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2015-08-12 15:41:00

7月中旬時点での2015年の収穫量の予測は、2014年をわずかに下回る
Un potentiel de production viticole 2015 estime,
a la mi-juillet, en tres legere baisse par rapport a 2014
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フランス農水省統計局(SSP)が7月20日付で発表した今年初めての収穫量予測に
よると、2015年の収穫量は、4,660万hlと予想され、2014年をわずかに下回る
と見られる。

2014年に対し1%減、過去5年平均に対し2%増となる。なおこの予想は、乾燥が
続く中での一時的な予想であり、今後の状況により変動する可能性がある。

カテゴリー別では、AOPワインが前年から変動なしの2,209万hl(過去5年平均
に対し5%増)、蒸留酒向けのワインが対前年5%減の802万hl(同1%減)、IGPが
対前年4%増の1,323万hl(同3%増)、その他(地理的表示のないワインを含む)
が対前年16%減の325万hl(同14%減)と予想される。

前年に対する変動は、産地により異なる。東部とシャラントでは前年に対し減
少し、その他の地域では変動がないか、増加している。

なお、この第一回目の予想は、天候上の今後の変動やぶどう畑の衛生状態の変
化は考慮に入れていない。このため、今後数値が変動する可能性がある。

2014年が例年並みのスケジュールに戻った後、2015年は生長サイクルが早く進
んでいる。7月20日時点で、大半の産地で、色づきが始まっている。夏の初め
の猛暑が、この早さの理由である。

数多くの産地で、花穂の着生が多く見られた。開花と結実は大半の産地で、良
い天候条件のもとで進んだ。花ぶるいは少なかった。南部では春の終わりに、
最初のウドンコ病とベト病が見られたが、夏の初めの猛暑に伴い、見られなく
なった。一方、黒腐病が一部の県でかなり見られる。北東部では、ウドンコ病
が見られる。

若い樹や浅く軽い表土のところに植えられた樹を除き、ぶどう樹は今のところ
酷暑を乗り切っている。しかし、7月中旬時点で、一部の地域では水不足の兆
候が見られ始めている。

多くの地域で、収穫量は今後数週間の天候条件、特に乾燥状態の進行に関わっ
ている。

[各地の状況]
(*各地域に続く( )内の数字は、2015年予想収穫量、対前年増減率(%)、過
去5年(10-14年)平均に対する増減率(%)の順番です)

シャンパーニュ(264万hl、-10%、-1%)
水不足が、ぶどう樹の生育のペースを遅くしている。ウドンコ病のリスクが高
い。ぶどう樹の生育は、過去10年平均よりも数日間早い。

ブルゴーニュ・ボジョレ(239万hl、-4%、+6%)
果房の形成が終了し、色づきが始まった。ブルゴーニュではウドンコ病が見ら
れるが、コントロールされている。今のところ、ブルゴーニュの保水量は良い
レベルにあるが、ボジョレでは水分ストレスが見られるようになり、収穫量は
過去5年平均よりも少ないと予測される。酷暑により、果実の日焼けや果房の
乾燥が見られる。予測収穫量は、2014年から減少するが、過去5年平均を上回
ると見られる。

アルザス(102万hl、-2%、-4%)
7月初めの酷暑により、樹齢が若い区画や軽い表土の区画では、水分ストレス
が見られる。収穫量は、昨年や2010-2014年の平均よりも減少するであろう。

サヴォワ(11万hl、+4%、-2%)  ジュラ(8万hl、+6%、-4%)
サヴォワでは、乾燥しているために、ぶどう畑の衛生状態は良好に保たれてい
る。ジュラでは、ウドンコ病のリスクが高い。両地方の収穫量は今のところ、
2014年を上回ると予想される。

ロワール(274万hl、0%、+1%)
酷暑のおかげで、ぶどう畑の衛生状態はとても良く保たれている。7月中旬時
点で、土中の保水量はそれほど損なわれてはおらず、果実の生育の進み具合は
通常通りで、果房の形成がほぼ終了し、例年並みの収穫量が予想される。

シャラント(809万hl、-6%、-4%)
ユニ・ブランは果房の形成が終了した。発芽は2014年よりも少なかった。強い
雨と暑さが交互に訪れたため、ベト病と黒腐病のリスクが高い。収穫量は昨年
を下回ると見られる。

ボルドー(561万hl、0%、+2%)  南西地方(355万hl、+4%、+5%)
ボルドーでは果房の形成が終了し、色づきが始まった。ぶどうの生育は、昨年
に比べ10日ほど早い。開花は良い条件のもとで広がった。当初見られたベト病
や黒腐病は、夏の初めに、酷暑のおかげで健全化された。その他の南西地方で
は、ぶどうの生長は、昨年に対し15日早い。収穫は8月に始まるであろう。土
中の保水量が春に十分に戻っていたので、7月中旬時点で、ぶどうは乾燥には
苦しんでいない。収穫量は2014年を上回るであろう。

ラングドック・ルーシヨン(1,350万hl、+6%、+4%)
夏の初めから気温が上がったが、6月までに土中の保水量が戻っていたので、
水分不足はまだ見られない。この暑さが、早い収穫を予想させる。黒腐病のリ
スクが、特にガール県で、いつになく強い。その他の病気はあまり脅威ではな
い。花穂の着生と開花は、すべての品種で例年通り進んだ。局地的な被害はあ
るものの(オード県の霜、ルーションで嵐と強風)、収穫量は2014年を上回る
と予測される。

南東部*)(566万hl、-8%、+6%)  コルス(36万hl、+9%、+10%)
南東部では、開花は良い天候条件のもとで広がった。収穫量は、プロヴァンス
(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方)を中心に期待が持てると
予想されるが、乾燥の影響が畑に見られ始めている。収穫は早いと見られる。
特にヴァール県で早いであろう。現段階での収穫量の予想には、不確実な要素
が多い。コルスでは、花穂の着生と開花が多かった。収穫量は多いと予測され
る。
*)ローヌ地方とプロヴァンス地方を含む

(Agreste Conjocture,no.1,2015年7月,7/24公開)