになった。
例の映画『パールハーバー』ではアメリカ側の反撃は遅くて、大したこともなかったと見てしまうのだが、実際は全然違っていたのだ。