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古本屋日誌

2019-05-04 10:29:00
私の父は大工で祖父は宮大工をしていた。祖父が墨江に立てた多宝塔の上棟式に幼い頃出て、なかなか器用で大したものだと感心したし、父がバタコにたくさんの廃材を山のように積み上げて上からロープをかけてあんばい結わえていくのにも心打たれた。
祖母は何度も「お前もあんな風に大工になったらええんやで、勉強したかてしゃあないよってな」と言い聞かせていて、そういうものかなと思っていた。
しかし私は生来の不器用で釘一本打つのにも難渋して間違えて左の親指を叩いて怪我をしていた。
結局塾の先生になって長らく子どもを教えて来たが、それはそれとして、定年も近づき老後の生業として数年前から古本屋を始めてそれも店舗をもつ営業形態ではなくネット販売で、幼い頃ほのかに建築の道を夢見たのとはまるで違った道に踏み迷うことになり、残念ではないが、こんなもんでええんかな、なんか地に足がついていない浮き草のような感慨を覚えている。

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