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2014-04-27 16:23:00
    By
  • JULIE JARGON

 

 外食産業でいま最も脚光を浴びている分野は朝食だ。タコベルからホワイト・キャッスルに至るまで、あらゆる事業者が朝食を提供し始めている。ファストフード業界の朝食市場でマクドナルドは草分け的存在だが、同業他社に牙城を崩されつつある。

 

 

[image] Francisco Caceres

 マクドナルドは若い消費者の人気を維持したり、各種商品で埋め尽くされたキッチンで迅速に注文に応じたり、笑顔を絶やさずに高品質のサービスを保ち続けたりすることに四苦八苦している。こうした問題に追われている間に、他社はマクドナルドが長らく支配してきた時間帯、つまり朝に攻勢をかけようとしているのだ。

 

 マクドナルドにとって朝食は、米国の売上高全体の約25%を稼ぐ重要な事業だ。同社は22日に1-3月期(第1四半期)決算と3月の売上高を発表するが、そこで朝食市場での優位性を維持する方法に言及するのかが注目される。

 タコベルは先月、「ワッフル・タコ」を投入して朝食市場に進出した。先月下旬にはホワイト・キャッスル・マネジメントも新たにベルギー・ワッフルのサンドイッチを発売した。こうした他社からの攻勢に対抗するかのように、マクドナルドは3月31日から4月13日まで朝食の時間帯にコーヒーを無料で提供した。このサービスの結果は4-6月期決算に反映される。

 マクドナルドは引き続き朝食メニューをめぐってダンキン・ブランズ・グループ、バーガーキング・ワールドワイド、スターバックスとのし烈な戦いにも直面している。この3社はいずれも今週、決算発表を予定している。

 バーガーキングは今月、1ドルの商品数点を含む朝食のバリューメニューを開始した。ダンキンは本拠地の北東部以外への拡大を狙い、カリフォルニア、コロラド、テキサスといった州で約400店の年内開設を計画している。スターバックスはすでにフレンチベーカリー、ラブランジェのペストリーを販売、今まで以上に品質の高い食品をコーヒーと共に提供しているという。

 マクドナルドは、2月の米国の既存店売上高は減少したと発表している。4カ月連続の減少となり、7カ月連続でアナリスト予想を下回った。1月に発表した10-12月期決算は、売上高も利益も横ばいだった。四半期ベースの既存店売上高も13年に入って2度目の減少となった。

 17日時点のファクトセットの推計によると、アナリストらは1-3月期の純利益を12億3000万ドル(約1260億円)(前年同期は12億7000万ドル)、売上高は小幅増と見込んでいる。

 マクドナルドの株価はここ数週間で昨年の下落分を取り戻しつつあるが、依然として昨年4月の過去最高値(103.59ドル)は下回っている。

 マクドナルドの一部フランチャイジー(加盟店)はすでに、コーヒー無料提供の効果や同社の売り上げを伸ばす能力に懸念を表明している。ジャニー・キャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・カリノウスキ氏が最近実施した無記名のアンケート調査で、ある加盟店は「無料でコーヒーを提供するとは、イリノイ州オークブルック(マクドナルドの本拠地)の天才たちは何と才気あふれた、創造的なアイデアを考えついたものだ」と皮肉を述べている。

 調査に応じた加盟店は、マクドナルドは商品提供以外の対策を必要としているとし、事業を活性化するには斬新なアイデアを見つけ出す必要があると指摘した。フロリダ州オーランドで今月下旬に開催されるフランチャイジー会議では、加盟店からマクドナルドの幹部に苦情が殺到するだろう。

 ある加盟店は調査で「マクドナルドの経営陣は弾薬を使い果たした。恐らく会議で何か新しいアイデアを聞けるだろう」と答えた。

 マクドナルドは決算発表を控えていることを理由にコメントを控えた。